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第十三話
虎御前の姉である穣姫は虎御前とは対照的に相貌悪く、頗る醜女だった。
夫となった為景も廊下で穣姫とすれ違うだけで、露骨に顔を歪めた。
側室の一人になったとはいえ、為景が穣姫に夜伽を務めさせることは一度も無かった。
穣姫はもてあました時間は全て酒を飲んで過ごしていた。
次女の者を足蹴にし、罵詈雑言を浴びせ、家臣たちの噂や陰口を好む。
心身ともに醜悪な女だった。お気に入りの若い家臣達を部屋に呼び寄せた。
不文律として、家臣たちも穣御前の誘いに応じる他なかった。
穣姫は若い家臣に無理やり己が身を抱かせ、夜な夜な淫靡な行為に耽った。
何から何まで相違した姉妹だったが二人は不思議と仲が良かった。
穣姫の目に余る所業に為景は苦言を呈するが虎御前の手前、無下に扱う訳にもいかず、手を焼いていた。




