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戦国鬼  作者: 騎士理 徹 (きしり とおる)
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第百二十五話

険しく吊り上った景虎の目が、救われたように和らぎを取り戻していく。


「母上」


虎御前は印を結びながら涙目を、景虎に向ける。


「僕の、僕の父上は誰なのですか?」


背中から優しく体を包む吉祥天に、景虎は首を捻って聞いた。


吉祥天は微笑み、景虎の掌を、人差し指でちょんと差した。


『臨』の文字が浮かび上がる。


早九字の臨の文字は、毘沙門天を意味する。林泉寺で長年修行してきた景虎。もちろん、それぐらいのことは見知っていた。


「僕の父上は、毘沙門天様なの?」


首を捻って、吉祥天に顔を向けると、吉祥天は微笑んだまま、コクリと頷いた。


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