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第百二十一話
「なんなんだこの光は?苦しい。息が出来ない。そんなに僕を殺したいなら、ひと思いに殺せばいいじゃないか!殺せ!殺せ!殺してくれ!!!」
玉が放つ光に悶絶し、景虎は狂ったように叫んだ。
「景虎!!」悲鳴を上げたのは、虎御前だった。光育の使いの者が、虎御前を栃尾城に呼んだのだ。
「虎御前殿よい所へ、こちらへ」全身に汗をかいて、呪文を唱え続けていた光育が、虎御前を景虎の前に立たせた。
状況が読めず、目を泳がせる虎御前に光育は
「虎御前殿、今こそ、景虎に真実を。そなたの守護印呪を唱え成されませ」
虎御前は、苦悶の表情を浮かべる景虎と光育を交互に見やり、手を震わせながら、印を結ぶ。




