112/388
第百十二話
「この世で最も憎く、可愛い景虎。愛しますとも、あなたは、本当は私が産むはずの子だったのだから」
穣姫に顔面を舐られていると、不思議と心が落ち着いた。
深く冷たい闇に包まれていく。
闇の中は不安も疑心もなく。只々無だった。
キーーーン!!
「ぐわぁー」
鬼斬り丸が光を放って嘶いた。
「忌々しい剣め」
穣姫が鬼斬り丸を掴んだ瞬間、稲妻が鬼斬り丸に落ちた。鬼斬り丸は無傷だったが、凄まじい量の電流が鬼斬り丸に含まれていた。穣姫はバチバチと音を立てて放電する鬼斬り丸を咄嗟に手放した。




