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第百六話
―為景を殺したのはお前だよ。お前のことを病んで、死んだんだ。
「やめろーー!!!」
景虎は自らの両耳を拳で殴り続けた。耳から血流してもなお、声は治まらなかった。
―景虎よ。不浄の子よ、お前の存在そのものが、為景を追い詰め、狂い殺したのだ。お前なんて生まれてこなければよかったんだ。お前なんか誰も愛さない。おまえなんか必要じゃない。お前なんていらない。お前なんか生きていてもしょうがない。お前なんて。お前なんて。お前なんて。……
「あああああああああああああ!己が身に巣食う、悪鬼よ!我が身もろとも死ぬがいい!!」
景虎は、庭先に走り出ると、庭石で頭を打ち付け始めた。




