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第百四話
畳に突っ伏していると、ズンと頭が重くなり意識が遠のいた。
薄い意識の中で、己の体が勝手に動き出していた。
景虎は己が体躯を取り返そうと意識の中でもがいたが、どうにもならなかった。
景虎の意思とは別に、体は甲冑を装着し、葬儀の場へと向かった。気が付けば長兄晴景の隣に座っていたのだった。
―だ、が、みながお前を褒めそやし、城主に据えた。お前もさぞ気分が良かったことだろう。
「そんなことはない!家中の者の意に沿ったまでのことだ。己の体が言うことを聞かない。意思にそぐわぬ所業を行う。こんな、恐ろしいことはないではないか」




