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第百二話
十三だった虎千代は、十五歳と鯖を読んで無理やり元服させられ、名を景虎と変えて栃尾城主となった。
景虎は城の奥に引き籠り、人前に出ることは殆ど無く、陰鬱とした日々を過ごしていた。
景虎のことを心配して栃尾城まで足を運ぶ虎御前でさせ、景虎は会おうとはしなかった。
景虎は、食事も満足に取れず、眠ることさえ満足にできなくなっていた。
ふくよかだった景虎の頬はこけ、目は窪み、林泉寺にいた頃の面影はなくなっていた。
奥の間で、景虎は一人、幻影に苦しめられていた。寝ても覚めても、幻影は絶えず景虎を襲った。




