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傀は全く理解に及ばぬ尼崎の言動に辟易していた。こんな事を口にする奴は下らない宗教にハマった者か、「よからぬ嗜好品」に溺れた者と考えるのが普通で、相手にするだけ無駄というものーーーだが、
「さて、話しすぎたな。もう「奴ら」が来やがった。」
「どういうこと・・・っ!?」
傀は久しぶりに尼崎の言動を理解した。魔法少女もとい天使なる存在の話を切り上げた理由ーーーいや、切り上げざるを得なかった理由である。
いつの間にか、尼崎の背後に何者かが立っていた。黒いスーツに身を包み、平均的な背丈や体格をした金髪の女ーーー。それだけなら何も恐れることはない。ただ一つ、女は右手をこちらに向けて、最もポピュラーな殺人兵器、拳銃を構えていた。女は傀と尼崎の二人が存在に気付いたことを確認し、おもむろに口を開いた。
「話の途中で悪いが、死んでもらう。」