006
尼崎回想
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子供の頃の俺は、何でも知っていて秀才と呼ばれていてた。
でも俺は途中で知らないフリをするようにした。
実際知らないし、フリでもないか。
なにせ俺の本来の知識ではなく、スキルによるものだったのだから。
スキル 大賢者
任意の情報を知識として手に入れることが出来る。しかし、秘匿されている情報は不可。
スキルを取得する方法は2つある。
一つは俺のようにスキルを持って生まれる方法。
もう一つは条件を満たして後天的に手に入れる方法。
前者は良いスキルである場合が多いが、スキルを持って生まれる者はごく稀だ。
そして後者は良いスキルほど取得するための条件が厳しくなる。
これらの情報もスキル大賢者によって手に入れたものだ。
では手に入れられない情報は何か。
この秘匿されている情報というのは外部に漏れないように厳重に保管されている情報だ。
ここで大事なのは誰にも知られたくないという意思。
例えば、街の私塾でどんな授業を受けているか俺は知ることが出来る。
何故なら、そこには授業の内容を隠そうとする意思は存在しないからだ。
以上の説明をしてみたものの俺はスキル大賢者の全てを知ってはいない。
スキル大賢者による大賢者の説明と経験から分かる事実を並べたに過ぎないのだ。