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そんな周囲の苛立ちを無視するように男はぶっきらぼうに口を開いた。
「なるほど、本物だ。」
傀はそんな男の言葉に今度は憤りを隠さずに言葉を返した。
「まさか、俺の実力を図りにきたってのか?言っとくが代打ちの依頼はお断りだ。」
傀はこれまで幾度となく代打ちの依頼は受けてきた。それでも、余計な面倒が降りかかる事や誰かのために麻雀を打つ事を避け、その尽くを断ってきた。
「とにかく金は払ってもらう。準備できねえなんて言わせねぇぞ。」
もう傀にとって目の前の男は金を貰うだけの存在であり、男と会話をするつもりはなかった。一刻も早く、このどこの馬の骨とも知らない興醒めな回し者に消えて欲しいとすら思った。そんな折ーーー。
「東2局の7巡目、お前は6筒を切ったな。」と男は言った。
「へえ、記憶力は良いんだな。」と傀は小馬鹿するように吐き捨てた。しかし、目の前の忌々しい男はそんな傀に臆する事もなく言い放った。
「違う、分かってたのさ。昨日からな。」