5限目〔殺人〕
総合の授業が終わり航太の死を悲しむ僕らはまだ特別棟にいた。
「なぁ悠これいつまで続くんだよ…」
「分かんねぇよ…」
いつ終わるかもわからないゲームに絶望していた時また男の声が聞こえてきた…
「次の授業は学活だ、扉を開け中に入れ」
突然目の前に扉が現れた。僕らは中に入ったそこにはアスレチックの様になった足場があった。
「では今からしてもらうゲームは[グリコ]だ今回は普通に階段ではなくアスレチック出してもらう」アスレチックの先には踊り場の様な狭い空間があった
「じゃんけんに勝ってもアスレチックで落ちれば死が待っているルールは簡単だろ?」
僕と和馬はそこそこ運動出来るがもう一人…俊明は運動とは無縁と言っていい程運動が苦手だった。
「ま、待ってくれよ!」俊明の叫びを無視し男はゲームを始めようとしていた
「よし始めよう…」和馬は俊明を無視してゲームを始めた
「ゲームSTART」
「「「じゃんけんホイッ!」」」
俺と和馬はグー
俊明はパーだった
「や、やったぁ!」
最初のアスレチックは隙間の空いた足場をジャンプで飛び越えると言う簡単な物だった
失敗すれば剣山に真っ逆さまだ
「早く落ちろ…。」
「なんか言ったか?」
「何もない」
《今和馬怖い事言ったような》
俊明はぎこちなくだが無事クリアし次のじゃんけんでは.和馬が勝った
和馬は難なくクリアした
《は?!》
僕は気づいた 僕のすぐ後ろの足場が崩れ落ちたのだ。
《次勝たなければ負ける!》
「「「じゃんけん……ホイッ!…」」」
和馬と俊明はパー
僕は……チョキ
《良かった…》
「え?」僕の目の前には上から垂れ下がったロープとその先には幅50cm位の足場、つまりロープにつかまって向こう側の足場に飛ぶという事だった
「こんなの…無理だろ…」
僕は覚悟を決めて…飛んだ…
ロープは振り子のように揺れて僕は手を離した…
僕は空中で死を覚悟した、
足場にギリギリ届いたが足を踏み外し落ちそうになったが手で足場のヘリをつかみ力いっぱい足場に登った。
一番死を実感した瞬間だった…
それから何回かじゃんけんをして3人とも生きていた。
俊明は奇跡を何度も起こしギリギリ生きているという感じだった
和馬と僕は危ない場面もあったが難なくクリアしてきた。もうすぐゴールだ…何回かじゃんけんして全員がゴールにたどり着いた。
と思ったその時…
(ボンっ…)
「うぁぁぁぁぁ!」突然俊明の声が響いた。
数10秒後剣山に俊明が刺さる音がした。
「おい和馬何してんだよ!」
「…だろ…」
「和馬!」
「しょうがないだろ!あいつは俺の紗季を…殺したんだ!」
「紗季が死んだのはあいつのせいじゃねぇだろ!」
「違う…あいつは紗季に告って断れてた、それからずっとストーカーみたいな事をしてたんだそのせいで紗季はもう死にたいって…そのせいで最近は紗季が話してくれなかった…物理的に殺したのはあいつじゃねぇ…でも! あいつは紗季を…!」
「分かった…分かったから!」俺は和馬にかける言葉がなかった。
その時…
「ゲーム終了」
その声が響いた瞬間 目の前の真っ白な壁が扉に変わった、扉をくぐるとそこは…学校の廊下だった…男の言葉通り一人ずづ死んでる。
和馬が不敵な笑みを浮かべているように見えた…