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鴇朱興国忌憚な矜恃  作者: 頴娃伺結有
プロローグ:生徒会長と先輩
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【04】異世界で同盟

 一旦落ち着いてみよう。僕、名前は鴇朱ときすこう

 北王子学園合同五連結高校の生徒会長だった。過去、自己判断が薄く、頼まれた仕事は余程の理不尽では無い限り全て引き受けていた。その仕事は、一般の出来の最大が100%だったとすれば、必ず150%で終わらせる。そんな能力があった。――しかし、【超能力】ではない――

 全然要らない能力だが、それは学校でも個人的な依頼でも一緒で、その噂は生徒組に匹敵するくらい人気があったらしい。一度、写真集が発売されたが売れすぎたため印刷中止になった程ルックスは良いそうだが、実際はそんな事はなかった。

もともと紙なんて高価な物を写真集という、果てしないインク代のかかるそれを印刷することすら危うまれつつ出版されて、売れすぎたため。なんて実際は知らないが友達♀に家に呼ばれた時にダンボールがたくさんあり、そこから僕の顔が覗いていた時にその謎は解かれたわけだが。

 まぁ、それは置いとこう。考えると怖いからな。

 僕には二つ名があった。『善良神こー』だった気がする。殆どの人からは呼ばれておらず、最終的に皆から『しん』て定着しているので正式名称はウル覚えなのだ。

 先輩にも『しんくん』と呼ばれる始末。まず、親以外に僕を本名で呼んでくれる人は少なかった。小学校の時に会った親が信じている【超能力者】の宗教の教祖に会った時に『こう』と呼ばれた時には嬉しかった。幼稚園から『善良神』の二つ名が在ったからな。

 ……それは、アダ名だって?………知らないなぁ。

 でも、全学年年齢を問わず皆が僕を頼ってきてくれていた。生徒会長に――無理矢理に――就任したときにも、生徒会立候補者が例年の何十倍になったことか。

 

 そして、僕は一週間前から五連結高校の文化祭について会議が続いており、それに対しての経費や資料などの整理に、色んな書類の山に戦っていたのではなかっただろうか。

あ、でも。あそこで一人の女の子と会ったっけ。名前は知らないけど、結構可愛かった娘。そして――キスされた。


 それからだろうか。なんだか、記憶が曖昧になっている気がする。僕のキャラが変わったと色んな人に言われた気がする。そして、先輩にまで。

 先輩に対しては、よく分からないが特別に思えていたのだ。いつも、会った時にもなんとなく何て声を掛ければいいか分からなくなったり。基本は何も言わ無い僕だけど、なんだか先輩の前ではカッコを付けたくなるのだ。


 鴇朱は考える。突然現れた彼女は何なのか、そして覚えたことのない知識。特に、銀河系の知識があるのが驚く。厨二病では無いのだから、妄想などはしなかったし。特に、そんな感じの物語を読んだことはない。でも、少しだけは興味はあったのでそれをネタに先輩と話したら、「天文学は嫌いなの」と向こうから連絡先をくれた。

 それは、どうでもよくて。

 その知識と同じ時期に自分に芽生えた自律心はこれから、何をしようかと考えさせるのだ。

 以前にそれはなかったのかと問われれば、少しはあったと答えるだろう。しかし、その自律心は欲望を抑えるもの、だとか。仕事柄に合うように設計されたような。僕はそれで良かったが、先輩からはいつも「自分に正直に生きればいいのにね」と笑われたが、なぜかは分からなかった。

 しかし、今なら解るだろう。皆とやっと同レベルなった……皆よりレベルが上なのだから。思考能力は上なので、解らないはずはなかった。



◆◆◆◆


アリカは考えた。あの扉には、扉の周りには壁を貼っていたはずなのだ。内側の生物は、殲滅させたハズで生徒組の二人は、扉から生物が出てくる前に逃げて、それ以外の人間は滅ぼした。入ってくる生物も同様に殲滅した。しておかないと後々めんどくさいからだ。

 絶対に入ってこれる訳は無い。でも、入ってきたのなら殺すまでだった。

 この時のアリカは解っていなかった。操作から離れた壁――結界は元々の強度を保てないどころか、破られたとしても解らないのだ、ということを。最強故の失念、と云うべきか。


 黒い少年を見て少しだけ気圧される感覚がするが、でもそれが気力だけの問題だと気づくのはすぐだった。

 彼は丸腰だった。盾どころか、何も持っていなかったのだ。舐めているとは買いかぶり過ぎだろうか。もう、ムカついた。あんな戯言を並べていても所詮カスなのだと理解した。

 でも、名前だけは聞いておこうと思った。トバリの生体レーダーに反応しない――というか自分からさせていないのだろうか。そんな彼の名前を知りたかった。すぐに忘れるが。

貴様おまえは何者で、誰なんだ」

 ニヤリと不気味に笑う彼は少し嘲笑気味に

「僕?ははっ……さぁ。今は自分探しの旅人さ」

 それは、馬鹿にしたような受け答えで、「ふざけるな」と吐き捨てる。聞くだけムダだったかと。恐らく帳が少し見逃したのだろうと思った。

 アリカは右手を彼の方に振った。殺せと云う合図で、まぁ返答次第では生かしてあげとこうと思っていたのに。それは、予想以上の馬鹿と言えばよかったろうか。しかし

「貴様には力を感じない。答えないか?そして、どうやってここに来れた?逃げたろう?」

アリカヲ含めた20人の内16人が彼の周りを囲んだ。全員を見たことはあった。雑誌の特集を組まれていた人たちで、まぁ見たことしか無いけど。彼は笑った。

「嫌な気がして先輩を逃して。それから、普通に入ってきたけど?どうして……あの紙みたいな結界で守れるとは思っても見なかったけど」

 康は少しだけ強がりを言った。結局あの壁の破壊には銃弾五発が必要だったが。

「紙……か」

 彼の目には、ちゃんとした生者の目ではなかった。少し死んだ人間、生を諦めた人間がするような。嘘に慣れすぎている人間もそんな目をする。しかし、彼はそんな人間では無いことは解っていた。『善良神』だからではない。唯、一度あったことがあるからだ。

 風が吹いて、カサカサと紫の変な悪臭のする木々が揺れている。ふと見ると少し遠くだが、寂れた活気のない都市が見えた。アリカはそこに惹かれた――いや、目的を再認識したところで

「いい。一人で野垂れ死んどけ。俺らには一切干渉するな、邪魔しない限り俺らは手を出さない」

手をヘラヘラ振って都市に行こうとした、が、彼がどこからともなく鍔のない刃だけの刀を持っていたのだ。それも、真っ黒の刀身をしている。

「《改変コード》ヒトノ骨ナル成分ヲ再構築シ想造スル武器ヲ造ラスベシ」

 その刀身が光った。瞬間的に風が走った。アリカにもその風は感じられた。と、云うか空間がブレたと云ったほうがしっくり来るだろうか。

 アリカには何も見えなかったと言おうか。一瞬のうちに彼を囲んでいたハズの15人が倒れていた。いずれも首と胴が離れているように見えた。それは、脳が施した事実から目を逸らしたいときに起こる現象で、いくら【超能力者】といえどそこには干渉はできていないようで。


「理解は……可能ですか?教祖様。コレでも僕はあなたの言う非能力者の一人ですよ。名前は……鴇朱康といいます。生徒会長です」

 東京には、5つの高校しか無い。生徒会は一つだけで、生徒会長といえば高校の人間だとはすぐに分かる。と、いうか、彼のことは東京に住んでいればだれでも知っているはずなのだ。

 彼は、厭味ったらしく言えば、アリカは少し身震いした。恐怖、である。漏らしていないのは度胸が間に合ったからだろうが、気になる程度にちびったのは、しょうがない。

そして、一つ理解した。人間のレベルではない。彼とは次元が違うのだ。

 アリカ達が三次元で戦うならば、彼は四次元で戦っていた。感覚も何もかも、敵うものはなかった。

 しかし、此処は強気で行くのがいいだろうか、しかしそれでは力試しと云って紙と言われた結界と一緒に自分まで斬り殺される。

 アリカは考える。こんなことは初めてで、自分が力を見せれば誰も狙わないと思っていた。

 でも、それは間違っていて運が良かっただけなのだ。地球を見れば、自分より強い【超能力者】はいるのかもしれない。でも、それは確認できておらず現在の最強の座はずっと自分だったからこそ思った。

 【超能力者】である自分がそうでは無い人間に恐怖するのか、とも思った。感覚が少し麻痺しているのは分かった。もう、やめて欲しかった。

強制的に思考を手放す。

「教祖様w。一緒にこの星の人間を探しませんか?情報によれば5つの種族が住んでいると言います」

近づいてくる彼から守るように、残った3人がアリカの横についた。

 彼は、でも何かを隠している。例えるなら、巨大な魔法を三つ手に入れて内一つで大暴れした後、恐怖した人間にもう一つの魔法を使い脅かす、そんな感じ。それでも、まだもう一つの手が残っている。

 そういった類の恐怖で、だから、その提案を受けるように頷いた。

「あては、あるのか?」

「5つの内、二つは移民で基本南と北を中心とした種族です。3つ目ですが、原生生物。つまり、襲って来た生物の総称です。後二つは国を持っているそうですが、基本用があるのは南の移民と、此処の座標が解りませんが技術が発展した国です」

「確か、なのか?」

 腰が抜けたようにへっぴり腰なアリカに彼は

「クラウドからの情報ですよ。間違いがあるわけ無いですよ」

 何ていう。

 すれば、前提から終わっていたのだ。圧倒的に情報量が違う。どこの情報か知らないが、当てにしていいと十分な自信のある情報があるのとないのは始まる前に勝負の結果が見えたようなものである。

「どうでもいいですが、雑学をお教えしましょう。宇宙ってですね、広いですが日本語が共通語なんです。はるか昔に宇宙人がですね地球に教えたんです。中国はそれをもパクったそうですが……でもどうせ帰れないんじゃ関係無いですね」

 少し寂しそうに言うと、アリカは、こいつも人間なんだなという感覚を思った。

 急に力が向けてへたり込む。――土が柔らかかった。地球の土は、どう頑張ってもコレまでの調度良い柔らかさを生み出せないだろうが。

「それと、来ましたよ。《マクスカイア同盟軍》さんが。早いですね。それも、凄く多いです」

「500はいる。アリカ様どうします?」

 三人の内一人の側近がそういえば、男がアリカを抱えた。何もしてない一人の少女がふと、彼を見るとニコッと笑う。幼く見えるが、なんだか落ち着くようなそんな感じの笑い方で

「アリカくん。彼女を僕が貰ってもいいかな?」

 そこで、やっと刀を手放した。それははじけて粉になると、彼に張り付いてすぅっと溶けていった。そして、手には銃があった。

 見えた《マクスカイア同盟軍》の白バイは、森の中から、都市の中から来た。アリカらは都市に向かって走りだした。その際、彼は、両手に持った銃の引き金を回りながら引いて、引いて、引いて、引きまくった。

 危ないと、アリカ等が少し大勢を低くして走って行くが、銃声が止んで顔を上げれば森は一部赤黒かった。

「カルシウム不足になりそうですね。肉が食べたいです」

 ――肉じゃカルシウムほぼ取れないけど?と一応突っ込んでおいて。


「あの都市には食べ物があるでしょうか?まぁ600年前のモノは食べられないでしょうが。移動手段も確保したいですね。さすがに徒歩で世界一周はキツイですもんね」

「あ……ああ」

 素っ気無く返事して、どうせなら《マクスカイア同盟軍》の白バイを使えばいいのだろうが、追尾が怖いから破壊しますた。と心を読んだかそう言われた。

「あ、彼女は貰いますよ。あなた方が裏切らないように担保のつもりで。こんなに可愛いなら裏切れないでしょう」

 とうの彼女は、「か……可愛い?」なんて頬を抑えながら悶えていた。





一章開始!!

楽しんでもらえるように頑張ります。

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