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鴇朱興国忌憚な矜恃  作者: 頴娃伺結有
プロローグ:生徒会長と先輩
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【00】プロローグ


過去に一度だけ異世界とこちらの世界――地球が繋がった事があった。

 

 それは数ある別の世界の生物が超空間移動で、三年間だけ地球を支配していた時の話であり、ただの伝説、逸話の類ではなく事実の出来事である。

 彼らは人間と同じような姿かたちをしており、違う点といえば、特別な力を持っているということと、人肉、つまり人間を食べる。共食いもすることもあるそうでその種族の凶暴さが見て取れた。

目的は、食料の確保であり、それ以外はない。

 地球の人間たちは次々と捕まって行き、それからたった千人にも満たないような異世界人に支配されてしまったと、いうことだ。

そんな生活が三年続いていくうちに、突然ワープ装置であった扉が閉じられた。

 それは、地球語で銀河系の警察らしい組織の一団だった。正式名称は《マクスカイア同盟軍》とかいったような気がする。

『こんな所に同種がいるとは思わなかった――まぁ、旧式だけどね』

 その組織の隊長はそういったらしい。


 閉じられた扉は、現在も東京の中心にある。高さ400m、幅1200mの消して錆びることの無い鉱石で出来ているそうだ。

後、二十年もすればこの扉を開くための技術が開発されると言われている。

 そんな時代に“彼”が生まれた。《マクスカイア同盟軍》の言っていた旧型の人間とは全く別の人種である彼が。

その能力は【超能力】と言われ、その力を目の当たりにして色んな人間が加護を得ようと群がっていき、彼が16の時には既に宗教なる組織が組まれていた。

 なにせ、科学では証明できない力であったからだ。幼少の頃より、銃弾は打ち出されても、彼の目の前で見えない壁のようなものでへしゃげる伺、戦車の砲弾も同様であった。

ナイフも、刀も。果ては何億ボルトの電流も彼には通らなかった。

 その【超能力】はまさしく神の如く力であった。すると、彼の次世代のような【超能力】を持った子どもたちが生まれてきた。

しかし、“彼”のような能力を持つものは居なかった。

【超能力】の保持者は、共通してある器官が組み込まれていた。それは、ハマルナ器官と云う能力の強さ、大きさを示すものだった。それは液体で満たされている。力を使えばその液体は減っていき、そしていつの間にかそれは溜まっている。

 不思議なほどに、それでも“彼”以上のそれを持っている者は居なかった。


それから25年後、“彼”は巨大宗教の教祖にまで登っていた。普通に考えれば普通だが、“彼”を操っている影も居なく、そのままの“彼”の強さだった。

 したに、幹部を20人いる。彼まではいかないものの【超能力者】とすれば結構な使い手である。

非能力者に取って、【超能力者】は絶対的な者で、教祖たる“彼”には何人たりとも触れることはできなかった。



 “彼”の名は、スメラギ有華アリカ。今年で26になる青年である。

能力も幼少とは比べ物にならない位で、見えない壁の大きさも変更でき強度も形も思いのままである。


彼を敵に回すようなら、それは人間ではない何かだろう。 

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