9/31
6/2 昼の北小
六年生のおにいさんと遭遇しました。
うろな北小学校。いずるとすずねが通うことになる小学校だ。
いま、その門の側で二人は顔を見合わせて困っている。
「鈴音、ごめん」
「出が急に走るからぁ」
「なーー」
はーぐーれーたーぞーー
そう。
お嬢とたぬきがこの場にいない。
ちらりと小学校に目をやる。
今日は静かだ。
「帰れる?」
「ちょっと自信ない」
「なーー」
わかるぞー
二人が顔を見合わせて息を吐く。
「わかんないよねぇ」
「どうしよう?」
「おまえらなにしてんだ?」
声をかけてきたのはうろな北小学校のガキ大将、まわりからボスって言われてるやつだ。
いずるがすずねを後ろにかばう。
「明日から通うから下見にきたんだよ。かんけいないだろ」
「おまえらだけで?」
言われてすずねの目が潤む。
小ボスがあわてる。
「おい! 泣くなよ」
「おねえちゃんとはぐれちゃったの。まだ住所覚えてないの」
「堂島ってうち、おにいさん、しってる?」
しぶしぶという感じでいずるが丁寧めに尋ねる。
「しらねぇ」
たぬきと、お嬢が行方不明です。
ダイサク君お借りしました。