6/2 朝のTVタイム
日曜の朝ー
「おはよう。しぐれ、たぬき」
「なー」
おはよー
「にー」
おはー
挨拶は新しいボスの部下ソウだ。
いそいそとソウはTVの電源を入れながら携帯をいじる。
「なー?」
何やってるんだ?
「地域によって放送時間帯違ったりするんだよなー。最悪ネットレンタルだけど、ちょっと遅れるしなー」
「ライダーはじまった?」
次に来たのはお嬢。
俺の姿を見てにこりと笑う。
「おはようございます。時雨さん、たぬきちゃん」
「んー今から今から。大丈夫」
お嬢は頷いてニコニコしている。
俺が陣取ってる座布団の横に座布団を置いてすとんと座る。
「おはよう」
「おはようございます。みはるさん」
「おはよーーー」
子供が駆け込んでくる。
たぬきの弟分になるであろういずるだ。
隅に置いてある座布団の山から二枚とってTVを見やすい位置に並べる。
「継にいとおじさんは庭の散歩中だから、鈴と天音がきたら朝ごはん」
「はーい」
「ありがとうございます」
「ホクは?」
「朝っぱらから雨が止んでるって叫んで飛び出して行った」
「大叔父さん、相変わらず。おはよう。柊子さん、宗兄、みは兄」
ボスの助手あまねがすずねを連れてやってきた。
他にもボスの下僕が数人来ていたが、母屋には来ていない。
いっきに人が増えて順位把握ができなくて困る。
黙々と用意された朝食を食べる。
視線はTVだ。
人間がガチャガチャとした化け物と戦う。特撮って言うのが終わると絵が動くアニメがはじまる。
特撮を特に集中してみてたのはいずるとあまね。
アニメに集中してたのはソウとすずね。
バングミが途切れた時に会話が始まる。
「今日は学校の位置把握と町の散策するつもり。後、自転車の購入かなぁ」
「私も。同じく。あと、髪を切りたいの。散髪屋さんのお薦めはさなえさんに聞けばわかる?」
ソウとあまねだ。
「え? 髪切るのか?」
あまねの髪はふわふわで背中の中ほどまである。
「うん。せっかく転入だし、知り合う前に切っちゃたら妙に気にされずにすむでしょう?」
「そっか。長いのもかわいらしいけど、短くても天音ならかわいいから大丈夫だね」
あまねが少し照れたように頬を染めてる。
「じゃあ出発は10時半で」
「ぁーアニメが終わってからね。わかったー」
「じゃあ、出君と鈴音ちゃんは私たちと一緒に小学校を探しに行きましょうね」
お嬢がたぬきの前足をピコピコ動かして笑う。
「ね、時雨さん」
どうやらお嬢の『私たち』は俺とたぬきのことだったらしい。
「んなぁ」
付き合ってやるかぁ。
・・・投稿ミスって大焦り