役場と雨とエビフライ5/31
今日は外の雨音と湿気がすごい。
「さぁ、出掛けますよ。時雨さんはゲージに入ってくださいね」
「な!?」
こんな雨の中出かける?!
「さなえさん、ゲージ持つよ。みはるは書類一式ビニール袋に入れて」
「今日は役場に行ってからクリニックに行きますよ」
「つぐー、俺もいく?」
「ほくおじさんは留守番で。きても邪魔です」
役場ー?
ジャマー。
「いってきます。時雨も雨の中悪いけど車まで我慢してね」
ゲージの中でじっと待つ。
車が止まってボスが同乗者二人と会話している。
「車に残すのは可哀想だよ。役場とかって意外と時間がかかることもあるし、とりあえず、一緒に降りよう。悪いけどみはる」
「んー?」
「駐車場に車止めてきてくれる?さなえさんや時雨が濡れるのは嫌だからね」
この由継結構気が回る奴だ。
ボスに忠実な姿はいいものだと思うしな。
「うろな町住民課に行けばいろいろと教えてもらえますよ。全部必要なことはあそこでできたと思いますし、私が手続きした時は榊さんが親切にして下さいましたよ」
「時雨とロビーにいる」
みはるがそう言って由継から俺のゲージを受け取る。
「あ、ハイ書類」
グラグラ揺らされて気持ち悪い。
「なー」
揺らすなー
「出来るだけ早く戻るから濡れないところにいるんだよ」
「んー」
足音が遠のく。
ひえる!!
「なーーー」
せめてロビーの中に移動しようよーみはるーー
ゲージの中からはみはるが見えない。
現在みはるの評価だださがりだぞ!
誰かが通りかかってみはるを促して乾いたロビーにいれてくれた。
俺は疲れてしまっていて、お礼もできなかった。
「あら、時雨さんおやすみですか?」
ボスの声が聞こえる。
しばらくすると車の振動を感じるようになった。
いい匂いに目を開けると、みはるが海老の尻尾を差し出してくれた。
尻尾ーーーー
この匂いは「流星」のエビフライーーー
「ん」
「やっぱりあのお店は美味しいね。店主もいい人だし。さすがさなえさんお気に入りのお店だね」
俺もオススメだ!!
食べ終わった後はクリニックで揉まれたが、尻尾はサイコーの幸せの元だと言える。
海老フライ衣剥がし済み食しました。
役場を終え少し早めのランチを流星で頂いたようです。
いろいろお借りしておりますですーー