5/25 昼下がりの離れ
うろな町一周年おめでとうなのですよ
「んな?」
かさり踏んだ紙を見る。
みはるが俺を放り出して紙を拾い上げる。
「これはただのラフ。人物だから処理してなかったけど、確か、見かけた高校生だよ。にゃーにゃー言ってて印象に残ってたんだ」
くるり丸めて棚に入れてしまう。
影になってる部分に立てかけられている絵。
「んな」
梅雨の母親だろうか?
「今育休だってねぇ。大変だよね」
双子も無事生まれて梅雨もお姉さんだからな!
「んな?」
どこかで見たような?
「時々迷ってるよね。この子」
あ。思い出した。オスかメスかよくわからん奴だ!
「んな?」
不思議な色合い?
「陰陽師なんだってねぇ」
みはるがしみじみと言う。
「な!」
海の家の悪戯モノ!
「さすがはプロだよね。頂いたおやつ美味しかったよ。うん」
「コレもらっていくぞ」
「え?」
ふらりとみはるの父親が板を一枚持ち去った。
ソレを見送りつつ息を吐くみはる。
「いいけどね。別に」
「うなー」
みはるこの構図がすきだろー。
「主線濃いのは好きじゃないなー。コレは望む色が作れなかったんだよなぁ」
「まぁ、描く気になるものの幅は広がったよね」
みはるがひょいっと俺を抱き上げる。
この町に訪れてもうじき一年になるみはるも何か思うところがあるらしい。
「町長さんがこの町の町長さんになって一年目らしいよ? みんながいろいろ気にしてるみたいだったね」
「な?」
「僕? 何かできることなんかないからね。いい町であることを感謝することぐらいしかできないよ」
イメージイラスト投下回
鍋島サツキ嬢
旧姓梅原司先生
如月レイ嬢
芦屋梨桜嬢
青空海嬢
前田雪姫嬢(たぶん




