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時雨  作者: とにあ
29/31

猫まっしぐら☆

『"うろな町の教育を考える会" 業務日誌』

11月30日 花嫁奪還大作戦その14 猫ナビ様は偉大です。森に響く祝いの賛歌♪

とリンク

 森の道をてってこ走る。

 森の落葉樹が色とりどりに自らを主張する。


 体の大きい雄には見えにくいかもしれない道だ。普段より樹々の装いに気を取られやすいのもある。

 だから、有る程度広いルートを選ぶ。

 頭のが落ちてもダメだしな。

 ここのところ雨も降らず、お天気続き。その上で昼も随分すぎているから、落ち葉も乾燥している。夜露や、朝露で湿気っていると人は足を取られて転びやすいからな。

 乾いていても滑りやすいけど、な。


「んなぁ〜?」

 滑りかけた?


 梅雨の父親が止まっていた。

 じっと見てると笑って俺に視線を合わせてきた。



 ああ、紅葉に魅せられて囚われていただけらしい。



「あ、ごめんごめん。ちゃんとついて行けてるから、そのまま進んでもらって大丈夫だよ」


 魂食われんなよ?


「んなっ!」

 大丈夫なら良し!



 後ろからついてくる気配を確認しながら、落ち葉があまりしかれてないルートを行く。

 運動能力的に大丈夫そうならと、低めの崖を飛び降りたり、倒木とは言わないが、道を塞ぐ障害物を越えるルートを混ぜる。

 足元の落ち葉を散らして滑らぬよう警戒を促す。


 滑って転ばれたら、ボスに怒られる。


 ああ。ゆきちゃんの家が近づく。



 !?



 他の人間の匂いがいっぱい?


 !?



 あの賀川(おす)の匂いがする。



 それでも、


「んなっ♪♪」

 ゆきちゃんは俺のだしっ♪


 早くちゃんと主張しなくっちゃ!








「んなぁあああ♪」

 ゆっきちゃーーーん♪


 見て見てー♪

 俺、かっこいいー?


「手袋ちゃん♪」

 嬉しそうなゆきちゃんの声。続けてかけられる労いの言葉。

 ふと視界に入ってきたのは毛皮が上部に突き出していた。


 こすぷれ?



 ゆきちゃんの合図にぞろぞろと出てきたのは面妖(コスプレ)な集団だった。

 賀川(おす)が羨ましそうに見てきたので、ゆきちゃんにすりすりと自己主張しておく。


 手ェ伸ばしてきたらひっかくぞ?





 戸惑う半人半鳥(セイレーン)

 奥からかけられる励ましの言葉に心を定めたようだった。


 俺はその様子をゆきちゃんの胸元から眺めていた。ゆきちゃんに抱っこされてるの好き♪



 そして、祝いの歌が森に響いた。

『"うろな町の教育を考える会" 業務日誌』から清水先生 梅雨ちゃん

http://ncode.syosetu.com/n6479bq/121/


『うろな町の森に住んでみた、ちょっと緩い少女のお話』より雪姫ちゃん、賀川さん

http://ncode.syosetu.com/n2532br/


『キラキラを探して〜うろな町散歩〜』より青空空ちゃん

http://ncode.syosetu.com/n7439br/


『悪魔で、天使ですから。inうろな町』よりリズちゃん

http://ncode.syosetu.com/n6199bt/


をお借りしております♪

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