6/2 発熱
ダイサク君、引き続きお借りしております
しばらくするといずるが小ボスに慣れてこの近所の遊び場や見所穴場を聞いていた。
穴場に関しては、「もっとお前を知ってからだな」みたいなことを言って断られていた。
「大人に聞けば、何とかなるだろ?」
「カッコ悪いし、いきなりそんなので目立ちたくないよ」
気のせいでなければ、もうバレバレで生ぬるく見守らてるかもしれない。
この町の一部住人は恐ろしい。
「んなー」
あとでぎんに確認する〜
ただちょっと気になることがある。
すずねが黙ってじぃっといずるをみてなにかを考えてるようなのだ。
いずるは小ボスと楽しそうで気がついていない。
「なぁー」
「……す、鈴音。出」
「あ。宗一郎」
「んな」
「きてくれた」
ソウは息を乱しながら小ボスに笑いかける。
「こんにちは。ふたりが、せわになったね」
どこから走ってきたんだろう?
すずねがソウにぎゅっと抱きつく。
「宗にぃ。おうち帰りたぃ」
「出。天音に電話してさなえさんか三春叔父さんに来てもらって」
急にてきぱきといずるにケイタイを渡し、指示するソウ。
いずるもあわてて電話をかけている。
「えっと、側にいてくれてありがとうね。後でお礼ちゃんと言いに行くから名前を教えてくれる?」
ちょっと、呆然とついていけてなかった小ボスがはっとしたように状況を見る。
「小さいやつを守るのは当然だからな。それに、出と鈴音とはこれからも付き合うんだから礼なんか言われる筋合いないぜ」
鼻の下をこすりながらかっこつける小ボス。
「かっこいい。ダイ兄」
「おう。出もまた明日な」
「商店街までいったん戻ろうか。出は時雨を抱いてあげてくれ」
「んな?」
いらねーー
ちゃんとついていくって。
つーか、俺が誘導?
ちらちら町の住人の視線を感じる。
きっと、ソウが動揺してたらわらわら出てきてたんじゃなかろーかと思われる。
この町は老人と奥様方の恐怖の情報網がある。
ソウ、有名人になったぞきっと。
さぁー次はぎんとデート回だぁああ
ただ、ぎんの性格理解がまだ甘いのでちょっと不安。




