大会決勝戦 その後 ラスト
ユウトは空間の中で出会った奴を覚えている。そのはずなのに久しぶり的あいさつも出来ていない。理由は名前をど忘れしてしまっているから。でも、ショウタで遊ぶという点に置いては息ぴったりな感じだった。
(やべええっ! 早く帰らないと薄情なあいつらに追いてけぼりにされる~)
走って走って空間が閉じそうな場所に間に合いそうなショウタ。しかし、彼はそこで足をもつれさせて転ぶ。
「相変わらず不幸体質なやつ」
その声はどちらの声か? 手を伸ばせば引っ張れただろうにそれはしなかった。『空間は閉じられた』
「アクシデント発生ね。でもさっきのユウトさん方の情報を参考にもう一度開き直せると思うわ」
余計な手間をかけてしまった形になり、ショウタ(彼)は恐縮しきりである。先ほどと同じ空間が開いたらしいので頭を下げて帰っていくのだった。
◇
「より安全性を重視するなら明日に回す許可を頂きたいわ。それとも問題なしと判断してもらえるかしら??」
最後に元の世界に帰してもらえそうなフリッツ達。質問を受けて少し話し合うといってしばらく、任せても良いという判断に至ったと語る。装置を作った彼女はそれでも先に「ユウト
達が去っていった空間を検証してからで」と数時間待ってもらう。
時間が出来てしまったフリッツ達。今いる施設内(格闘総合センター)に仮眠室があるからそこで待っている様にとリオが案内する。案内後、部屋に入り寝具に座った所、予想以上にフカフカで横になりたくなった。
「仮眠室なのにまるで安眠グッズの様なものまであるなんてな。おやすみ」
ラクトスが布団の魔力に負けると、他のメンバーも眠くなって。リオが呼びに来るまで寝ていた様だ。
「フリッツさん達、準備万端になったので呼びに来ました。ゆっくり休めたみたいですね」
そろそろ戻れるとはいえ、慣れない土地にいた疲れが溜まっていたのだろう。出来るだけ早く身支度を整えて格闘総合センターへ向かうのだった。
「2組が先に帰ったから要領わかってもらえているわよね? 帰りたい場所に関係するものを思い浮かべて」
北の大陸 マティオス ディングリップの都までの道中 守護鉱石の地層 アーティの診療所 改めてディングリップの方へ そこで気になる洞窟を発見(この世界に通じていた
場所!?)まで思い出した。
◇
そして(灯りがともされているという理由から)あの時の洞窟に戻って来たのを感じて目を覚ますフリッツ達。
「ここって北大陸で気になって入ってみた場所だよね。外からは洞窟にしか見えなかったのに中は近未来で面食らったっけ」
「そうですね。ここの部屋の罠にはまって異空間転移したという事になります」
北大陸という事は一時的に行動を共にした奴がいるはず。そうラクトスが思ったのとほぼ同時にうさん臭い声(ラクトス評)が耳に届く。
「フリッツ君? いや、君達! どこに行ったのかと思っていたよ」
彼らの旅の同行者マティオスにルーウィンが私達をどれ位見失っていたのかを聞いた。
「え? 1分も経っていなかったと思うけどな。君達がこっちの部屋、僕があっちの部屋をチェックしようってさ」
フリッツ達はお互いを見て、先程の出来事は絶対あったと信じる。戦闘場での手応え、いろんな憤り、料理の美味しさなど感触が残っているのだからとうなずきあった。
「詮索した所ではぐらかされるだけだから聞かないよ。少しモヤモヤするけどね」
「ずっとそれを味わっとけ! それからそっちには通路がなかったんだな? こっちもねえから今回は帰んぞ」
こういう洞窟には仕掛けや隠し通路または部屋があるというのがお約束。だが、ラクトスはここの調査は余裕が出来たらで良いと納得させる。目的の場所があるのだから。
(予想外の戦いを経験した。きっとこの先に生きてくるはずさ)
フリッツは格闘中心の国に通じていた異世界の空間があった方を見つめて心の中でお礼をするのだった。
フラナ達教官など、メリア達は異世界の人達が帰っていった場所をまだ見つめている。
「うむっ。何の問題もなく元の世界に帰せた様だな! それでこれからどうしたい?」
格闘王バトメットの質問は友好を深めるために食事会をするか、それとも現地で解散をするかというもの。友好を深める場合でものんびりしようと思えば可能ではある。
だけどメリアは眠くなってきたので丁重に断った。どうやら彼女がそうすると知ったリオも人手が足りなかったら呼んでくれとフラナ達(格闘の上司陣)に言い残して帰路につく。
「メリア、中立通りまでご一緒させてもらうよ。親御さん達が待っているんだろ?」
コルト(ルーコ)も共に徒歩で中立通りまで。馬車を利用しても良かったが歩くのが苦といえる程の距離じゃない。中立通りに到着したので貴族外に帰るコルトを2人で見送った。
「それじゃあね」
「また学び舎で将来のバイブルを語り、まとまろうではないか」
メリアとリオは中立通りの宿屋へ。そこで待ち合わしていた両親と合流する。
「おうっ、メリア。お前の底力を見せてもらったぞ」
「リオ先生、わざわざありがとうございました。あんたも娘を溺愛する気持ちはわかるけどまずはあいさつだろ」
怒られたメリア父はリオ教官に謝罪した。
「どうも申し訳ない教官殿」
「本当だよ! 私は娘が戦いの道を引退もあり得ると思ってたんだ。リオ教官、うちの娘はまだそっち方面を?」
娘の将来を憂うメリア母の気持ちもわかる。だけど将来につながる仕事などを決めたらリスクを理解した上で応援してあげて欲しいと頼む。
「メリアさんの潜在能力からしてプロの格闘家を推しますね。リハビリとか食事で援助する機会があったらお願いします」
そこに性格が穏やかで芯の強いリオの母親と大柄で豪快なリオ父が姿を現した。
「しっかり教官してるねリオ、誇らしいよ」
「何でここにいんのって表情してんな。普通にこの店の食事を楽しむつもりで来たんだが」
リオ父の隣に誰かいる。どうやらいつの間にやら移動してきたメリアを迎えに来た両親である。
「あなたは別現場の工事監督! ご一緒しますよ」
世の中が狭いとはこの事。リオ父とメリア父は仕事関係で接点があった様だ。
「父さん、飲みモードに入っちゃったから私達も食事しようかメリア。あっ、私は教官のお母様に覚悟の仕方でも学ぶから後でね」
結局リオとメリアは取り残され感。メリアはいくら教官でも親には敵わないんだなと思った。
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不揃いな勇者たち としよしさん
http://ncode.syosetu.com/n5011bl/
夕凪(来進)さん
http://ncode.syosetu.com/n3410bl/ If start story (イフ・スタート・ストーリー) ~ボッチな問題児は異世界で大暴れするようですよ?~
http://ncode.syosetu.com/n9647dm/ イフストを修正(改稿)掲載している作品
ビタミンAさん
https://mypage.syosetu.com/248983/ お借りしたキャラクターの作品は検索除外されている(または削除)されているそうですが、魅力的な作品を書いている作者さんです




