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格闘家の卵  作者: 霜三矢 夜新
伝統の格闘大会 教官と生徒 そして格闘を通して多くの出会い
81/88

パトリオープン 準決勝2戦目 2 +その後

とうとう腕をつかまれてしまった彼はやりたくない行動(腕を振り回してメリアを強く突き飛ばす)をしてしまい……。

(また同年代であろう娘を痛がらせてしまった。ギブアップでもした方が楽かな)

敗北宣言まで考え出してしまったユウトはメリアの様子がおかしい事に気づいた。起き上がりがゆら~っとした感じ、瞳が一点のみに集中。少女に見つめられてときめいてしまいそうな

視線とは違う。目の前の相手を排除する事しか頭に無さそうな?

「怪我一つないみたいなのは良かったけどこの視線を集めている感じなのは何だろう? 超集中モード!?」

 刺突が来るとわかってはいたが、彼女自身メリアの速度が半端ない。最初の数回は刺突防御出来ていたのだが、無数の突きを繰り出されるとなすすべなし。多くの刺突を食らって

しまった(防具がダメージの半分以上を防いでいたものの、精神的に敗北濃厚と思い込んでいたのも負荷になり意識を失った)



「ふむっ。少女を傷つけてしまった事、戦意喪失した結果、それとダメージが精神的負荷になった影響だろうな」

 倒れたユウトを見て、観客達にもわかりやすく説明する審判セグ

「勝者はメリアである。黒石ユウト殿を救護室へ」

「その必要はないわ」

 ユウトの連れであるお姉さんが今なら構わないわよね? と断った上でコート内に入り、ユウトを背負う。そのまま救護室に向かうのだった(関係者用パスを審判から受け取って)


  少し前の救護室

「だいぶ疲れが取れた気がする。リオ、今日は帰ろうと思うから俺ん家に」

 リオの姿を見つけたファーディがそんな事を言う。頼まれたリオはわかりましたよとばかりに手を貸した。

「ドクター、お疲れ様でした。失礼します」

「2人ともゆっくり休みなよ、お大事に」


 

 リオ達が帰宅数分後の救護室専属ドクターが誰かがドアを叩いているみたいだと気付く。

「開いているよ、どうぞ」

 ユウトを運んで来たお姉さんがドアを開ける。救護室の簡易ベッドに寝かせて診察をお願いした。

「精神的な影響はあるかしら?」

「では機材をもちいて診察してみましょう。問題はなさそうだけどね」

 メディカルチェックマシンの結果は健康状態良好。疲労度が高いため、休息必要と出た。専属ドクターがお姉さんにしばらく寝かせてあげてと告げる。

「君、悪いけどしばらく出かけるから留守を頼むよ。どうやら傷薬の予備を切らしちゃったみたいでね」

 専属ドクターが患者と付き添いの人に部屋を任せるのはどうなんだろうという意見もあるだろう。しかし、ドクターにも考えがありそうだった。

「ユウちゃん起きるかしらね。あの人には好きな飲み物はご自由にと言われたから入れましょ」

 専属ドクターが出かけ際に飲み物について言い残していった事。お茶、麦茶、コーヒー等から選んでいいと言われたので『コーヒー』を選ぶ。少しの砂糖を入れて微糖にしたものを

飲み終わったお姉さん(マリ姉)は静けさからウトウトしてしまう。そして小一時間後ー


「いけない、少し眠っちゃったかしら。ユウちゃんは……まだ寝ているわね」

 母性本能が出ているかのような瞳、表情などでユウトを褒めた。

「女の子が相手だったからってまったく。そういう所もユウちゃんらしいといえるけど」

 実は数分前に目を覚ましていたユウトは内心戸惑っていた。どういう反応をすればいいかわからないのでまだ起きていないフリをする。

(ユウちゃん、気づいていないと思っていそうね。何にしても後でかしら)

 『後で』の部分が強調されていたのはユウトに向けてかも!?


 そこで専属ドクターが帰宅。

「待たせてしまって悪かった。どうやら患者の状態も回復しているみたいだからお大事にだよ」

「はい! さっき起きていた気がしますし、お疲れ様です」

 お姉さんに暗に起きているんでしょと言われている感じなのでユウトは体を起こす。

「ユウちゃん!」

 反射的に防御の体勢を取ってしまったユウトだが、何もされなかったので逆にうろたえる。

「宿屋に帰るわよ。もう手を貸さなくても平気?」

 (マリ姉、いつもと違うな!? 今の反動で後回しにされたひどい何かが怖い)

 思っている事を口に出したりしたらきっとひどいマネをされていただろう。マリ姉の思考を別の所に移そうと、先程の体の具合に話題を変えようと試みた。

「眠ったというのもあって結構回復したよ。じゃあ帰ろうか」

 ユウトの言葉に耳を傾けたマリ姉は先に宿泊場所へと歩いていく。

「ユウちゃん、早く来なさい」

「待ってよマリ姉」


                  ◇                  ◇

 格闘大会はいろんなめぐり合わせで消化不良かもしれないメリア。自分の限界突破を知りてえのかもな悟った父親はそれでも娘を称える。

「運も実力の内っていうだろ? それと裏を返せば全力を尽くせる試合が決勝だと思えば良い。決勝前に燃え尽きなかったのも幸運だとな」

「わかったわ。それと怪我のケアもちゃんとする」

 話している間に中立通りと貧民街に続く通りへ到着。ここで「号外ー!」と叫びながら通行人の皆さんに新聞を配っている記者に新聞号外を渡された。

「号外無料です、受け取っちゃって下さい」

 メリア父がお金の心配をしかけた時、先にお金はいらないと言われた。ある意味聞かずに済んだ。

「おっ、今までのパトリオープンの感想。それと展望か。家で一緒に読むとしよう」

「うんっ」

 そうしてメリアは家まで帰宅する。家で母親に出迎えられた2人は号外を読んでみようと誘う。母親は雑用をさっさと済ませてからねと言った。

    格闘大会パトリオープンの決勝直前までの感想、記者の観戦玄人視点というもの。

「まずは一人ずつ目を通そう?」

 メリアに号外を渡された父親、続いて読みに来た母親、最後にメリアが読む。


  紙面内容

 シミュレーションステージについては割愛する。


 リオVSブレイン

知識だけならブレインの方が上だった可能性がある。ただ、実践格闘で起こり得るイレギュラーに対応出来るかどうかの点はリオが何枚も上手だったといえる。


 リオVSフリッツ ベスト8

我々もまだ知らぬ国からの来訪者。色々なアクシデントに動じなかったものの勝ち。相手の真剣な気持ちに応えてあげていた。


 リオVSファーディ 準決勝

実力的に両者の対戦は決勝で見てもおかしくないカード。トーナメント組み合わせは変えようがないから仕方なし。息詰まる攻防、技の応酬だった。




コラボ協力 感謝してもしきれない。


夕凪(来進)さん


http://ncode.syosetu.com/n3410bl/ If start story (イフ・スタート・ストーリー) ~ボッチな問題児は異世界で大暴れするようですよ?~



http://ncode.syosetu.com/n9647dm/ イフストを修正(改稿)掲載している作品



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