ベスト16勝利者のそれぞれの行動
一方の見学者の面々。
「ねぇ、ルーウィン。何で祝賀会場に行かないのさ? 戦いに生きる人達の方が情報くれそうだけど」
小柄な少年フリッツの質問に発言力の強そうな少女ルーウィンが応じる。
「対戦相手にあんたの性格とか見せても良い事ないでしょ。知りたいのは自分たちのいた異世界に戻る方法だけなんだから」
それだけじゃないというルーウィン。
「こういう戦い好きの脳筋達の方が意外に対処方法を想定出来ていたりするのよ」
それらしき話をしてフリッツの納得を引き出すルーウィン(ちなみにルーウィンの失礼発言は聞かれない様にしていた)わざわざ口にしたりしないが魔法使いなラクトスにはバレバレだった。
「……ったく、何言ってんだ。酒場の荒くれ者やならず者との会話なんてまともに成立しねえだろ。奴ら、大抵は酔っぱらいだっつーの。飲みてえだけのくせに」
苦労人な彼ラクトスに癒し系な女性ティアラがやわらかな声で同意や擁護をする。
「まあまあ。ルーウィンさんについては確かに否定しきれませんけど。でも良い情報を得る可能性だって結構あるかもしれませんよ? それと、出来るだけ祝賀会場に向かわないか誘導してみます」
こういう流れで今の所、フリッツ達は酒場にいる。
また別の場所にて――。
睦月が今、自らの身に起こっている事に関して港から海を眺めつつ思考をまとめていた。
(このまま大会に参加していて意味があるんだろうか? でもこの世界の科学研究者達が戻してくれるって聞いた覚えがある。信じるしかない)
その後、自分にとって大切な人の安否を気遣ったりする。
(弥生、厄介なのにからまれてないと良いが。せめてこの生成した炎に願いを乗せようか!?)
その様な行動をしている時、睦月の中に一つの疑念が生まれた。今までの考えと違って、もしかしたら大切な人である弥生の方が自分を救出しに来ているのでは? という可能性。
この世界で過ごした時間が長かったとしても、元の世界に帰った時に数分しか経過していなかったなら安心だがどうなる事やら。
◇ ◇
この国の狭い路地裏、そこを見てみよう。路地裏そばにいるあすか。怪しい取引をしている様子のならず者達に注目していた彼女が追うマフィア組織が関与しているかどうか見極め中だ。
「こいつを使えば楽しい夢にダイブ出来るよ~、買える時に買っておきな」
どんな人生を送れば麻薬なんかに手をつけたくなるのか、あすかは特に興味を持たない。ただこういう非合法な物ブツを売る輩は金の亡者だと認識はしていた。ターゲットじゃないので基本的には相手にしないつもりだったが麻薬の類たぐいは目障りなので消去しておこうと思う。
「麻薬って使用方法を間違えると爆発するのかよ、冗談じゃねえそんなんで大怪我したくねえよ。どうにか真っ当に生きよう」
浮浪者《失業者》がその場からいなくなったのを確認したあすかは考えた通り、レーザー銃で麻薬を消去する際、売人の両腕のほとんどを消滅させた。売人の断末魔の叫びなんてものは誰しも気にしないまま消えていく。悲鳴の様な泣き言を発して走り去る盛大な勘違いをした失業者を一人救った事に、あすかはあまり他人に興味がないのでただの偶然である。
「私が探している者どもではない、任務を続行する」
参加者の動向をもう少しばかり追っていこう。少年ユウトは一時的に手紙の様なメモを書くため宿の食堂を利用していた。今はお腹が空いていないため飲み物だけ注文して。彼は一緒に行動している女性《マリ姉》がどこかへ行こうとしているのを見かけて呼び止めた。
「どっか行くなら僕も行くから待ってて」
一人で用を済ませてくるつもりだったのにと思いつつも、彼女はメモ書きをしているユウトを気にする。
「わかったわ。その代わりそのメモ内容を見せてもらうからね」
マリナはユウトが自分の独断行動を予期して止めたんだろうと考える。腹いせのつもりはないが、ユウトの待ったジェスチャーより早くメモを奪い取って内容に目を通した。大した内容でもなかったのですぐ興味を失う。
別の話題になり、元の世界の仲間について話してから格闘スタジアムに向かう。マリナが格闘スタジアムを指差すので目標地点はわかった。
「試合会場に戻るの? 何があるんだろう」
ユウトの質問へ黙ってついて来なさいという感じのマリナがスタジアムの関係者用通路に歩を進めていた。ユウトはついていくしかない。当たり前の話だが、警備員2人に止められる。
「ここから先は一般人の立ち入りは禁止されている。夜に何用だというのもあるがな」
想定内だったようでマリナが堂々と嘘をついた。
「この子、わかるでしょ? 大切な物を選手控え室に置きっぱなしにしちゃったから取りに来たの。通してもらうわ」
「黒石ユウト様ですね、我々のどちらかに取りに行かせて頂きたいのですが」
それらしい用事を作って関係者専用通路に行きたいマリナが強行突破を図る。警備員達は意表をつかれて追いかけられない。
「ごめんなさい、すぐに用事を済ませますから」
警備員達は責任者に異常はないか訊かれても、口裏を合わせて誰も来ていないという様に装う事を決める。マリナを止められないユウトは警備の人達に謝罪するだけで精一杯だ。しばらく走り続けた彼女が立ち止まったのはフラナがいるはずの『研究室』
「急な来客で悪いわね。どうしても聞きたい事があるの」
しかし、研究室の明かりはついているのに誰もいない。別部屋があるのか帰ったのか? ユウトはマリナのやりたい事がやっとわかった。
「フラナって方に元の世界に戻すという約束が欲しかったんだね。でも公開約束をしていたよ、大丈夫だって」
「私はこの世界に永住しようと構わないのよ? でもユウちゃんが困りそうだから。もう、ここまで来たからには格闘大会のボスに会いに行きましょ」
お次はVIPルームへ、もう誰も彼女を止められない。そこへ行こうとする途中、異様に警備の固い一角を見かけて何事かと思う。それを見てマリナが閃いた。この警備員達を利用出来そうだと。
来年(約1週間後ですね)の1月、この作品を久々に月2回更新予定。
予定は未定なんですが(汗)
コラボ協力に感謝^^
不揃いな勇者たち としよしさん
http://ncode.syosetu.com/n5011bl/
星原ルナさん
http://ncode.syosetu.com/n1583w/ 弥生と夢石
http://ncode.syosetu.com/n6409w/ 弥生ともう一つの世界<こちらの方がコラボでお借りしているキャラクター登場回数多い>
夕凪(来進)さん
http://ncode.syosetu.com/n3410bl/ If start story (イフ・スタート・ストーリー) ~ボッチな問題児は異世界で大暴れするようですよ?~
あすかさん
http://ncode.syosetu.com/n0872bi/ レーザー銃を持つ少女




