表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
格闘家の卵  作者: 霜三矢 夜新
伝統の格闘大会 教官と生徒 そして格闘を通して多くの出会い
55/88

決勝T1回戦 第5試合 1

「昼過ぎくらいで半分の試合が終了しているな。順調だ、5試合目の出場選手2人はCコートに来い」

 セグの呼び出し声が流れてすぐ、一迅の風が吹いた地点に登場する忍び装束姿の剣菱。彼の古き良き忍者を彷彿させる行動に会場が歓声に包まれた。対戦相手の『海の男』が目の所だけ隙間のある仮面をつけて現れる。予選も含めて誰にも姿を見られていないも同然のためか、変わったパフォーマンスをしているようだ。その彼が仮面を外す。

 そこにいたのは無精髭を生やした三十代そこらな見た目の海賊風の男。観客達は怖さから声を失っているかのようだった。


「どうやらパフォーマンス的に微妙だったみたいですね。失敗しました」


 海賊風の男から発せられた声はなんと十代なかばの少年ボイスにしか聞こえない。髭をはぎ取っておじさんマスクを脱ぐ海の男。茶髪の好少年だったので女性を中心に一気にファンを獲得。

「いや、びっくりした。拙者が予選で見た時は海賊風でござったな。変装術の使い手とは」

「そんなんじゃありません。心配をかけたくない女の子がいるかもしれない。だから予防線を張っていただけなんです」

この少年はどうも好感を持っている少女または女性がいるみたいだ。言動でわかる、しかも黙ってこの大会に出場しに来たと思われる。出場しなければいけない理由があるのかもしれないが。


「試合を開始しても良さそうか。フラナ、装置を起動してくれ」


      ステージ変更

  場所 急斜面の大滝 条件 Cコート内全体


 Cコートが今まで観客達も見てきたように『大滝』になるよう仮想空間が作られるはずだった――。だが、何も起きないので選手も観客も戸惑っていた。

「フラナ、どうした!? 場に変化がないが……」

 開発部局長な彼女フラナが装置を確認して一言。

「待って頂戴。ん~っ、原因はハッキリしないんだけどエネルギー不足みたいね」

 研究室に無駄のない動きで現れた剣菱。フラナに頼まれて『水遁の術』にてエネルギーの注入に協力する。

「まだ足りないわね。どうしたものかしら?」

 

  事態を見守っていたセグが海の男に聞いた。

「君は海に関係する何かがあるから海の男と名乗っていたのかな、水の技を持っていると助かるんだが?」

 何と呼べば良いか迷っている様子に感じ取ったので、先に名前について応じる。

「すいません、これから俺の事は睦月って呼んでもらえますか」

 そして、質問に対しての答えを出した。

「俺の使える技は水と相性が悪いということなんです。ご期待には添えないと思いますね」

 研究室から剣菱がいつの間にやら戻ってきていた。

「協力に感謝する。君は例外的に忍びの秘伝薬でも使って術力を回復してくれ。今だけだぞ」

 セグの許可をもらった剣菱が丸薬を口にする。研究室から観客席に向かってフラナが呼びかける。


「観客の中に水エネルギーが強い何かを感じるの。もし私(僕)になら出来ると思った方は来てちょうだい」


             ◇       ◇       ◇


 時間が少し(さかのぼ)る。彼彼女らがこの場にいるのはこういう理由だ。


「ねぇ、アメル。あたし、もっと世界の事を知りたいわ。船で東の方へ連れて行ってくれないかしら?」

 そう透き通るような美声で声をかける、黄金の髪で白い肌が印象的な女性(女性というより外見的な可愛らしさで少女の方がしっくり来る)がお願いした。誘われた方の男性は、海の太陽で血色の良くなった青年である。

「僕はルーラとならどこにでも行くよ。いつ行こうか?」

「思い立ったが吉日よ。アメル、船の出港準備を整えておいて」

 ルーラが女の子らしくお出かけの支度をしている間に、アメルが言われた通り船の点検を済ませていく。具体的には船に故障箇所はないか? や、救命道具が使用可能かの確認、一番大事な船の動力源が充分かというものだ。当然食料の備えも忘れずに。

「お待たせ、アメル。出かけましょ?」

 ルーラの服装は簡潔にいえば動きやすく可愛らしい服装だ。金髪は紅いリボンで整えられている。それと装飾品に岩場の森の真珠を身につけていて。その(アクセサリー)はアメルが彼女にプレゼントしたものなので何となく嬉しい。


「よしっ、行こうか。しばらく待っていて。直進なら操縦しなくても良いように船を改造してあるんだ。だけど、いくつか曲がる箇所があるから」

 アメル達のいる地点は地中海のイタリア付近だろうか。ある程度日数をかける航海の予定で、目指すは東のカスピ海とかそこら辺。何回かどこかの国にある港に停留するつもりはある。

「お待たせ。随分待たせちゃったかな? これである程度先までは自動運転出来るはずだから」

「アメル、私はそういうのに慣れていないから心配だわ。大丈夫?」

 自動操縦機能は何度もチェックしているから大丈夫、問題ないと答えてルーラを安心させる。しばらくルーラの知っている人魚伝説の話などで盛りあがった。

「星がキレイだね。やっぱりこういう天気ばかり続いてくれないと」


 時には天気が急変する事もある。その予兆は今まさに起こりそうだったのだが――

「アメル。今日はもう陸に上がった方が良いわ。嵐の匂いがするのよ」

 しかし、アメルは長年の船乗り経験で培った勘の方を信じた。

「ルーラはもう半分人間半分人魚って体の造りじゃなくなったじゃないか。今夜は良く星空を眺められているし、いつもより波の威力が少し強い程度だから平気だと思うよ」

 けれどアメルの考えが甘いと知らせるかのように、雨が降ってきて徐々に風が強くなりかけていた。アメルが急いで方位磁石と海洋地図を持ってきて地図を広げ、現在位置の辺りをつける。調べてみたら陸へは遠かった。今いる位置は海のど真ん中のようである。小さな島一つも近くにはなさそう。


 そして想定内最悪の事態、嵐と遭遇する。

「ルーラ、危ないから船室に避難していてくれ。僕は操縦室に行ってどうにか切り抜けるから」

 アメルは言葉通り、何度か障害物を回避。だがしかし嵐の影響か船が運転を受け付けなくなっていき、最終的には一時操縦不能に陥る。嵐に飛ばされるかのように船が陸に停留した様な状態になったのは翌日の朝だ。

「……ここ……は? ……」

 先に落ち着きを取り戻したのはアメリゴ=フェリーニ(アメル)である。ルーラの方も無事だが、目を回していた。

「ルーラ、運良く陸に流れ着いたみたいだ。ちょっと外に出てどこら辺か調べてみるよ」

 格闘家の卵の世界は数世紀前の地球がイメージされています。

どこかおかしい部分はファンタジー世界だから(ダメだろと言われても仕方がない^^;)


さて、コラボ協力感謝いたします


星原ルナさん


http://ncode.syosetu.com/n1583w/ 弥生と夢石


http://ncode.syosetu.com/n6409w/ 弥生ともう一つの世界<こちらの方がコラボでお借りしているキャラクター登場回数多い>


朧月夜さん


http://ncode.syosetu.com/n8600bh/ サファイア・ラグーン

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ