まもなく予選開始 メリアが何名か強敵を見つけた!?
応援の言葉と、途中からなら観客席で応援出来そうだとの予定を言い残して彼女の父親も出かけていった。父親が読んでいた新聞は『バトル・スタッツ』中立の記事と、一部の選手にだけえこひいきしているような記事を書く新聞社同士が合併するのはその年で話題になり不思議にも思えたのだが――。
その理由は記事にしている一部の選手との関係を憶測で悪い噂されて会社自体が危なくなった時に助けがなければどうなっていたか。ちなみに合併を提案した側の新聞社の編集長はトレバトという。リオが決勝まで登りつめた時の記者だ。
その彼のコネが最大限活かされた記事内容になっていた。まだ出場登録もしていない選手もいるとか、選手も聞かされていない大会概要も調査したわずかぶんだけ掲載していた。
◇
メリアは前日に切り揃えたピンクの髪を結ってこれからエントリーに向かう『パトリオープン』会場へ向かう心構えを整える。貧民であろうとなかろうと関係ない。彼女は差別して来る人がいても相手にしなければいいだけだと考えていた。
「リオ先生とかリオ先生も好敵手として意識しているあの人が元貧民だけど、彼らのお陰で私を変な目で見てくる奴なんてほんの一部なんだろうな~」
リオとファーディの功績で貧民街のイメージが約10年前と比べて改善されたのは事実だ。しかし、高齢層を中心にまだ生きる価値すら否定してくる人達がいなくならないのは残念である。
「よしっ! 私も全力を出しきろう」
両頬を叩いてメリアは自分を鼓舞した。少し思考の海に入っていたり前向きな気持ちを持とうと行動で示している内に目的地にたどり着いていた。
『パトリオープン』コロシアム。遠くからなら幾度となく見上げたことはある。だけど実際近くに立ってみると目ではわからない圧力で足が小刻みに震えた。だからといってここで立ち止まってはいられない、大会参加時間が迫るにつれて参加予定者の邪魔になってしまうからである。大会で戦うかもしれない相手を彼女は見定め始める。誰が相手でも勝てばいいとはいえ、気などで強さを肌で感じたいからだ。種族は人間中心だけど他種族を混じっているようだった。
「そういえば他大陸の優勝者を招待していると大会説明にあったわ。あの鳥人とかそうなんだろうな」
他にも同じ人間でメリアの気を引く一行や二人組など有力そうな存在を発見。気弱そうだけど、芯の強そうな少年、セクシーで弓の使い手で相手を射止める事に長けていそうなお姉さん、小言の多そうな強力魔導師っぽい人、全身から思いやりを感じる治癒師というパーティ。誰が参加するのか気になった。
二人組の方はというと、姉弟みたいな感じ? 姉っぽい人には底知れない何かが……だけど弟っぽい人が出場なら参加理由が読めないわねと思う。
「いけない! 色んな強さを持っていそうな人達がいたから弱気になっちゃっていたけど早くエントリーしなきゃ」
伝統の格闘大会が開かれるコロシアムの前に早く到着していたメリアではあったが、強さを秘めた参加者達に見惚れていたのかもしれない。コロシアム会場の門の門兵が締め切り時間を大声で知らせているので急いでエントリーしに行った。
「残り15分で締め切らせてもらう。参加者は速やかに受付を済ませなさい」
エントリーの順番待ちが数分だけあった。逸る気を抑えるために一呼吸、その結果、大会の会場全体がクリアに見渡せるくらいの心の余裕が。どれだけ緊張でいっぱいいっぱいだったんだろうと苦笑いするしかない。
「次の方、エントリーどうぞ」
出場エントリー受付はこの先かなとメリアは前にいる人達を見る。そんな中、何となく前の人を確認すると同性のようだ。そういうルールに変えたと聞いたとはいえ、同じ女性参加者を認めただけでどことなく嬉しかったりする。その女の人がこの国では見かけない珍しい服装や武器だったので気になった。
その人物は所持武器が格闘スクールの『飛び道具全書近未来編』で見かけたレーザー銃なるものだと思われる武器を腰紐にくくりつけていた。実物を見るのは初めてなので興味津々
だったりする。視線に気づかれたくないのであまり見つめないようにする努力だけは忘れなかった。レーザー銃の女性のスタイルは同じ年頃の子がうらやみそうなナイスバディ、服はサバゲーなどで見かけるタイプのラフな服装、重そうな銃なのにそんな様子を少しも見せずに涼し気な表情のまま選手控え室に向かっていったその人も上を目指すには大いなる壁になりそうだと舌を巻いた。
コラボ協力ありがとうございます!
これから先は文章確認などお願いしたりするので遅くなるかもしれません……今回はいつもより文字数少なめですね。。
不揃いな勇者たち としよしさん
レーザー銃を持つ少女 あすかさん
if start story ~ボッチな問題児は異世界で大暴れするようですよ?~ 夕凪さん
感謝しております^^




