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格闘家の卵  作者: 霜三矢 夜新
リオの試合の行方・もう一人の主要人物?
19/88

ラウンド2 準決勝 心構え 2+準決勝

 今なら恥ずかしくない、リオは本音が言える。

「この広い世の中ならきっと味方もいるよ。特に最高の親友がここにいる」

「君の親友が望んでいることは?」

「メッレン、ぶっ倒し決定!」

「正解」


 マギーがリオの肩に手を置いた。

「大胆な戦略に期待しているよ」

「いつでもこんな性格ならね。期待しててよ」

 リオは素直に認める。格闘には自信がある。

「リオ、君の応援も予想以上のはず。『スポート・スタッツ』の記者をクビにしてやれ」

 リオは試合コートに出て、観客達から励ましの言葉をもらった。

「新聞の記事なんか気にせずに大逆転だ!!」

 リオは観客達の応援に感激する(そんなことは1回戦ではなかった)


 でもそれは公平な応援を観客が心がけているだけだ。"元王"への応援は質が違う。その時、彼の息子が手を振った。元王の子どもの微笑ましさに観客からの拍手が送られる。 リオもその光景には心が和んだ。自分も人の三倍は働く両親に無理とわかっていても試合を見せたいと思う。そんな両親に勝利の報告をしようと心中で決意した。メッレンを間近に見て、リオは彼から聖職者な感じを受ける。まるで説法だけで勝利を積み重ねたのだと間違えるくらいの神神しさだと感じたからだ。メッレンの方から試合前の挨拶をしてくる。

「お互いに良い勝負をしよう。負けないよ」

「はいっ、よろしく。あのっ……、立派な息子さんですね」

 リオがせめて気持ちでは負けないようにふるまおうとした。


「おおっ、ありがとう。ところで少し君に聞きたいことがあるんだがいいかい?」

 リオは悲しき貧民の性で警戒してしまう。

「こっ……このお守りはもらいものです」

「心配しないで。疑ったりしていないよ。ただそれが誰かからのプレゼントならあるいは……」

 奴にプレゼントされたものに違いない。確認されて、リオはただうなずいた。

「そうか。ならやっぱりあいつが!?」

 彼は何かを知っているのだろうか?


「審判が来てしまったか。残念だ」

 メッレンは審判に一礼して自分の席に戻る。リオも席に戻った。リオはメッレンがすでに闘気を高めているくのを感じ取る。先程の話は続きが気になるが諦めるしかない。

(ファーディさんがお守りのことを忘れていたなんて)

 リオはファーディがお守りを忘れている事実を心の奥底に沈めることにした。リオも長槍の準備を完了する。槍を体の一部にする感覚をイメージした。

(調子の方はどう?)

<槍の手入れも行き届いていて万全だ。後は自信を持て> ←槍の言葉をイメージ

(怖いくらい絶好調。僕の動きについてきて)

<良い兆候だ。ならばいつもの祈りを>


 リオはお守りを握りしめて願う。

(夢の決勝へ! 優勝して親孝行するんだ!!)

リオは最高の状態で、装備を完璧にしてコートに入り、メッレンの申し出を受けて武器同士の交差を行為で示した。


                準決勝 VSメッレン


 準決勝が開始される。相手は元王者メッレン、観客にはリオが良い試合をしてくれればそれで満足するという空気が蔓延まんえんしていた。試合開始後すぐ、初手にリオは全てを賭けたのだが――


 メッレン選手は予測していたのか、リオのスピードに乗せた槍の一撃をオノで受け止める。その反動を利用したリオ、自信を持って蹴りをメッレンの防具に当てた。その後一ラウンドの残り十分(一ラウンド十五分)はメッレンの攻撃ショーだった。ただ、リオはそれに落ち着いて対処している。リオがどういうつもりか、メッレンは見極めるつもりでいたのだがその前にラウンド一が終了してしまった。


「よしっ、僕が考えたプラン通りに出来てるぞ」

 試合と試合の間のインターバルは三分である。リオは誰にも聞こえないくらい小声で独りごちていた。ふとメッレンの方に目を向けると、集中を高めているのが目に付く。


           


 





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