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花と黒  作者: 湯川翔子
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観察と推測

第三者視点

 毎日店に立っていると街を闊歩する人を見るのが当たり前になる。それが二十年も経つと些細な違いでもわかるようになってくる。


 最近の楽しみは黒ずくめの騎士と少女。最近見るようになった組み合わせだ。


 少女はオルガちゃんと言って半年ほど前にこの街に来て、バルトロさんのところにお世話になっている女の子。

 あまり自分のことを話さないけど良い子だ。

 バルトロさんは一人暮らしだったからオルガちゃんがきて、どっと賑やかになったような感じだった。


 バルトロさんが仕事のとき、オルガちゃんはお留守番で街をぶらぶらしている。外に出てるし、お留守番ではないけれど、バルトロさんも容認しているようだ。

 人見知りをせず、誰にでも壁なく話しかけるからオルガちゃんには顔見知りが多い。

 誰でも仲良くなれるオルガちゃんだが、一番珍しい組み合わせがガイザー様との組み合わせだ。


 マティアス・ガイザー様は、王立騎士団の漆黒の副団長と呼ばれている凄いお方だ。

 ガイザー様は基本的に同じ騎士の方としか話しているのを見たことがない。とても素敵で街の若い娘も憧れているのだけど、あの鋭い眼差しが怖くて誰も話しかけられないのだ。


 それが、いつからかオルガちゃんと二人でいることが多くなった。


 最初は邪険にしていたガイザー様だったけれど、徐々に面倒くさそうな顔で一緒にいるようになった。

 オルガちゃんが臆することもなく、根気よくガイザー様に話しかけていたから成せた偉業だろう。普通のお嬢さんでは、最初の時点で棄権するだろうし。

 押しきられるように一緒にいたガイザー様だけど最近はガイザー様から話しかけているのも目撃する。

 



 もう五年以上も前のことになるけど、しばらくガイザー様は全く巡回には来ず、来たとしてもまるで全身が鋭利なナイフに変わってしまったかのように雰囲気を尖らせ、誰も近付けない時期があった。それから時間が経つにつれ徐々に緩和されていったけれど、やっぱりどこか近寄りがたかった。

 元から怖い雰囲気だけど、今はあのときのような刺々しさはなくなったように思える。



 それが時間のせいなのか少女のおかげなのかはわからないけど。

 もとのガイザーに戻って安心した。


 いい組み合わせだと思う。

 でも、家族のようなオルガちゃんがガイザー様と一緒にいるって知ったらバルトロさんは心配するかしら?



 仕事と称して出ていったのに街の歓楽街で見かけたっていう目撃談もあるバルトロさんにはいい薬かもね。


 焦ればいいのよ。

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