表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/7

第2話:『もひもひランデブーには完全版と通常版があるんスよ』

どーも皆さんこんにちわ。トオルです。

さて、前回名前が発覚した『とある探偵事務所』ですが…一ヶ月ぶり位に訪れた依頼主は、なんとわずか8歳の少女でした。


今はシンさんが泣きじゃくる少女から話を聞いているところです。


「…つまり、行方不明になったネコたんを探して欲しい…ってことアルね?」


うわーマンガみたいな中国人がいるよ


「…ヒック…ぐすんっ…」


少女は溢れでる涙と鼻水でグシャグシャになりつつも、シンさんの質問に頷いてます。


「…よっぽど大切なネコなんだな…」


前回シンのダイブにより崩壊したゴミの山を片づけながらも、少女の涙に心奪われかけるボク


あ、シンさんも心打たれたのか、少女の頭をポンポンしてる…さすがに子供には優しいんだね


「おぃガキ。テメェ金は払えるんだろーな?」


アンタいたいけな少女になんちゅー事吐いてやがるんですか!


「し…シンさん!ここはタダで引き受けるのがセオリーでしょっ!」


こんな小さな子供に、シンさんが請求する破格の依頼料なんて払えるワケない!

てか8歳の少女が探偵事務所に来んのも無理矢理すぎだろ



「ホラよ、好きなだけ受け取れや」



えーーーーーーッ!なんだあのコ!今札束バラまいたよ!しゃべり方が『世の中カネさえあればなんでも出来る』ていう思考のイヤな金持ちみたいになってるーっ!


「ウシャシャ。すまねぇなアニキ」


拾ってるよバカ探偵!なんだウシャシャって



「じゃ、アタシお家帰るネ♪」


そう言い残し、少女は帰って行った


「うっし。捜索開始だトオル」


珍しくヤル気満々だ。そりゃぁあんだけ札束貰えばやる気も出るわ…


「…そのまえに」



なんだろ?準備は一通り終わったし…


「途中で『もひもひランデブー』買うっちゃ☆」


ラムちゃんのつもりか。☆とか…つのだ☆ひろのつもりか。


「それで?捜すネコってどんな感じなんです?」


事務所の階段を降りながら、今回の依頼について聞いておく


「あ?ぇーと………………………雑種?」


・・・・・


殺していいですか。


「まさか1時間も話してて…ネコの特徴とか聞かなかったんですかっ?」


「うむ」


うむ。じゃねーよボケ。この無能探偵が!


「…はぁぁ…」



ボクはトボトボと歩き出した。なんか途中のコンビニでアホな探偵が

「なんで『もひもひランデブー完全版』売り切らしとんじゃこのクソナイーブがぁぁぁっ!」


とかバイトの高校生に泣き叫んでいた事とか、慌てて止めようとした店長の髪が全て引きちぎられ、本物の髪の毛が瞬時にカツラと化した事などは見ませんでした。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ