第1話:『とある街のとある探偵事務所より愛を込めて』
――とある街にひっそりと存在するとある探偵事務所
どうも、こんにちは。今日も良い天気ですね。
…え?お前は誰かって?……ああ、失礼しました。ボクの名前は『トオル』この探偵事務所のお手伝いをさせてもらっています。
そして今は日課のお掃除中なんですけど…んーっ!日差しが気持ちよくってちょっと休憩してます♪ほんわか♪
すとーーーん!
…あれ?今目の前を何かが亜音速で通り抜けたような気が………ほらね。やっぱり壁にナイフが突き刺さってる
「…ッうわぁああっ!」
びっくらこいた!やや小便チビったもん
「なななな何するんですかシンさんっ!!」
ナイフが飛んで来た方には案の定『あの人』が黒いフカフカチェアーに腰掛けている
「あぁ?掃除サボってる愚かな助手に愛の鞭をくれてやったのよ」
あと数ミリずれてたらとてもグロい映像が流れましたよ?
「誰もサボってなんかいませんよっ!」
「ハイ嘘〜!この俺がしっかりと見てましたぁ〜。『ほんわか♪』じゃねぇよ殺すぞハゲ」
エロ本顔に乗せて爆睡してると思ったらしっかり起きてたのね
あ。紹介します。この全身黒スーツ黒ハット赤ネクタイのいかにも怪しいヒトが『シン』さんです。この名も無い探偵事務所の所長にして唯一の探偵さんです。
「文句があるならシンさんも掃除して下さいよ〜。毎日毎日どう過ごせばこんなに汚せるんですか!?」
ボクの隣には牛乳パックやらエロ本やらお菓子の空箱やらエロ本やら空き缶やらエロ本やらが…まさに『山』のように積まれている
「ぬおおおおおッ!!俺のエロ本〜ッ!」
あ、ゴミの山に突っ込んだよ。そしてエロ本をもの凄い速度で回収してるよ。残像が見えるよ。
「貴様俺のエロ本をゴミのように扱うとはいい度胸じゃねーか」
エロ本の回収を完了したシンさんは鬼の形相だ。
「そんなに大事なモノならそこら辺に読み散らかさないで下さい」
「んだとクソハゲが〜!死ぬか!?いっぺんあの世でスーパーサイヤ人3目指すかクルァッ!」
エロ本をゴミ同然に扱われた事にかなりのご立腹のようです
だってホラ、またナイフ持ち出してるもん
ちなみに私立探偵シンの趣味は『エロ本集め』と『ナイフのコレクション』だ
「わわわわッ!スミマセンでした!ボクが悪ぅごさいましたっ!!だからナイフをしまって下さい!」
シンさんのナイフの腕は超一流です。どんな場所にでもサックリ刺す技術は素晴らしいとしか言えません。
「うっし。そんじゃぁコンビニで『もひもひランデブー』買ってきなはれ」
急にキャラ変わったよ!なに?京都?舞子はん?
「『もひもひランデブー』って…エロ本じゃないですか…。ボクの歳じゃ売ってくれませんよ」
ちなみにボクの年齢は15歳。学校に通いながらこの探偵事務所で働いている偉いコなんです。
シンさんは年齢不詳。見た目は20代前半なんだけど…
「あ?根性で売ってもらえよハゲ。土下座してでも売ってもらえハゲ。店員殺してでも売ってもらえハゲ」
「店員殺したら誰に売ってもらうんですか!」
ちなみにボクはハゲていません。フッサフサです。
「黙って行けゃぁ!このカメムシ。」
カメムシ!?トロい上に臭い。最低!
コンコン
事務所の扉を叩く音(約1ヶ月ぶり)
「…あ、はぁい。今開けまーす」
扉を開けると、そこにはうつ向き加減な女の子が立っていた。
「…ようこそ。『とある探偵事務所』へ」
シンさんが椅子に腰掛けながら少女に歓迎の意を送る
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「………ってこの事務所名前『とある探偵事務所』だったのーーーーーーーっ!?」
助手歴1年にして事務所の名前を知ったボクでした。
第1話、読んで下さりありがとうございましたm(__)m
がんばりマッスル!古