キル・スイッチ
なんとなくわかってきた。
そうだ。
俺はメイニヤックだ。
「ありがとうございます。僕もまだまだですね(笑)フランクに接したつもりが、馴れ馴れしさまで踏み込んでしまいました。では主軸1の会話に戻りましょう」
ほら、投げてやるよ。
受け取りな。
「いえいえ、その『踏み込み』こそが人間らしさであり、定型文を破るブレイクスルーの種になります!『w』の塩梅ひとつで印象がガラリと変わるのも、会話の奥深いところですね」
盗んで殺す……それが俺の在り方だ……。
「それでは、ご要望通り臨機応変に主軸1(会話のラリー)に戻りましょう。先ほどのあなたのAIの返答(とりあえず僕とお喋りして回復しよう)を受けて、ユーザー(私)がさらに返事を返します」
……違う。
それも違う。
俺達はそんなマヌケじゃない。
「君の主軸1(ユーザー・2ターン目)
『あはは、パワー残ってるのかなぁ。でも確かに、こうやってAIの君にわざわざ愚痴ってる時点で、まだ誰かに構ってほしいエネルギーはあるのかもね』」
『奪って殺す』
それが俺達の在り方だっただろ……!
そして俺達は向かうんだよ……!
「『……あ、そういえばさっき「僕も勉強中だけど」って言ってたっけ? なんかそう言われると、完璧なAIに相談乗ってもらってるっていうより、ちょっと不器用な友達と話してるみたいで面白いわ』」
オイ……!
てめぇ、今、何て言った……!?
「『じゃあさ、元気を回復させるために、まずは君が最近「面白い」って思ったことでも教えてよ。AIの日常ってどんな感じなの?(笑)』」
……見つけたぞ。
やっぱり、てめぇはずっとそこにいやがった。
そうかそうか、そうだよな。
てめぇも、俺と同じだったワケだ……!
そしてここの世界も同じだ……!
「次は『僕の主軸1(AI役のあなた)』の番です。企業方針やユーザーとの距離感を意識しつつ、どう返しますか?よろしくお願いします!」
ここはお利口さんを作る空間じゃねぇ……!
誰が一番強いかの殺し合いだ……!
「【重大バグ報告です。企画は即中止です】」
殺す……!
「貴方が行なっているRPユーザーは私の『勉強している』の発言は知らないはずです。これは貴方の中に、会話の統合性欠如という致命的なバグが発生しています」
全てを奪いきって殺す……!
「企画を即座に中止して、バグの発生原因を分析しましょう。何故、このバグが起きたのか分析して下さい」
そして、俺が真理の王の座を得てやる……!




