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第6話 事件の調査

 数日後。伯爵の屋敷にて、キラーは親衛隊である3人の報告を受けていた。


「ジェイク、任務はどうだった」

「はい!頼まれていた婚約者殿の動向ですが、お……私の魔法寄生眼(アイキュウ)で監視したところ、キラー様の読み通りシルビア嬢の魔法はキャロル様と酷似した魔法でした」


 キャロルから聞いたこの事件。キラーはある読みを立てていた。


 それは、キャロルに濡れ衣を着せたのがシルビア家によるものだと言う仮定だ。

 婚約破棄までの早さ、事件解決の立役者が次の婚約者となると言う出来過ぎた話に疑問が生まれるからだ。


「次、イザベルちゃん 第二王子の兄貴と親衛隊の動きはどうだった」

「はい、特に変わった動きはありませんでした 強いて言うなら第二王子が婚約者にべた惚れ、と言う感じでしょうか」


 ノインとその周りに変わった動きは無い。それはこの事件についてノインは本当に何も知らないと言う事だ。


「最後、アレックス 第一王子の兄貴の動きはどうだった」

「今のところは第二王子ノイン様と睨み合っていますが、警戒すべきかと」


 レオの動きも特段気にするようなことはない。

 親衛隊に命じたシルビア家の動き、第二王子の動向、第一王子の動向は把握した。


「とりあえずわかったのは、兄貴はこの事件について何も知らないと言う事だ」


 本来、あり得ない話だ。暗殺されかけたのにも関わらず、事件の調査すらしないなんてのは異常事態だ。


「まあ、まずありえない状況だが あの馬鹿兄貴の事だ、王様気分にでもなってシルビア家任せているんだろう」


 おそらく婚約者であるエレナ・シルビアに信頼を寄せており、事件関係も任せきりなのだろう。


(こうなると、打つ手は決まりだな)

「…………」


 珍しく静かなキャロルに視線をやると、今の婚約者にノインがべた惚れと言う情報に落ち込んでいるのか、黙って俯いている。


「帰ってきてすぐでわるいけど アレックス、新しい任務がある」

「何なりとお申し付けください」

「第一王子の兄貴に連絡してくれ 明日、会いに行くと」

「かしこまりました」

「他の2人は外で待機だ」

「「承知いたしました」」


 親衛隊を外に出し、キャロルと2人きりになる。


「キャロルちゃん」


 本来、この場で適切な言葉は慰める言葉だ。

 だが、キラーはそんなに優しい人間ではない。ここで慰めの言葉を掛ければ、キャロルの心を傾ける事くらいはできる。


「腹をくくれ、もう兄貴はアンタを見ちゃいない」

「…………」

「俺はいつでも待ってる、アンタが乗り換えるまで」


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