日本国出身、ばぶちゃん(主人公)
魔王と言われまして、さーて思い浮かべるのは、なんじゃらほい?
うん、そうだね。
多様性に溢るる昨今、一概にはなんとも言えないね。
そういう話じゃなくてだな?
いや、それはそれで正解なんだけどね?
王道の話をすると、大概は悪役ですわな。
んで、大体はラスボスじゃん?
泣いた赤鬼方式でもなければ、悪いやつなんですよ魔王ってやつぁ。
んで、ギルド長の話し方から察するに、俺の予想はそう遠く外れている訳でもなさそうでね。
およそ、厄災の具体ってもんで、おお怖い怖いって話。
ほっとくと世界が滅びるんだってよ。
それの可能性があると、わしってば思われてしまっていた今日この頃。
なんでや。
俺はただの甘味好きの普通(に近め)な男の子やぞ。
基本的には無害だし、そんなとんでもびっくり人類滅ぼすマッスィーンではないはずだ。
……今何故か一瞬麒麟もどきの顔が頭に浮かんだんだけど。主にとんでもびっくりの辺りで。
関係ないよな?いや、関係しているはずがない。確かに思い返してみれば、割と意味深な発言が目立つような気がしなくもない。しかし、あの謎を雑で包み込んだ上に落書きで蓋をしました。みたいな見た目の奴だ。恐らくギャグマンガ星から出張に来てるだけのはず。だよな?
怖くなってきたからこの話はここで終わりにしよう。うん、それがいい。
話を戻して。まぁ俺としても、いきなり魔王の器ではないとかなんとか言われましても?な状態なわけ。疑われていたのかと思うと、冷や汗だらっだらだったのは言うまでもないね。
俺の異世界生活、二日目にして終わりかねと気が気じゃない心持ちでござったよ。詫び石待ったなし。
しかしそうは問屋が卸さない(誤用)。
詫び石は来ない。なるほど糞運営だ。やってやろうか。戦の準備は出来てる。
まあ、今の所はツケにしといたる。結局、疑い止まりだったわけだしね。
と、いう所まで考えて今。
ギルド長の言葉に顔を顰めてぶつぶつ呟く副長のおっちゃん。
おっちゃんはまた死んだと言っているに一票。もはやここまで来ると、芸の一種だよねあれ。
ま、悪いとは思ってるから、頑張ってね。
気が向いたら協力するから。
「はい。質問です」
「え、な……何よ?」
そんな訳で、世界観は理解して来始めた訳ですが、あっし素朴な疑問があるでごんす。
戦いが終わったことを理解した副長のおっちゃんとセリナが、何となく近付いて来たので、右手を高々と上げて、セリナに質問。
「魔王の器って?何で俺なん?」
と、素朴な疑問をセリナにぶつけてみた。
「……」
「……」
「ぬははははは!」
セリナと副長のおっちゃんがマジかこいつ……みたいな顔。ギルド長は爆笑してた。
仕方なかろう?わし、この世界に転生して2日目ぞ。
生後2日のほやほやばぶちゃんぞ。
大号泣してお世話を強要したろか?
「妙に黒髪差別に疎いとは思ってたけどよ……。何だお前、そんなことも知らなかったのか?」
「おん」
「胸を張る所じゃありません」
「おん……」
怒られちった。大人は理不尽だ。
と、思ってたらギルド長が笑い過ぎて出た涙を拭いながら話し掛けて来る。
どんだけ笑ってんのやあんた。
「あー、笑った笑った。つまり、ツバサよ。お前さん、察するに大陸外の出身か?」
「世界外出身よ」
我、地球星、日ノ本出身でおじゃる。サブカルチャー大国やで。日本のアニメは世界イチぃぃぃぃ!ってな。
「ふざける場面でもないでしょ」
「おん……」
嘘吐き呼ばわりされました。訴訟も辞さない。
しかし、異世界の証明は、悪魔並みに証明出来ないので、諦める。検証出来ないんじゃ、どうにも。
つう訳で、心持ちふざけた空気を抑えて話してみる。皆信じてくれるかな?
「俺は日本て国の出身だね。極東の小さい島国なんだけど」
「ニホン……?聞いたこともないな。ギルド長は?」
「ぬぅん……。俺も知らんな」
信じてくれはしたけど、3人揃って首を傾げる。そら、違う世界の国なんだから、知ってる訳もないっしょ。
正直、知ってたらビビる。
「極東……つまり、右大陸の先なのね。……それなら、まあ、魔王の器のことを知らないってのにも納得だわ」
「つうか、よくそんな遠くからこの中大陸まで来れたな。大変だったろ」
セリナが何かに納得してうんうん頷き、副長のおっちゃんが何故か同情的。中大陸ってなんぞ?後で地理でも調べるかぁ。
と、考えていると、ギルド長が唐突に手を叩いた。びっくりしました。なんぞ?
「つまり、ツバサよ。お前さんはここらのことは疎いっつうことだろ?」
「せやで。だからおせーて」
そんなこんなで、昨日から何となしにあった黒髪問題について、俺は聞くこととなる。
昨日調べとけよとか、そういうのは言わない方向で。
だって色々あり過ぎて疲れてたし、早く寝たかったんだもん。不可抗力です。




