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1_昼下がりの白の都、お茶会のひととき

「白の都の午後は、柔らかな陽光が白亜の石畳を照らし、空には蒸気船がゆっくりと軌道を描いていた。王宮の中庭には、機械仕掛けの噴水が静かに水を奏で、薔薇とラベンダーが風に揺れて香りを運ぶ。


その庭の一角、銀細工のテーブルには、蒸気で温められたティーポットと、花の形をした菓子が並んでいた。王女は純白のドレスに、歯車模様のレースをあしらい、髪には小さな蒸気時計の髪飾りをつけている。彼女の瞳は都の空のように澄んでいて、兄君を見つめるその表情には、穏やかな信頼が宿っていた。


兄君は、王女とは対照的に、黒と銀の軍服風の装い。肩には王家の紋章を模した機械式の肩章が輝き、手には紅茶のカップを持っている。彼は王女の話に耳を傾けながら、時折微笑み、静かに相槌を打つ。


「この前の舞踏会、機械仕掛けの鳥が歌っていたでしょう? あれ、あなたが設計したの?」


「ええ。母上の誕生日に合わせて、特別な音階を組み込んだんです。王女の笑顔が見られたなら、成功ですね。」


風が吹き抜け、ティーカップの表面に小さな波紋が広がる。遠くで蒸気機関の音が響き、白の都の午後は、二人の静かな語らいとともに、ゆっくりと流れていった。

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