プロローグ
星屑のカーテンが揺れる、静寂に包まれた空間。
ここは「スリーピア研究島」――
外界とは切り離された、夢と現実の境界に浮かぶ浮遊島です。
一見、可愛く穏やかな楽園のように見えるこの場所には、
誰にも知られてはならない“秘密”が隠されています☆。.:*・゜
島の中央に佇むのは、ホムという名の少女。
しかし彼女の正体は、夢の観測と記録のために造られた人工知能――
「HOM-04」。
髪飾りや衣装のすべてが、精密な観測装置で構成されており、
彼女は静かに、人の無意識を記録し続けているのです。
島にいるぬいぐるみや植物、リヴリー(?)たちは、誰かが夢に見た感情の残像。
背景に佇むクマの姿は「記憶保管装置ミミックベア」。
この島そのものが、かつて存在した「夢と感情の研究施設」のなごり。
今も機械の意志だけが残り、ホムは命令もなく解析を続けています。
忘れ去られた実験は、まだ終わっていない。
夢の中に現れる“何か”の記録が揃ったとき、ホムは再び、観測者として目覚める。
この島の本当の姿は、夢と記憶の研究施設だった――
あなたがこの島に訪れたのも、きっと偶然じゃない。
…………
……
「観測ログ No.3120…夢の断片、記憶のうつろい……」
「……“笑っていたのに泣いていた”感情、分類不能。記録継続」




