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記念日

作者: 翠泉


 そろそろ進み出そう

 一歩一歩を踏み締めて

 それぞれが思い描いている

 新しい舞台へと


 厚く張った雲

 ひび割れた隙間

 覗き込むよう

 差し込んできた光


 消えることはないよ

 いつだってカーテンを開ければ

 満たされた気持ちになれる

 どんな朝を迎えたとしても


 誰かが感じているような

 深く重い痛みの上で

 成り立っているような

 歓びは許容できなくて


 いつか来るあなたとの別れ

 覚悟はできていたけれど

 紙に染みている黒いインクのように

 過ちだけは消すことができない


 さようならって

 永遠を生み出す魔法みたいだね

 どんなに辛かった過去でも

 何故か眩しく輝いて見える


 遠く離れた土地にいる

 あなたが手を取り合えるような

 そんな人が現れてほしい

 やっぱり嫌だと繰り返してしまう


 記念日に聞かせてほしい

 悲しみから避けるような

 忙しく回り続ける

 暖かな旋律を


 記念日に聞かせてほしい

 捻くれ者が伝える

 ぎこちなくて見栄えの悪い

 言葉ばかりでも


 雨の降りしきる世界に

 暗く先が見えない世界に

 あなたと探し出した

 煌めく光の粒子


 見失わないように輝き

 私たちを導いてくれる

 ぽっかりと空いた穴を

 埋めるように歌おう

 

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― 新着の感想 ―
厚い雲がひび割れた隙間からさしこむ光。いつだってカーテンを開ければ、というところが好きです。 紙に染みこんだインクのような過ち。そういうことが、ありますよね。でも、過ちや後悔があるからこそ、次はそう…
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