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大人ぽっぽい! デートの帰り道。無邪気な彼女から、大人びたものを見せられる! それは色だけだったけど!

作者: 栗野庫舞

タイトルは入力ミスをそのまま採用しました。

 あなたは彼女との休日デートを、無事に楽しく過ごすことが出来た。今は夕刻で、空が薄暗くなっている。


「今日のわたし、ちょっと大人っぽかったんだけど、気づいた?」


 帰りの分かれ道での、彼女からの問いかけ。


 あなたは答えたかった。しかし、当の答えがまるで分からない。


 あなたの彼女は、美しさよりもかわいさが(まさ)る容姿だと言える。左右でまとめた子供っぽい髪型に、高校生とは思えない童顔。背は低くはないものの、胸部は小さい。服装は白とパステルグリーンで、スカートは短い。


 本日の彼女はいつもと同様、かわいかった。もし、いつもと違ったのなら、すぐに気づくはず……。


 彼女をずっと眺めても答えは出ない。あなたは降参し、分らないと正直に答えた。


「じゃあ見せてあげるねっ」


 幼い容姿の彼女は、両手で大胆にミニスカートを持ち上げる。あなたはつい、(さら)された部分を直視してしまう。


「どう?」


 あなたの視線の先には、肌色に近い、ベージュの下着があった。特に目立つような装飾もなく、彼女のおへそから太もものつけ根までを広く覆い隠している。


「今日のパンツ、ベージュ色なんだぁ~。大人っぽいでしょー?」


 白と違って、婦人向けに多い色。それがベージュ。


 確かに色だけは大人っぽいかもしれないけれど、どちらかと言えば、おばさんっぽくないかと、あなたは彼女に述べた。


「おばさんも大人の女性じゃない? ということで、わたしがはいているのは、大人なパンツなの。白と違ってお肌の色に溶け込むベージュは、大人の雰囲気がいっぱいなんだよ」


 下着を見せつけたまま、彼女は偉そうに説明する。


 ベージュよりも黒のほうが大人っぽくないかと、あなたは伝えた。


「あっ、黒でもよかったね。それなら今日のわたしが大人っぽいと気づいたかな」


 いや、そんなの気づくわけがない。そうあなたは否定する。


「あー、そうだねー。よく考えてみると、気づいたとしたら、デート中にのぞいてたってことだから。こわいよぉ~」


 それよりいつまで見せているんだとあなたが注意すると、ようやく彼女はスカートを戻した。


 彼女は下着を見せていた時よりも、顔を赤らめている。


「……大人なパンツまで見せてあげたんだから、これからも、大人になるまでずっと、それにそのあともずっとずっと、一緒にいてね」


 恥ずかしさの混ざった、慎重な声だった。


 たかがパンツを見せられたぐらいじゃ……と、口にしようとしたところで、あなたは考え直す。


 彼女は自分からスカートをたくし上げて、彼女にとっては特別な下着を見せてくれた。彼女が誤って他の人に見せてしまうことはあったとしても、見せてもらえるのは、あなただけ。


 ベージュとか白とか黒とか、極論を言えば、どうでもいい。


 ただ、ベージュのパンツを見せてくれた彼女の好意だけは、絶対に嬉しい。


「……どうなの?」


 返答が遅れて、彼女に不安な顔をさせてしまった。その顔さえも(いと)おしい。


 頭の中が愛する彼女でいっぱいなあなたは、彼女の(おも)いに(こた)えるのが当然だと思った。


 うん、約束するよ。そのようにあなたが答えると、


「ありがとう~」


 素敵な笑顔が返って来る。


 この後、彼女があなたの手を取った。そのまま、あなたの手はスカートの中に運ばれる。


「お肌と同じ色のパンツを、(さわ)らせてあげる」


 ちょっと大人びた表情を彼女が見せる中、あなたの手の平は密着が強要されて、生地の感触を得た。


 この時ばかりは、あなたも時間という概念を失った。


 彼女の手とともに、あなたの手が外に出され、そっと離される。この一連の動作を、はっきりと実感した。


「今日はすごく楽しかったよ! 今のはそのお礼ね! じゃっ、またねっ!」


 真っ赤な顔で、急いで去って行く彼女を、あなたは呆然(ぼうぜん)としながら見送っていた。


 驚いてあいさつを返しそびれてしまったけれども、彼女はそのようなことを気にしないと思う。むしろ、あなたが明日、彼女と学校で会った時、必要以上に意識してしまいそうで怖い。あるいは、下半身のほうが気になりそうな……。


 ともあれ、(ひと)りになったあなたは、帰るための一歩を踏み出した。


 家に着くまでがデートだと思い、あなたは彼女との楽しかったデートを思い出しながら、自宅へと足を進めた。


                    (終わり)

最後まで読んで頂き、ありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[良い点] おんなのこの描写はかわいい [気になる点] たまにならいいと思うのですが、神視点(客観視点)で男の考えを述べているので、軽い違和感が。 話しの終わらせ方にもう少しちゃんと落ちがあるとよか…
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