7アザラシ
触れ合いコーナーで散々、ナマコの感触を楽しんだ俺達は手を洗って怪獣ゾーンにやって来た。
「「「オオオオォ……!」」」
この水族館は海沿いのため、本物の海水の中でアザラシを飼育していた。
海岩の上に乗って昼寝をしていたり、または雄叫びを上げていた。
「凄いねぇ……」
「ああ……」
その野生の姿に俺達は圧倒されていた。
「アザラシの餌やり体験やってまーす! 五百円でーす!」
そうしていると水族館のお姉さんの声が聞こえた。
俺も胡桃も少し悩んだ末にやってみる事にした。
お姉さんに五百円を払って、バケツに入った餌とトングを受け取る。
魚の切り身が四枚ほど入っていた。
切り身といっても、そこそこの大きさだ。
「よ、よーし……!」
若干ビビりながら、胡桃はトングで掴んだ魚の切り身を投げた。
するとアザラシは上手に魚の切り身をキャッチした。
どこかで見た光景だと思っていたら、クマ牧場の餌やりを思い出した。
「凄く上手にキャッチするね~!」
「そうだな。まあ、食べ方ちょっと怖いけど」
「あはは……。え、アザラシってペンギン食べるんだ……」
「本当だ……」
アザラシの説明欄を見ると、アザラシはペンギンを食べる事が多くあるらしい。
想像すると……グロい。
でも餌やりは楽しませて貰った。
あれだな、水面に鼻から上だけを浮かべるのが可愛すぎる。
ゴマちゃんが人気になるのも分かるよ。
餌やりを終えた俺達は別の場所に移ろうと思ったのだが……。
「キュー!」
可愛らしい鳴き声が聞こえた。
そちらを見ると、ちょうど人工保育のアザラシの赤ちゃんが飼育員さんに連れられて散歩していた。
モフモフふわふわで、あの美形な姿になるとは思えない程可愛い。
「はわわわわわ……っ!」
その証拠に胡桃も目がハートになるほどメロメロだ。
「抱っこしてみますか?」
「良いんですか!?」
「勿論。その前に消毒お願いしますね」
「はい!」
胡桃は速攻で消毒液を両手に吹きかけて、消毒をしてから赤ちゃんアザラシを抱っこした。
その時の表情と言ったらもう、胡桃の小学三年生の誕生日にプレゼントした極上プリンを口にした時ぐらいに満面の笑みをしていた。
「可愛い~っ! 気持ち良い~っ!」
「そんなにか?」
「ほら! ゆう君も抱っこ!」
「いや、俺は……」
「是非!」
彼氏さんもどうぞ、笑顔で飼育員さんが言った。
追い打ちにふわもふな上にきゅるんっとした瞳の赤ちゃんアザラシに上目遣いで見られると我慢できなかった。
速攻でアルコール消毒をして、赤ちゃんアザラシを胡桃からもらい受ける。
そして、口からでた言葉は―――――。
「はわわ……!」
―――――だった。
だって、赤ちゃんアザラシ可愛すぎるって!
ここまで読んでいただきありがとうございます。
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