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次の町では私は1人で薬屋さんに寄って傷薬や熱冷ましなどの薬を買ってから

「アインスの薬屋さんに料金を払うので手紙の配達をお願い。」と頼む。

「薬屋同士の繋がりがあるから間違いなく配達できるぞ。」と薬屋さんは依頼を受けてくれた。

お姉ちゃんがお兄ちゃんに手紙を仮に見せたとしても一部しか持って行かないだろうから薬屋さんのお婆ちゃん達が見て納得してお兄ちゃんの暴走を止めたくなるような心情に訴える手紙を長文で書いた。

これは私が1人で出て行ったとわかるようにする為と逃亡中に見つかって2人で冒険者として活動すると言う感じに手紙の内容で伝えた。最初から一緒だとお兄ちゃんがまた暴走しそうだからね。

乗り合い馬車での終点の国境近くの町に着くまでに馬車の乗り換えで時間が空くので合間に冒険者ギルドの依頼を受けたり足りない物を買い物したりして過ごした。

「これからは護衛じゃなくて仲の良い兄妹か恋人同士のような距離感で過ごそう。勘違いじゃなくて俺は婚約者だったはずだけど。」と言われて手を繋いだりしてくっついている。

女が1人で居ると絡まれたり物騒なのでめんどくさいけど仕方がないと諦めている。

お兄ちゃんと違ってうるさく言わないし、基本的に私の意見を通してくれるし、無理そうな時は改善して最終的に私の希望になるように物事を運んでいってくれる。

途中の経過さえ気にしなければ大丈夫。

どうしてこうなったか解らないけど結果が大事だと思うことにした。

いちいち考えるのが面倒くさいから。

今日は茶髪を隠す為にまとめて結んで自分のローブで黒髪がわかるように出して国境近くの町の道具屋さんで小芝居をする。めんどくさい事だが念の為にするミッションです。

キャストは私と私の関係者の男性と道具屋さんとなっています。

まず、私が薬を調合するお高い調合鉢をおずおずと必死に決断して売る。

売値を聞いた所で私を見つけたように店に来て声をかけてもらい商品を売るのを止める。

「それはお兄さんが薬師ランクが上がったお祝いに買ってくれた物じゃないか。売っていいのか。」

と聞かれて私が怒って

「いいの。これお高いだけで使いにくいし私は薬師辞めるから。自分の人生を生きる。お兄ちゃんだってお金に困ったら売っていいと言ってた。私は隣の国で新しいことをするの。」

それを聞いて道具屋さんに

「わかった。彼女にも路銀が必要だろうから俺にその道具を売ってくれ。彼女がそれを必要とした時に渡したいんだ。」と言って目の前で買い取る。

金額を聞いて足りない分をポーションで支払うと交渉する。

渡しておいた私が作ったポーションを出してもらう。

薬師ランクがAランクの人が作ったとわかる瓶を見せて売る。

金額が合えば道具を買い取り、合わなかったら道具を諦めて帰る。と言う流れで行いました。

そして2人で隣の国へ行ったと思わせるミッションです。

これもお兄ちゃんが探しに来ると言う前提の小芝居でしたが。

この町の道具屋さんはいい人みたいで私が出した道具を私の関係者にその値段のまま横流しで売っていました。

「もしできたらポーションを有るだけ買いたい。」と道具屋さんが言ってくれたので渡していたポーションを全部出しました。

なぜかポーションをありがたがってくれて下取り価格ではなくて喜んで正規の値段で取引してくれた。解せん。それ全部普通の初級ポーションだけど。

普通の人には瓶が珍しいだけで中身は一緒だと思うのだけど。

結果として私に臨時収入が入りました。と言ってもポーションを売った分だけね。

無駄にお兄ちゃんが行動力を発揮して探しに来ることを考えたミッションだったがいらなかったかもと思いながら乗り合い馬車で次の町に行く。

ここからは薬師としての仕事を受けず本当の冒険者のように行動して行く事に決定しました。

薬は私達が必要な分だけを調合するだけにした。

薬師としての私の名前だけが噂で独り歩きしている気がするから。

だから移動も乗り合い馬車ではなく町を移動する護衛依頼で動き野営を中心で寝起きする生活もした。

野営の割り振りで2人で一つのテントだったり相部屋だったりしてもくっついて寝るのも平気になった。

他の人は無理。

私は大きな犬が欲しい時がありました。

確かあの時に私の番犬として側にいることになったから私と一緒にいるのは多分大きな犬だった。(遠い目)

第三者がいる所では2人は恋人同士かと聞かれたら私からは否定はしない。

たまに勘違いした人が夜の相手をなんて言うから大きな犬は私の番犬になってくれた。

私は番犬と一緒にいれば問題が起きなく済んでいる。

1人だと絡まれるしトラブルが怖いからね。うちの番犬が怖いらしく変な人が私には寄って来ないようになる。私に寄って来られないから安心です。。番犬の威圧も怖いからね。

こうして常に一緒にいて冒険者ギルドの依頼をコンビで受けてこなしていく。

そうして地味に仕事を受けてお互いに冒険者ランクも上がった。

ギルドで講習を受ける感じに試験を受けて実技のテストもした。

私も冒険者ギルドのCランクになった。

弓や魔法攻撃に近距離対策の短剣も頑張った。簡易的な治療法も覚えた。

番犬はすでに冒険者ギルドのBランクだった。

お兄ちゃんに連れ戻されるのが嫌で町も長くは居ないように気をつけて移動した。

移動する前にはお姉ちゃんには毎回、近状報告の手紙を薬屋さん経由で出した。

場所が特定されない当たり障りのないとにかく私が元気だとわかるように書いている。

たまに一方的に質問も入れるが「答えてもらえる時が来るのを待っています」と今は文を結ぶ言葉になっている。

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