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30.引きこもり妹レイラ

 声がする方を見ると茶髪にクリっとした目の我が妹レイラがいた。


「お兄ちゃん! 久しぶり。元気にしてた?」


 レイラが俺に抱きつき顔を埋めてくる。


「おぉ帰ってきたんだな。レイラ久しぶり」


「あれ、エルビス……記憶喪失じゃ……」


 シルヴィから俺の過去の設定をほじくり返した話をしてくる。


「え? お兄ちゃん私のこと覚えてないの?」


 え~い! もうどうでもいいや。記憶喪失を貫こう。


「ああ、ごめんな。本当は覚えてないんだ。だけどレイラを悲しませたくなくて黙ってたんだけど……誰かが余計なこと言うからバレちゃったよ」


 俺は空笑いをしながら嘘を突き通した。ディーネは俺が嘘を付いているのを脳内を読み取り理解しているのでニヤニヤしている。


「あ、え、エルビスごめんそう言うつもりだったなんて知らなかったの」


「へっマスターの崇高なお考えを理解もせずに妨害するような、メス犬はどっかにいけ」


 ディーネがここぞとばかりにシルヴィを馬鹿にしている。


「はぁ? 犬じゃないし! 帰れバーカ」


 こいつらまた喧嘩しやがって……俺は無言で二人をにらみつける。


「「あ、ごめんなさい」」


 二人がだまり込んだ。そのスキにレイラが話し始める。


「お、お兄ちゃん。私6歳になったんだよ。あとお兄ちゃんのために魔法の研究いっぱいしたんだよ。遊びたかったけどお兄ちゃんの為に……褒めて」


 そう言って頭を突き出すレイラ、頭を撫でて欲しいんだろう。取り敢えずなでなでする。


「えへへへ、じゃあ今から魔術付与の結晶使うから……あれ? もしかしてシル姉? 久しぶり! シル姉」


 どうやらいまシルヴィに気がついたようだ。……シル姉ってなんだよ。そういえば昔からレイラはネーミングセンス壊滅的だったなぁ。そんなことを考えていると喧嘩をしたことで反省してフリーズしていたシルヴィが動き出した。


「あ、レイラちゃん? 久しぶりだね元気だった?」


「はい! 元気でした。途中で帰りたいなって思う時もあったんですけど、最近は研究が楽しくて……ところでそこの女性はどなたですか?」



 レイラがディーネに注目している……どう説明しようかな?


 ディーネの紹介をどうしようか考えていると、俺に睨まれ、がくがく震えていたディーネが再起動した。


「はははは、は、初めまして! わわわ、たくしは精霊の泉の精霊のディーネと申します。エルビス様と契約しています。はい!」


 レイラが驚愕した顔で俺を見る。


「お兄ちゃん精霊と契約したの……精霊と契約すると特殊なスキルとか魔法が使えるようになるって聞いたことあるお兄ちゃんもしかして……魔法使えるようになってたりするの?」


 ディーネとの契約で獲得したのはスキルであって魔法ではないんだけど……まぁ魔法は使えるしな。正直に言うかな


「ああ、使えるぞ?」


「ちなみに魔法適性は?」


「火、水、風、土、闇、光かな?」


 レイラが目をウルウルさせている。


「基本属性全持ちじゃん! う゛ぁ~ん」


 レイラが走って裏山まで帰って行ってしまった。


「ごめん。シルヴィ! 今日は帰るな!」


 俺はシルヴィと別れてレイラを追いかけた。なんかありえないぐらい足速いんですけど!


 超加速を使ってようやく追いついた。


「レイラ待ってくれ、やっと追いついた。何でそんなに走るの早いんだよ。」


「お、お兄ちゃんこそ私に追いつくなんて化け物じゃん! 私はこの魔術石を使って加速してるのにお兄ちゃん普通に走ってるじゃん! 怖いんだけど」


 レイラの首に下がっている石があの速さの原因かすごいな。きっとあれも一人で開発したんだろう。……って感心している場合じゃない、それよりもオレの化け物疑惑を解消させないと


「俺が早いのはディーネのおかげだ。化け物じゃないぞ!」


 嘘である、普通に転生特典で獲得したスキルを元に獲得したスキルだ。


「そ、そうなの? 精霊との契約ってすごいんだね、私が2年かけて開発した技術も無駄になっちゃった。」


 泣きそうな声でレイラがそう言った。


「そんなこともないだろ。俺以外の人にも使えるんだろ? 人の為になる技術を開発したんだ。誇っていい」


 そんな俺の励ましに首を振る。


「お兄ちゃんの為に……魔法適性が一切ない特殊タイプの人間に作った技術だから。それに元々適性がない人はあとから適正を付与しても魔力量が少なくて結局魔法は使えないの」


 なるほど色々問題はあるみたいだな、


「取り敢えず家に帰ろう、久しぶりだろ?」


「うん、お父さんとお母さん元気?」


「ああ、元気だよ、レイラの仕送りで家を大きくしたんだ。レイラの部屋が一番でかいから楽しみにしとけ」


 レイラは笑顔で頷いてちょこちょこと俺に付いてくる。


「そう言えば、今家に居候がいるんだ」


「え……か、帰る知らない人怖い」


 カタカタと震えながらレイラは後ずさる。


「いや、俺の恩人で師匠なんだよ。そんな事言わずに会わないか?」


「うぅ……お兄ちゃんがそう言うなら会うけど」


 渋々と言った感じでレイラは付いてきた。家に帰るとディーネとカインさんがいた。


「お~うおかえり。そいつがお前の妹か」


「ひっ……」


 レイラが俺の背中に隠れてしまった。


「カインさん! レイラを怖がらせないで下さい」


「え、今俺なんかしたか? 挨拶しただけなんだが」


 カインさんが落ち込んだ顔をしてトボトボ部屋に戻っていった。


「そういえばディーネ? レイラへの嫌悪感はどうだった?」


「はい、問題ありませんでした。あの小娘ほどではないです。よかったです。これで私はお世話ができます。」


 良かった……レイラの性格だとシルヴィみたいな調子でディーネに喧嘩をふっかけられたらレイラは引きこもっちゃうから本当に良かった。


次回で準備が完了します。一章の終わりに向けて物語が急速に動き始めます。

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