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プロローグ

ー 王女が一般高校に留学すると思うか?ー


普通、王女様っていったらお嬢様学校に留学するのが普通だろ。

そんな非日常的な出来事が起きるのは架空の世界だけと今朝まで俺、逢坂(おおさか) 月冴(つかさ)は思っていた。


・・・・ピピピ、ピピピ


けたたましいスマホのアラーム音で、彼の目が覚めた。

月冴はベッドから体を起こし、足を床に着け立ち上がった。

そして、窓の方へ歩きカーテンと窓をを開けた。

そこにはいつもと変わらない景色と共に心地よい風が流れ込んで来た。大きく欠伸をした。


(ねむい・・・)


そう思いつつ月冴は学園に行くために身支度を始めつつ、何気なくテレビに目を向けた。


『昨日、イングラート王国第二王女ソフィア・イングラート殿下が学業のため来日しました。本日からー』


月冴はテレビを消し、玄関で靴を履き駅に向かった。

学校へ向かう途中にコンビニに寄り朝ご飯を買った。

駅では朝の通勤通学ラッシュのため混雑していた。


「よォ、月冴」


そこにいたのはクラスメートであり、親友の神原(かんばら) 優斗(ゆうと)だった。


「おはよ」


「それにしても、人多いな」


優斗は見える景色をありのままで口にした。

月冴達が乗車するとモノレールは走り出した。


<hr>


私立彩星学園、都内の中では進学校よりだが他校と何ら変わりのない高校だ。二人は教室へ入り、席に座った。

席は一年の時と同じため、月冴は優斗の後ろだった。

月冴は席に着いた早々にコンビニで買ったパンとコーヒーを食べ始めた。そこへ、女子二人がやってきた。

(みなみ) 花奏(かなで)新城(しんじょう) (しずく)だった。


「今日、うちのクラスに留学生が来るぽっいよ」


「聞いたところによると銀髪の外国人らしいんだよ」


「マジで」


そこへ、優斗が話に食い付いた。

まぁ、男子高生がこの話題に食いつくのはごく普通だった。

一方、月冴は食事を普通にしていた。

それを見た優斗が呆れ半分と驚き半分の表情をしていた。


「月冴、お前はホントに男か」


「うるせぇよ、これでも男だよ」


月冴は不貞腐れてそっぽ向いてしまった。女子二人が苦笑いをした。

だが、月冴自身も興味が無いわけでは無かった。

今は(・・)普通の男子高生、美人な人がいたら振り向いたりするし、友達の恋話に耳を傾けたりする。

そこへ、突然、花奏が今朝のニュースの話を始めた。


「あ、そうそう。今日の朝やってたんだけど東京のどこかにイングラート王国の王女様が留学するんだってね」


花奏が期待のこもった表情をしたが、優斗がその可能性を切り捨てた。

だが、表情はどこかもの悲しい表情だった。


「それなら見たけど、こんな一般高に来ねぇーだろ・・・・」


そこへ、雫が優斗と花奏に少しの希望を与えた。


「でも、イングラート王国の王女様も銀髪じゃなかった?」


その事を聞いて二人は表情が少し明るくなった。

だが、それは月冴の一言で一瞬のうちに消え去った。


「おいおい、わすれてないだろな。それは一%に満たない可能性だぞ。ゼロだと思って期待しない方がいいぞ」


二人の表情が元に戻るどころか、一回変な期待を込めたせいで二人はどん底、いや、人生が終わったような表情だった。

雫が二人にフォローを入れた。


「いや、そんなに落胆しないでよ。可能性はゼロじゃないんだからさぁ」


二人には雫の励ましの声は届かなった。

雫は困り果てていた。

そんな雫を可哀想に見えたのか月冴は慰めの言葉をかけた。


「まぁ、まあもどちらにせよ銀髪の留学生が来るんだから」


この言葉に二人ともまた少し明るくなり、優斗は月冴に泣きついた。


「そうだよな、留学生が来ることには変わりないよな!」


そして、花奏もあとに続いた。

そして、花奏は改めて再認識したかのように泣きついた。


「あんたにも、人の心があったのね」


月冴と雫は共に呆然としていた。

月冴は花奏に言い返すことも出来ないくらいに。

だが、一つ思ったことがある。


(子供かよ・・・・)


一方、雫は・・・・


(いやいや、二人とも月冴に打ちのめされたんだよ・・・・)


その時、教室内にチャイムが鳴り響き、みんな各々の席に着席した。

そして、優斗が振り返った。

月冴は”留学生って絶対可愛いよな。

どんなんだろ?"と聞かれると思っていた。だが、聞かれたことは思っていたことと違った。


「なぁ、留学生って日本語喋れるのか?もしかして、外国語でコミュニケーション取らねぇといけねのか?」


月冴は呆気にとられ、目を丸くしていた。

だが、すぐに聞かれたことを認識したが、月冴自身も知っているはずも無い。


「俺に聞かれても分かるわけないだろ・・・・まぁ、英語さえ喋れば簡単なコミュニケーションは取れるだろーな」


「うっ」


月冴は勝ち誇ったように優斗に言い放った。

優斗はバツが悪くなり、視線を逸らした。

それもそのはず、月冴は学年トップの成績だが、対照的に優斗の成績は下から数えた方が早いのだ。


「まぁまぁ、そんなに落胆しないくれよ、いざとなったら俺が会話の間に入ってやるからな!」


「その顔めっちゃ腹立つ!」


月冴はニヤニヤしていた。それに対し、優斗はイラっとしていた。

そして、優斗はもうひとつ小言を悔しそうに言った。


「月冴は俺にだけやたらキツいよな。他の男子や女子達にはアホみたいに優しいのにな」


「そうか?」


そこへ、教室のドアが空いて担任の川田(かわだ) 里奈(りな)が入ってきた。

そこには、留学生の姿は無かった。

それにより、教室内がザワついた。

その中、みんなが思っていた疑問を聞くために優斗が立ち上がった。


「里奈っち、留学生はどうしたんですか?」


川田先生は完全に呆れていた。理由は二つあった、一つは生徒に下の名前で呼ばれたことと、留学生が来るっていう情報が早かったことだ。

だが、川田先生が下の名前で呼ばれているのは仕方が無かった。


「神原君、いい加減さ下の名前でよぶのやめてくれる?」


「いや、里奈っち俺らと同い年じゃん」


川田先生は飛び級を重ね昨年からこの学園の教師になっていた。

その上、去年からクラスは繰り上がりのためクラス全員が川田先生を里奈っちと呼んでいた。

そして、それについていつもこのような言い争いが起きていた。


「それでも、私は先生です!」


苦し紛れに川田先生は自分が先生だということでいつも頑張って反論している。

だが、みんな思っていたことがある。


(((説得力ねぇー)))


そして、本題へと話が変わった。


「それでは、神原君が行ったように留学生は廊下で待ってます。見たらみんな驚くと思うけどね!入ってきて」


川田先生は子供イタズラするような表情へと変わっていた。

だが、月冴はその表情を見る余裕は無かった。

川田先生の”見たら驚く"に引っかかっていた。

しかし、答えが出る前に留学生が入ってきたのだ。

彼女を見た瞬間、みんなが固まった。

そこに居たのはイングラート王国第二王女ソフィア・イングラート殿下だったのだ。
















詳しくはノベルバにて連載中


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