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Todesgott  作者: 黒峰白亜
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Schönes Gift

そもそもの問題として何故僕は今苦しいのか?窒息と思ったがあれは人間などに起こるものだ。そうでないと神界では生きられない。ならなぜだ?思い当たるとすれば毒。水の中に毒を混ぜれば、水中にいる僕の体に自然と当たる。そうすれば僕は毒の影響が出る。彼女たちは自分たちが効かないような毒にしているのだろう。だが、ピンチなのは変わりない。毒だとわかってもどうしようもない。空を飛ぶ技術の無い僕はどのみち水に触れながら戦わなければならない。だが、彼女たちの魂は見える。水に溶け込むでも魂は溶け込めない。次に攻撃して来た時がチャンスだ。後方から水の流れを感じた。僕はそれを下に避け、鎌でそれの魂目がけて切りつけた。

「...!!!」

音もない悲鳴が聞こえる。僕はその隙を狙って一気に水面近くに上がった。四方八方から攻撃されるのは、流石に防ぎきれない。だが、このままここで待ち構えていたとしても始めのような水の槍が飛んでくる。ふと上空を見上げると、巨大な水の塊が上から降ってくるのが見えた。まずい。水面近くだと衝撃を避けられない。また潜るか?いや。ぶっ壊す。僕は水面から勢いよく飛び出してその巨大な水の塊を切りつけた。普通の水は切っても意味がない。だが、攻撃目的の水ならある程度は固めてある。なら、切ればこちらの影響はなくなる。思い通り水の塊は切れた。だがしかしそれは甘かった。その塊の中からオケアノスが飛び出して来た。オケアノスは僕の顔の前に手を近づけた。

「これで...終わりです。」

手から水の塊が出て来て、僕に直撃した。僕はそれの衝撃により水面に叩きつけられた。オケアノスはまだまだ追撃する。しかし、叩きつけられた勢いで水を飲んでしまった。一気に体が重くなった。僕はオケアノスの水の槍を間一髪で避けに避けた。だが、下からも飛んで来る。とにかく上にいるオケアノスを倒す。少し下に視線を送るとたくさんの魂が見えた。先程の攻撃でたくさんの微生物が死んだのだろう。神界にもそのような生き物はいる。これはチャンスだ。僕は魂たちを両腕に引き寄せた。彼女たちを一掃する技のために。そのためにはオケアノスをどうにかする。どうやって浮いているかは知らないが、たぶん魔法だろう。神たちが自分の能力では無い力を使うために生み出した技だ。僕も使えれば楽だが今はそんなことを考えている場合では無い。周囲を見渡した。すると水面がコロシアムの観客席付近まで上がっていることがわかった。これならあれができる。僕は急いでコロシアムの端に泳いだ。もちろん彼女たちはそれを妨害する。だが、避けれるものは避け、避けれないものは鎌で切り裂いた。僕は鎌を観客席の手すりに引っ掛けた。下に振り下ろすことで僕の体は上がる。そして僕は手すりに乗った。

「全能神様、あれは反則では無いのですか?場外です。」

と、オケアノスが言った。余計なことを。だが問題ない。どうせやめさせない。

「いや、続行だ。そのようなつまらないことでこの戦いを終わらせたくない。」

やっぱりな。じゃあ反撃だ。僕はオケアノスの頭上を飛び越えるほど高く飛んだ。

「さあ、今までの分しっかり返させてもらうよ!死神奥義!ゼーレブラスト!」

僕は手から薄紫色の巨大な光線を繰り出した。下にいたオケアノスはもちろん、水中にいるスティック、アムピトリーテは犠牲になっただろう。その攻撃により、水中に巨大な穴が空いた。流石にこれは耐えられない。僕は穴が空いていないところに落下すると鎌を取りに行った。僕が鎌を取って。再び手すりに登ろうとした瞬間、水中から水の塊が飛び出して来た。それは細長く、レーザーみたいだ。僕は避けるために水に飛び込んだ。その攻撃に当たった手すりの部分は粉砕するかと思ったが、溶けた。しかも一瞬で。すると水面から体の一部が紫色に変色した女性が現れた。

「私誓った。ステュクスの川に誓った!必ず貴方を倒すと!」

と、かなり枯れている声で言った。これはステュクス違いない。冥界にあるステュクスの川には不死にする効果もあるが、かなりの猛毒だ。それを身に纏っているようだ。不死の効果のおかげで生きているようだ。だが他のやつらは無事ではいられない。と、思ったが、それは甘かった。オケアノスみアムピトリーテも水面から上がって来た。なにやら乙女色のベールを身に纏っている。アムピトリーテの仕業だ。やばいこれでは状況が変わっていない。しかも、水は紫色に変色してきている。速く地上に上がらなければ毒で死んでします。しかも。この毒はさっきまでの毒とは違い体を溶かす。つまり、触れただけで危険だ。毒がここまで伝わるのも時間の問題だ。だが、次はさっきのように水面には上がれない。だが、オケアノスとアムピトリーテはかなり疲弊しているようだ。さっきの僕の攻撃でかなりのダメージを負ったに違いない。それにアムピトリーテの方はあの死の毒を防ぐほどのベールを出している。あちらを攻めれば地上に行ける筈だ。僕がそう思い、オケアノスの方に行こうとすると、空中に紫色の槍が現れた。これはまずい。

「貴方の考えていることなどお見通しです。母とアムピトリーテ様を先に倒そうということでしょう。ですが、それはさせません。」

槍が僕目がけて降って来た。


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