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Todesgott  作者: 黒峰白亜
3/5

Heißer Geist(eins)

扉が開けた途端、眩しい光が入ってきた。これが神の輝きかと思ったら、なんか暑い。大体は予想できた。あいつだ。と、思ったところ、甲高い声が聞こえてきた。

「はーっはっは!久しぶりだね死神!君と戦わないかと聞いた時は嬉しかったよ!昔の君からどれぐらい成長したか見てみたいよ!」

うっぜぇ...。よりによってヘリオスかよ。この暑くるしい声は聞くだけで嫌になる。僕が住んでいたところに一緒に住んでいたが、僕より少し年上だ。服はエクソミス服だけを来ていて、見た目は寒そうだったが、あいつ自体が熱を発しているせいで周りは暑すぎる。しかも声が更にうるさ過ぎるからあいつが存在するだけでうんざりする。しかもあいつの体自体が更に少し薄い橙色だから服以外はとても暑い。

「とにかく暑いからその光を消してくれ。あとむさ苦しいから喋らないでくれ。吐き気がする。」

たぶんこれはみんなが思っていることだ。

「おっと。これはすまなかったね。光をすぐに消すよ。むさ苦しいと言ったが、ここは寒すぎる。もっと暑くしないと凍え死んでしまうぞ!もっと暑くなろうぜ!」

もうどうにでもなれ。とにかく消えろ。まじ消えろ。確かにここは外よりも少し寒い。1〜2℃ぐらいだが、凍え死ぬってあいつ普段どこにいんだよ。と、思っていると光は消えた。ヘリオスの服装は昔と変わっていない。後ろにはあと3人いる。

1人はキトンを来たかなりの色白でショートカットの女神。たぶんステュクスだ。違う1人はキトンの上にヒマティオンを羽織った同じくかなりの色白で髪型はストレートでかなり長い女神。たぶんオケアノスだ。一応は親子だから似ている。最後の1人は冠を被って全身は薄いベールで覆われ、右手に王笏を持ち、青黒い瞳だ。ベールの下はよくは見えないがたぶん、キトンだろう。女神にはこの服装の女神が多い。たぶんアムピトリーテだ。全員水関係の女神。ヘリオスを鎮火するために呼ばれたんだろうな。

「死神、君には彼ら4人と息子のクリオンと戦ってもらう。」

と、全能神が言った。僕はいいけどヘリオス以外が明らか弱そうだ。見た目は明らかに戦闘向きじゃない。見た目じゃわからないが。

「わかった。僕は誰にも負けないよ。」

と、かなり自信満々に言った。この自信はどこから来るのか?と疑問に思っただろう。鎌を探す旅に出ただろう。あれってかなり大変なんだよ。嵐の中を進んだり、時には悪魔と戦ったり。戦闘には慣れているんだよ。最も辛かったのは鎌を手に入れて神界に帰るまでかな。僕が許可を取って冥界にいるのに何も知らないバカどもが「生物は逃がさない。」とか言って追いかけて来たよ。まあ全部返り討ちだったけどね。そういうところから僕は戦闘に慣れているんだよ。

「了解した。それではステージを用意しよう。」

と、全能神が言うと周りの景色がガラッと変わった。

「ここは...?」

「コロシアムじゃ。神界にあるコロシアムに移動してもらった。この方が雰囲気が出るだろう?」

コロシアム。聞いたことがある。神や天使、悪魔など神界や天界、人間界などあらゆるところでの闘争を解決する場だ。戦闘するところは円になっていて、今回のそこの広さは半径50mほどだ。巨人族対巨人族となった場合はもっと大きい場所が用意される。

「初めはヘリオスと戦ってくれ。」

僕は静かに頷いた。

すると、僕とヘリオス以外は観戦席に移動した。これもあの全能神の力か。ちなみにここにはガイアやアトゥムなどの議会のメンバーもいる。圧勝して僕の強さを見せつけてやる。

「死神!君と戦えて本当に嬉しいよ!あの落ちこぼれと呼ばれた君がどんなに成長しているか楽しみだよっ!」

戦う前から暑苦しい。心身共にダメージを食らったよ。

「あと1分後に始めるぞ。お互い準備せよ。」

今すぐでもいいのに。こんなやつと1秒でも同じ場所に居たくない。と、思ったけど足場の硬さを確かめないといけないね。



1分はすぐに過ぎた。

「それでは始め!」

全能神は大声で試合が始まる。僕はさっさとケリをつけようとヘリオスに襲いかかる。が、ヘリオスの体が炎で燃えると同時に高温の熱が発生した。

「この私に簡単に触れれると思うなよ!」

流石は太陽神、近づくのさえ厳しい。だが、僕の鎌は溶けない。冥界製の武器は耐久性は抜群だな。とは言っても熱くて近づけないので一旦下がる。

「おっと。ここで下がるのかな?下がっても意味ないぞ!」

いちいちうるせえ。と思うのも束の間。ヘリオスの右手から炎が飛び出して来た。流石に直撃はまずい。僕は右に避ける。

「どこまで避けれるかな!」

ヘリオスは右手だけでなく、左手、目、全身から炎を出して来た。流石に避けきれない。左右に避けるも数が多すぎる。そしてヘリオスに近づけない。僕は圧倒的不利な状況に陥った。避けきれず炎が当たるのも時間の問題だ。ならどうする?僕は避けながら必死に考える。鎌で打ち消せれるのか?と、思った。鎌で炎を打ち消せるとは考えにくい。だが、これをやらなければ間違いなく負ける。一か八かの賭けだ。賭けるしかない。僕は鎌で炎を切り裂いてみた。切り裂けた。だが、切り裂けただけで、そのまま直進してくる。僕はギリギリのところで回避した。

「おやおや?自慢の武器も役立たずの様だね?さあどうする?」

切り裂いても無駄か。じゃあ、全部切ればいいか。僕は鎌を両手で持った。そして鎌を全力で回した。目に見えない速さで回した。すると、鎌は炎をかき消した。

「む!これは驚きだ。楽しくなって来たぞ!」

ヘリオスは炎の勢いを強める。が、僕には効かなかった。全てかき消したのだった。

「残念だったね。勝ちはもらったよ!」

僕はその勢いでヘリオスに突っ込んだ。だが、それは甘かった。ヘリオスは炎を一直線上にビームのように出した。重い。これは返しきれない。その攻撃は僕に直撃した。僕は地面に伏せた。

「勝ちはもらった?そんな寝言は寝てから言え!」

正直僕は神を甘く見ていた。神の力は想像以上だ。ふと僕はそこで疑問に思った。僕の神としての力はなんだろうか?これまでそう言うのを一度も使ったことがない。死神だから死に関係あるものか?僕がそう思った時、ふと周りに何かあるのに気づいた。ほぼ透明で球体の物体。そもそも物体なのか?これが周りにいくつもあった。まさかこれは魂なのか?聞いたことがある。生物は死ぬと魂になる。冥界に行くものも多いが、未練があったり、生前の力が強いと、死後魂を自分で操作できるようになる。魂というのはその生物の全て。経験、感覚、その全てだ。昔聞いた話によると、魂は透明で球体で一定の生物しか見ることができない。僕の力はそれなのか?僕は立ち上がった。まだまだ終われない。

「まだ立つのかな?いい加減諦めたらどうかな!」

ヘリオスは余裕があるのかしばらく攻撃してこなかった。僕は魂に触って見た。すると魂は僕の腕に引っ付いた。それだけだ。だが、少し力が出た気がする。まさか、僕の死神という力は魂を操る能力なのか?鎌で魂を触ってみた。すると魂は鎌に吸収された。鎌も魂の恩恵を受けるのかな?僕の能力が本当に魂を操ることなら、やってみたいことがある。

「ヘリオス。君は強いよ。長期戦でも勝てる気がしないよ。」

と言うと僕は鎌を思いっきり空に投げ捨てた。

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