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Todesgott  作者: 黒峰白亜
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Todesgott ich bekomme eine Sense

僕は何故こんな状況に陥ったのか?全部完璧だった筈だ。何1つとして無駄なことはしていない。何故だ?わからない。いや、僕が弱かっただけだ。僕が弱くて間抜けだったからだ。もっと強くて考えていればこんなことにはならなかった筈だ!もっと強く、もっともっと強ければこんなことにはならなかった!もっと強ければこんな雑魚共に裏切られてもこんな目に合うことはなかったのに!悔しい。僕が自分が弱いと思ったのはこれで初めてだ。何千年も生きていてこれが初めてだ。僕はあいつらを許さない!例え魂だけの体になったとしてもいつか復讐してやる!それまで消えてたまるか!


これは世界を2度も救った最強の神の物語。今からは彼の生後から今までの物語を描いたものである。


僕は死神。死神という名前ではない。死神という神だ。両親が冥界に関係のある神だった。両親は僕が生まれたすぐに死んだ。どうして死んだかはわからない。周りの神達に聞いても誰も「知らない」と言うだけだ。別に僕はそれで良かった。何故って?それは僕が両親のことを嫌いだからだよ。両親は僕に何も残さなかった。何も。家もない。武器もない。配下もいない。そんな両親を好きになれるか?じゃあ僕はどうやって暮らしているのか?それは神達に神界に引き取られたんだ。僕も神の一員だからそれぐらいのことはしてくれるさ。まあ、他の神達は偉そうにして彼らと暮らした日々は苦痛だったけどね。ただ、服は自由なのにしてくれた。紫色の鎖の模様が付いた長袖の服だ。ズボンはそれの長ズボン版と思ってくれ、僕はその服が好きで一生それを着た。


僕が神達に引き取られて1年ぐらいたったある日、僕と同い年の神達は天使達に呼び出された。僕達は修練場に呼び出された。見た目はとても古い。しかし、そこにある武器の種類は数え切れないほどだった。筋肉質でいかにも戦闘が得意そうな天使が5人ほどいた。その内の1人が発言した。

「貴方達は今から武器の訓練を受けてもらいます。剣、槍、弓、斧の4つの訓練を受けてもらいます。」

神たる者戦闘ができないといけないらしい。

「おい死神。お前は何ができる?なんもできねぇよなぁ?お前が俺らよりもできたことなんて1つもねぇよなぁ?お前本当に神かよ。無様な姿を見せたくなかったら、自分が神じゃないって言えばいいだけだぞ。」

と、笑いながら近くにいた金髪の少年、アポロンが小声で言った。(くそっ!確かに本当だけど、僕にあってないだけだ。いつか見返してやる!)

「そこ!言葉を謹んでください!」

と、天使の1人に注意された。

「すみませーん。でも死神から話しかけられただけですよ。」

アポロンがあたかも僕から話しかけられたかのように言う。

「はぁ!?何言ってんだよ!お前から話しかけてきただろ!」

もちろん、僕は反論する。まあ、無駄だけどね。

「静かにしなさい!死神、貴方は普段から生活態度が注意されている筈です。神としての礼儀をわきまえなさい。」

「...すみません。」

(くそっ。なんで僕だけいつもこうなんだよ。)


それから、剣、槍、弓、斧の訓練が始まった。アポロンは弓の才能があり、他の神達も剣などの才能があった。僕はなんの才能もなかった。

「死神。あなたはもう少し真面目にやりなさい。そうでないと、才能も見つけられません。」

天使の1人が1つの訓練が終わるたびにそう言った。最後に僕達は初めに集まったところに行った。

「今回の訓練で死神以外の方達は武器の才能があることがわかりました。今日はこれで解散しますが、死神は明日も今日と同じ時刻に来てください。」

やっぱりな。あいつ本当になんもできねぇよな。あいつ本当に神なのか?と数々の声が聞こえた。

「あいつが武器の才能が無いのはあいつが弱いからだよ。」

と、アポロンが僕を見下すように言った。周りのから笑い声が聞こえる。

「違う...。」

「ん?なんか言ったか?もっと大きな声で言えよ!」

と、またもアポロンが冷やかすように言った。

「僕は弱く無い!ここにある武器が僕に合わないだけだ!お前らの訓練の仕方が悪い!見とけよお前らなんかボコボコにしてやる!明日の訓練なんて受けない!僕は自分でやる!」

僕はそう言ってその場所から立ち去った。悔しさと笑い声が僕の後を追った。


その日から僕は神界中のありとあらゆる武器を探した。神界だけではなく、冥界にも行った。どこを探しても僕に合いそうな物は無かった。しかし、僕は冥界から帰る途中に奈落への入り口、つまりタルタロスの入り口に寄った。ここは冥界ではゴミ箱としても使われている。神にゴミを投げ込むことは普通は許されないが、冥界の物を特殊であるため下手に処理すると周囲に影響を及ぼすこともある。実際、それで魂が1万個ぐらい消滅した。僕はタルタロスであるものを見た。いかにも禍々しい物だ。長さは僕の身長よりも少し短く、色は紫色の物だ。初めて見る物だった。僕は近くにいた人型の使い魔に話しかけた。人型というが冥界の使い魔には様々な形があり、人型はその1つである。彼は執事服のような紺色の服を着て、肌が少し青白かった。

「あれは何だ?」

「ええとですね。あれは鎌という物です。冥界に入り込んだ生者の処刑用として使われていたのですが、あの鎌で殺してしまうと魂を取り込まれるということで、冥界としては魂がなくなるということはまずいので、それで処分しようとします。」

と、その使い魔は言った。

「つまり、武器として使えるということだな。僕にそれを寄越してくれ。」

その使い魔は戸惑ったように言った。

「正気ですか!?あれは魂を取り込む物ですよ!そんなの神達は許しません!」

「大丈夫、僕が許す。僕も神だ。そもそもの問題としてバレなければいい。」

「そういう問題ではありません。」

「とにかく僕は武器が必要なんだ。頼む貸してくれ。」

「そこまで言うのなら貸します。いえ、あなたにあげます。こちらもこのような物があっても面倒なので。」

と、渋々言った。

「本当か!?感謝するぞ!ってかお前結構詳しいけど、何者なんだ。」

「申し遅れました。私、冥王ハデス様の臣下のラフェエルという者です。」

死神は驚いた。その名前に聞き覚えがあった。(ラフェエルって確か冥界の戦力ランキングで確か五本指に入っていたような...。)

「とりあえずありがとな。大事にするよ。」

と、言って彼はそれを手に持った。

「言葉にはできないけど、なんかわかる。これは僕にぴったりの武器だ。絶対に使いこなしてみせる!」

「そうですか。では試しに私と手合わせをしてくれませんか?もし私に一撃でも与えれたのなら、その武器はあなたの物にしてもいいです。しかし、当てられなかったらその武器はここで処分します。」

死神は驚いた。強者と対戦をすることは自分にはまだ早いと思ったのとこれを当てても良いのか、の2つだ。

「これを当てたら魂が取られるんじゃないのか?」

「当てただけでは取られません。殺した時にだけ取ります。」

死神はその言葉を聞いて安心した。殺さなければ良いと。

「それではかかってきてください。」

死神が勢いよく突っ込んだ。が、もちろんその攻撃は当たらない。


かれこれ10分は経った。

「もうどうですか?これ以上やっても無駄ですよ。」

「うるさい!僕は諦め無い!僕はこれを持って帰るまで諦め無い!」

(なんでだ。なんで当たらないんだよ。いくら初めて使ったからってかすりはするだろ。)

ラフェエルは溜息をついた。

「武器にも感情があります。何も考えずに適当に振ってもいけません。」

死神はもう一度鎌を見た。お前は何だ。どういう武器だ?死神はそう問いかけた。もちろん返事は返ってこないが死神は何かを感じた。(よくわからないけど何かわかった気がする。こいつが僕にしてほしいことを。)

ラフェエルは死神の雰囲気が変わったことに気が付いた。(何かわかったのですか?しかし、攻撃は当たらないでしょう。)

死神は突然ラフェエルに話しかけた。

「次で終わらす。次で当ててやる。これで当てれなかったら僕は諦める。」

「そうですか。わかりました。全力で来てください!」

ラフェエルそう言って、死神の攻撃に構えた。が、彼は死神を見失った。(どこに行った?消えたのか?)その時、彼は殺気を感じた。死神の殺気だった。

「なっ!はやい!」

彼は逃げれないと確信した。

「いっけぇ!」

死神は叫びながら鎌を振るう。その一撃はまさに一瞬のできごとだ。ラフェエルはその攻撃を防ぐのに精一杯だった。そのため、かすり傷どころか、腕を斬られてしまった。

「なんて...ことだ。」

死神は焦ったように声をかけた。

「大丈夫か!?」

「大丈夫です。」

というと切り口から腕が生えた。

「は!?どういうこと!?」

死神は驚きを隠せなかった。

「冥界では揉め事が多く、殺し合いもよくあります。そのためにこういう回復系のスキルは身につけてあります。冥界ではかなり常識なスキルです。」

(うん。常識じゃない。冥界ヤバいところだな。)

「これから頑張ってください。あなたならきっと立派は神になれます。」

「本当にありがとう!僕は最強になるから!その時になったらまた勝負してくれ。次は本気で戦ってくれ!」

ラフェエルは喜ばしそうに頷いた。

「もちろんです。楽しみにしています。」

彼はそう言って去っていった。死神も神界に帰った。



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