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異世界コンビニ、ネコ耳おっさん繁盛記! ハードモードな異世界で、目指せっ! コンビニパワーで、皆でハッピーもふもふスローライフ?  作者: MITT
第二章「猫とコンビニが世界を救う……のか?」

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第十四話「イケメンと猫耳おっさんのうららかな午後」④

「……帝国は、曲がりなりにも人族を二分するほどの大勢力だから……経済制裁の効果も低いし、やりすぎると世界規模の経済的混乱すらも引き起こしかねない……そう言うことかな? それにトップがそんな調子だから、末端にまで染み付いた差別意識や選民思想が、根幹的原因となると……帝国としても、対処が難しい部分ではあるのか。……帝国の上層部ってのも、きっと苦労が絶えないんだろうな……」

 

「タカクラオーナー、さすがですね……ご理解いただけたようで何よりです。満点以上120点の回答ですね。そうですね……要するにどうあっても帝国を潰すことは出来ない。何よりあの国も、罪もない民衆が大半ですからね。民衆が大帝を選んだ訳ではない以上、彼らには何の責任もない……独裁国家と言うのはそう言うものです。それに帝国軍も、彼らは上の命令に忠実なだけです。いずれにせよ、我々にとっては大切なお得意様ですからね」


「だからって、やられっぱなしで、泣き寝入りしろってのは随分な話だよね……。命だけしか残らないって、そんなの商売人としては一からのやり直しみたいなもんだよ……。死んだ方がマシ……そう考える人だっているだろうさ」


「そうですか? 例え、商品を全部分捕られて、身ぐるみ剥がされても、命さえあればなんとでもなりますけど、戦って殺されちゃったら、丸損……どうしょうもないですからね。だからこそ、命以外の全てを捨ててでも、生き延びるために最善を尽くす……とにかく、我々も出来ることはその程度なんです。もちろん、生き延びれた者達へは、我々も手厚い保障をしておりますからね。再起の目は十分あります……もちろん、その者の才覚次第だとは思いますけどね」


 ……なかなか、厳しい現実と言えた。

 帝国と言う存在のせいで、獣人ってだけで無駄に苦労する……安住の地を奪われて、理不尽な暴力に晒される……時にはその命ですら、奪われる。


 パーラムさん達、ギルドも被害を受けた商人への補償やら、帝国への報復とかやる事はきっちりやってるのだけど……。

 

 ……つくづく、キリカさん達がどれだけ苦労してきたかってのがよく解る。

 僕も、全然他人事じゃない……僕自身や僕の従業員たちに、いつ何時、帝国の魔の手が及ぶか解ったもんじゃない……帝国の人々が悪い訳じゃないと、理屈ではわかるのだけど、そんな簡単には割り切れない。


「なるほどね……そこは、僕も大いに同意するところではある。けど……それにしても、帝国って何とかならないものかなぁ……やりたい放題じゃないか……まったく」


「帝国については、時期が来ればこんな辺境で、獣人に嫌がらせを続けているような場合ではなくなります。法国も今は少し混乱してるだけで、帝国が隙を見せている以上、またぞろ聖戦ジハードの始まりですよ。法国も法国で、帝国の首都が聖地だと言い張ってますからね。本来、未来永劫あの二大勢力は相争う宿命にあるんですよ。戦争も関係ない所でやってくれる分には、大量消費、大量需要の発生で、商売人としては実に美味しい話です。我々は武器、食料、資材……なんでも売りますし、お金もジャンジャン貸します。必要とあれば、傭兵ですら、それを望む陣営に派遣しますからね。戦争、戦争! 大いに結構な事じゃないですか!」


 そう言って、パーラムさんはにこやかに爽やかな笑みを浮かべると、バチコーンとウィンクをして見せる。


 けれど、その笑顔に僕自身は思わず、ゾクゾクと背筋が凍り付くような思いを新たにしていた。

 

 さすが、商人ギルド……それも支部とはいえ、ナンバーツーの大幹部としか言いようがなかった。

 この人……一見、爽やかでいい人そうなんだけど、その腹の中は多分、真っ黒けだ。

 

 それにしても、帝国の首都が法国の聖地って……二大国が絶対に相容れない関係なのが、もう馬鹿でも解る。


 そんなもん、未来永劫争い続けるしか無いじゃないか……。

 ホント、どっちもどっちのどうしょうもない構造なんだな……。

 

 で……二大国が勝手にド派手に争ってるのを、パーラムさん達、商人ギルドはどっちにもせっせと物や金を流し込んで、漁夫の利を得ると……どっかの銀河の英雄伝説の自治領みたいなもんだな。


 つまり、帝国に対してはそう言うシナリオがすでに出来上がっていて、現在進行系で水面下で様々な裏工作が動いている……そう言うことだった。


「戦争を商機とする……まさに、死の商人って奴ですよね。けど、商売人としては、その姿勢はこの上なく正しい。それは……僕も同意せざるを得ない。しかし、現実問題として、帝国軍はやる気満々で今も集結中って話も聞きますよ……。法国が動くまでの間に、こっちに攻め込んできたりとかしないよね? そんな大軍勢なんかが押し寄せてきたら、僕らなんて、ひとたまりもないよ?」


「ははは……タカクラオーナーは心配性なんですね。帝国の事なんて気にしないで、タカクラオーナーは商売に専念していればいいんですよ。我々も盛大に応援してますので、もう好きなように、派手にやっちゃってください! もし備えが必要なら、いざと言う時の逃げ足を鍛えるとか、逃げ隠れする算段でもしておいてください……その方が何かと役に立ちますよ。なぁに……我々もすでに、帝国の物資流通網に各方面から裏工作を仕掛けてますし、資本の大幅引き上げも秒読み段階ですからね。帝国軍もこんな所まで、攻め込んでくるような余裕なんて、すぐになくなりますよ……なにせ、軍勢を動かすのもお金が必要、世の中って奴はお金がないと何もできませんからね。この言葉の意味、お解りになりますよね?」


 パーラムさんの言葉の意味を考えてみる。


 実際、割と近くに帝国軍が集結中という話だけど、そんな大軍を動かすとなると膨大な物資が必要となる。

 その物資が突然高沸したり、輸送の遅延なんて受けた日には、大軍なんてあっという間に身動き取れなくなる……。


 物の流通には当然、商人ギルドが関わっているので、価格操作や自作自演の物資略奪や流通業者のサボタージュなんかも思いのままだろう……。


 なんと言っても、パーラムさんの言うように、軍隊を動かすにはお金がいるのだ……大帝がどれだけ不死身でチートだろうが、振ればお金の沸いてくる打ち出の小づちなんて持ってない。


 国のお金を管理してる奴に、これ以上はお金出せないよと言われたら、どんなに偉くてチート持ちだろうと、どうしょうもないのだ。


 もし、国を回すための予算を軍勢を動かすのに費やしてしまったら、それはもう自分の手足を食って飢えを凌ぐようなものだ……いや、それよりもっとタチが悪い……例えれば、自分の血を啜って、はらわたを食って生き延びるようなもんだな。


 外敵に攻め入られ、国家存亡の危機に陥って後がないとかならまだしも、国外の辺境にちょっかいを出すために、そこまでする奴がいたら、正真正銘のアホの国だ……そんな国、明日にでも亡ぶだろうさ。


 多分パーラムさん達の戦略は、絶妙なタイミングで、物資の価格と流通コストを引き上げるだの、帝国への借金のカタに、物資をまとめて差し押さえるとか、間接的ながら、非常に悪どいものになるのだろう。


 資本の引き上げって言うけど、要するにそれってそういう話……ギルドからの帝国への投資がごっそり途絶えて、国への借金も一切合切お断り、むしろ容赦ない強制回収、金が無きゃ物を片っ端から差し押さえる……一時的でも、そんなことをされたら、帝国の経済はドエライ事になる。


 なにより、それは間違いなく、帝国のお財布を直撃する。

 財布から、お金がなくなったら、帝国ももう大帝がどれだけ、喚き散らそうが、当分大人しくしてるしかない……たぶん、そう言う寸法なんだ。


 だから、帝国なんて気にするなと。


 ……うっわぁ、タチ悪過ぎるだろ……この人達。


 まさに、ワル! 外道商人軍団……実にあくどいんだけど、その辺の姿勢は、むしろ僕も見習うべきだった……。


「戦争ってのは、軍隊をぶつけ合うだけが戦争じゃない……お財布からお金をむしり取って、相手がご破算してしまえば、戦わずして勝ち……そう言う事ですか。ははっ……お見事すぎて、言葉も出ないな」


 呻くように僕がそう言うと、爽やかな笑みでパーラムさんも応える。

 僕の予想はどうやら、正解だったらしい。


 商人ギルド……つくづく、恐ろしい人達だった。

サブタイ改題。

それと内容の大幅加筆訂正です。

③部分が倍のボリュームになってしまったので、分割しました。

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