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異世界コンビニ、ネコ耳おっさん繁盛記! ハードモードな異世界で、目指せっ! コンビニパワーで、皆でハッピーもふもふスローライフ?  作者: MITT
最終章「全ての終わりの始まりに」

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最終話「朝陽の中へ」

 ……そして、朝がやってきた!


 目が覚めると、地面の上。

 今日も今日とて、パンイチ地べた寝落ち。

 

 まぁ、いつものことなんだがね!


 バルバトロスもいい感じに酔っ払って、セレイネース様がどっかに連れてったみたいで、割と早いうちに、女神様と魔神はお帰りになられた。


 まぁ、バルバトロスも当分、大人しくしているだろうってことだし、そこはあまり心配してない。

 ジャリテルム様も、今回は微妙な役所だったので、肝心なところでまるで役立たずだったと、セレイネース様に怒られまくって、しょげ返って、撫でられてご機嫌になってと忙しかったけど。

 今後は、真面目に神様やるとか言って、セレイネース様といっしょに何処かへと行ってしまった。


 まぁ、セレイネース様も気が向いたら、酒を飲みに来るとか言ってたので、今生の別れと言うよりも、酔っ払ったおじいちゃんを寝かせに行くとかそんなノリだったからなぁ……。


 そして、日付が変わる頃にはいつも通りレインちゃんを始めとしたお子様組がまっさきに寝落ちして、妊婦二人もそれぞれの保護者に頼んで家に帰らせて……。


 三人娘も女子会って事で、それぞれの部下達に引きずられるように宿舎に撤収。


 そんなこんなで、若い女子連中が居なくなったら、待ってましたとばかりの野郎どものパンイチ祭り開催っ!

 

 自衛隊や自由帝国騎士団の連中もノリノリで野郎だらけの大野球拳大会と飲み比べバトルが始まって……。


 かくして、一夜明けて死屍累々といった光景が広がっていた。


 ちなみに、サトルくんはパンイチ姿で酒瓶抱えて、同じくパンイチ姿の大倉と肩寄せあって寝てるとか大変、暑苦しい事になってるんだが、もう放っといた。


 なんか、二人して格闘技談義を熱く語りながら、ビールのガバガバ飲んでたけど……サトルくんもこのウワバミ相手によく付き合えたなぁって感心する。


 和歌子さん達、アダルト女子組も下着姿で一緒に地べたで寝てるんだけど、大人だから許してやってください。


 なお、リーシアさんもアダルト組に混ざるのかなって思ってたら、ランシアさんを引きずって、割と早々と撤収していった。

「明日も早いですから」とか言ってたけど、何をするのかは内緒って言われた……まぁ、心配しなくてもいいかな? 多分。


 アージュさんも果敢にもアダルト組に混ざって、最後まで居座る気満々だったみたいだけど……。

 僕との戦いでストレート負けを喫して、着物の帯引っ張って良いではないかーってやったら、グーで殴られて、プンスカしながらご寝所へお戻りあそばれた。

 あとで、酒持ってって、一杯やって添い寝でもしてあげないとだなぁ……。


 ちなみに、モンジローくんは昨日の決戦を絵にして後世に残すとか言って、隅っこの方で一心不乱で次々とまるでマシーンのように漫画を描き続けている。


 まぁ、僕も芸術家のお仕事を邪魔するほど、野暮じゃないしね!

 それに、実はモンジロー君下戸だった! どおりでコーラばっかり飲んでるなぁとは思ったよ。


「ケ、ケントゥリ殿! ううっ、またそんなカッコで地べたで寝ていたのか……それに、なんだこの殿方達の有り様はっ!」


 ……クロイエ様だった。

 クロイエ様は、あの時頑張ってゲート維持に全力を注いで、結局力尽きるまで頑張ってくれてたみたいなんだよなぁ……。


 あの決戦も、このコンビニ村からの潤沢な補給と予備兵力があったからこそ、皆も何の憂いなく戦い抜けたようなものだったからな。


 それに、自衛隊の人達もその気になればいつでも撤退出来るのと出来ないのとでは、士気が格段に違うし、戦闘中に武器弾薬が有り余るほどデリバリーされて、予備兵力がわんさか湧いてくるとかそんな贅沢な実戦、アメリカ軍でも真似できないって事で、間違いなくこの転移ゲートが勝因の1つだって断言してた。


 それに、あの時……皆が援軍に駆けつけてくれたのだって、転移ゲートあっての事で、何よりもっ!

 ……今回あれだけの規模の戦いだったのに、死者はなんとゼロ!


 もちろん、あちこちで乱戦になってたおかげで、怪我人は山程出たんだけど、迅速な回復魔法での前線治療や、速やかなる後方移送の上での治療でいずれも重傷止まり。


 間違いなく、今回のMVPはクロイエ様だと思う。


 まぁ、ゲート自体は力尽きたクロイエ様の代役としてゲート維持係を引き受けてくれた魔術巧者のアンナさん親衛隊の子達や魔術師団の人達が頑張ってくれて、最後まで持たせてくれたんだけどね。


「ああ、クロイエ様……おはようっ! いつも通り、朝が早いね! それと……ただいまっ! これを言い忘れていたね」


 そう言って、両手を広げるとクロイエ様も辺りをキョロキョロと見渡して、目をつぶりながら僕の胸に飛び込んでくる!


 こんなときも、周りを気にするとからしいっちゃらしいなぁ……。


「ケントリ殿……いや! ケ、ケンタロウ! おかえりっ! 私は……私はぁああ……っ!」


 そのまま、胸の中で泣きじゃくるクロイエ様。

 まぁ、彼女なりにこれまでずっと張り詰めて、頑張ってたんだろうからなぁ……。


 よしよしと頭を撫でてから、ぎゅっと抱きしめる。

 未来の旦那様なんだから、これくらい構わんだろ?


「ああ、心配かけてごめんね。見ての通り、戦いは終わったんだ。魔神ロアも恐らく数百年はちょっかい出せなくなっただろうって話だからね。もっとも、僕らの仕事はむしろこれから……まったく、嫌になっちゃうね」


「た、確かにそうだな。うむ、思わず甘えてしまったが、我々の戦いはむしろこれからであるからなぁ……。また夜遅くまで眠気と戦う日々がやってくるのか……」


 徹夜と言わないのは、クロイエ様は夜更かしの出来ない子だから、しょうがない。

 どんなに頑張っても、日付を跨ぐまで起きていられた例はない。


 まぁ、戦争で最前線張ってるような連中は戦いが終われば、仕事は終わりなんだけど。


 僕は、宰相閣下でクロイエ様は女王様。

 むしろ、こっから戦後処理という名の本戦が始まると言っても過言じゃない。

 

 あれから日本側がどうなったのかとか、帝国との話し合いもあるし、この戦いで消費した物資の補充やいくらかかったかの精算業務もありありだ。

 自衛隊の助っ人連中も日本にお返ししないといけないし……。


 兵隊達はともかく、あの100隻くらいいる軍艦はどうするんだよ……。

 ちなみに、無人艦とは言え100隻も抜けたら、困りそうなものなんだけど……転移して来たのは、全無人艦隊の半分くらいで、公表してないだけですでに日本近海には無人艦が300隻くらいいるらしい。

 

 そりゃ、中露だって発狂もするし、アメリカとの関係も怪しくなるわなぁ……。


 まぁ、考えれば考えると仕事てんこ盛り……。

 もっとも、全てが片付いたら、日本で豪華客船でのバカンス接待旅行に招待してくれるって、鹿島さんも言ってたし……。


 頑張ったあとに、楽しみがあると思えば、少しは気楽になるし、考えてみれば、鹿島さん達の方がよほど前途多難な気がする。


 早めにこっちの仕事も片付けないといけないなぁ……。


「ああそうだ! ケンタロウ! じ、実を言うと今日は、私が朝食を用意したのだ! まぁ、私一人ではなく他の妻達も手伝ってくれたのだがな」


 なるほど、要するに皆で、朝ご飯作って、代表としてクロイエ様が僕を起こしに来たんだな。


 ちなみに、クロイエ様が料理できるなんて話は、一切聞かないし、厨房に入っているところなんて見たこと無い。

 まぁ、クロイエ様の立場を考えると、それがむしろ当たり前なんだが……。

 考えてみたら、他の嫁さんたちも……なんか、一人としてまともな料理作ってるの見たこと無いような……。


 これ……本当に大丈夫なんだろうか?

 けど、サントスさんとクロイエ様と言う珍しい取り合わせで内緒話してるのとか見たことあるし……。

 クロイエ様も前々から料理の練習とかしてたのかも?


 ああ、僕は陛下を信じるねっ!

 もうねっ! 100%美味いに決まってるんだよ!


 なにせ、愛情ってのは最高の調味料だからね! たとえ食って死んだとしても、僕としては本望だ!


「そっか、そっか! 確かにもう朝だもんな! うん! お腹ペコペコだったんだ! しかも、嫁さん連中総掛かりの愛情山盛り朝ご飯か! うん! 意地でも全部食べるから、早く行こうっ!」


 そう言って朝日に向かって走り出す。


「あ、待て! せ、せめて……手を繋いでくれないか?」


 そう言って小さな手を差し出される。


 なんだろね? この可愛い生き物は!

 なら、そう言うことで……!


 ガバっと抱きしめて、お姫様抱っこ!


「あ、こら! そこまでしろなんて、言ってないぞ!」


「なら、下ろそうか?」


「いや、このままが……いいっ!」


 その言葉に応えるように、おでこにチュッ!

 クロイエ様……真っ赤になって顔を隠して、もうテレテレッ!

 

 最高の……リアクションいただきました! ごちそうさま! 


 そして、我が家……コンビニへと足を向ける。


 すでに、待ち切れないと言った様子で皆が外で待っていたのだけど。

 一番前に居たテンチョーが走り出すと、皆もこぞって駆け寄ってくる!


 そして、僕も軽く手を振り返す。


 朝日の中へゆっくりと。

 大切なものを取りこぼさないように……歩みだす。


 穏やかな日常の……始まりだった。

ようやっと終わりました。

最終話のサブタイは解る人には解れ!

そんなところです。


それにしても、長い作品でした。

6年前もエンディングへ至る道を描きながらも、どうやってそこに持っていくか、

苦悩しているうちに別の作品に逃げてとかやっているうちに、ますます作品から心が離れて……。


おかげで、事実上エター状態でしたが。

せめて、終わりまで持って行くの一心で色々取りこぼしながらも、無理くり終わらせました。


正直、満足の行く出来ではないですし、あまりに長期間離れていたので、

設定やらも矛盾だらけになってると思いますが。


それでも、エターよりはマシ。

だいぶ、だいぶマシなんじゃないでしょうか?


そんな訳で、この作品にもピリオドを打ちます。

よろしかったら、他の作品も読んでください。

どれも長いし、面白さは保証付き!!(笑)


それでは、御機嫌よう!

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