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異世界コンビニ、ネコ耳おっさん繁盛記! ハードモードな異世界で、目指せっ! コンビニパワーで、皆でハッピーもふもふスローライフ?  作者: MITT
最終章「全ての終わりの始まりに」

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第四十七話「決戦! 魔神ロア」④

 けど、現実問題として……この数……さすがにちょっと厳しいかな?


「……甘いわ! 数を揃えればなんとかなると思ったか! この阿呆共が! まとめて凍りつけっ!」


 聞き覚えのある声とともに、前衛の戦士たちが一気に凍り付いて、氷の壁と化した!


 そして、シュタっと目の前に降り立ったのは、青い髪のロリエルフ!


「アージュさん!」


「どうやら、間に合ったようじゃな……。まぁ、細かい事情は後で良いな? ゼロワンよ! 隠蔽解除! ランシア……後ろの魔術師共の始末は任せたぞ!」


「はいっ! 総員一斉狙撃! 目標、後方の魔術師! 射程はこっちが上! 魔法なんて撃たせるなっ! ここは念を入れて弾種は雷撃弾を使う! 撃てーっ!」


 やっぱり、聞き慣れた声と共に頭の上で銃声が重なり、遥か後方に居て魔法陣を囲んでいた魔術師達がバタバタ頭や胸を撃ち抜かれて、倒れていく。


 見上げると、日本で見た「SHINOBI X4」と同型のおばけドローンのカーゴからランシアさんと、エルフ隊の面々がデカい対物ライフルを抱えて、次々と撃ちまくっている様子が見える。


 どうも弾頭に魔法を封入するとか器用なことやってるようで、致命傷にならなかった奴も強烈な電撃に晒されて、消し炭みたいになってあっさり死んでる。


 そういや、エルフってエンチャント系の魔術が得意なんだよなぁ……。

 銃火器戦闘の研究にも熱心だったみたいだから、魔術と銃火器の融合……みたいなこともやってたんだな。


 津波のように押し寄せようとしていた再生怪人軍団も、先頭がまとめて凍りついて足が止まった所を機体に装備されたミニガンで薙ぎ払われていく。


 話の流れからすると、どうもあの機体もゼロワンっぽい……どうやら、機体を乗り換えたらしい。


 なんで解るのかって……機体の横に「零壱」とか描いてあるんだもんなぁ……。


 ちなみに、空飛ぶヒトデの方にも全く同じのが描いてあったから、多分あのマーキングがゼロワンのアイデンティティなんだろう。


 まったく、自分の体同然の機体をお着替え感覚で乗り換え可能とか、さすがAIって感じだよなぁ……。


 そうやって、死屍累々みたいになったところで、その上空に、やはり突然現れた同じ「SHINOBI X4」から、黒い迷彩服を着たゴツい犬耳軍団と少し小柄のやっぱり犬耳さんが、ロープ片手に躊躇いなくノンパラダイブ!


「うちらも行くでーっ! ラドクリフ! うちが先陣切るでー! 援護は任せた!」


 そして、再生怪人軍団のど真ん中に一斉に飛び降りると容赦なく大口径拳銃を乱射し、各々手にした金棒やら大剣やらを振り回して、あっという間に蹴散らしていく!


「キリカ! この敵の第一陣を蹴散らしたら、俺達も一度下がってオーナーの直掩に回るぞ! 深追いは無用だ! 野郎ども……死んでもキリカを守り抜けっ! 傷一つも付けさせるなよ! これは命令だっ!」


「まかせろ兄貴ィッ! キリカのアネサン! 俺等が盾になりますから、ここは安全第一でお願いします!」


「早く若旦那のところにいってあげてください! あっし等が花道を切り開きますぜっ!」


「あははっ! うちまるでお姫様みたいやなぁ! でも、うちも最近、運動不足なんや! お前らこそ、遅れるなっちゅーの!」


 まぁ……僕の奥さんって時点で、姫様ってのは間違ってないかな。

 鎧袖一触って感じで、ラドクリフさん達もあっさり再生怪人軍団を蹴散らし、軽くど真ん中を強行突破すると、犬耳軍団が一斉に跪いて道を作るとその真ん中をゆっくりとキリカさんがやってくる。


 得意そうに親指を立てるので、僕も親指を立てて、グッジョブの意を示す。


「ランシア、キリカ……! ラドクリフさんまで……皆、来てくれたんだ!」


 キリカもランシアも身重なんだから、大人しくしてろって言ったんだけどなぁ……。

 でもまぁ、二人はエルフとウォルフ族の事実上の長って感じだから、誰も止められなかったんだろうな。


「ふふん、お主が皆に戦力を集めるように命じたのではないか。しかし、セレイネース様も策士よのぉ……敢えて、ロアの封印を解くことで、その余波を使って、異世界と繋ぐ巨大ゲートを構築し帝城を引き寄せた。要はここで後の世の憂いを断つ……そう言うつもりだったのだな。しかも、バルバトロスなどと言う大物まで釣り上げるとはな……」


「ああ、やっぱりこの封印の地に転移したのって、偶然じゃなかったんだ。それに、あの黒い爺さんって、そんな有名なのかい?」


「ああ、有名であるぞ。遥か古代の女神と魔神達との戦いでも、幾度となくその名が出てくる。戦神とも荒ぶる魔神とも言われ、間違いなく最強の魔神の一角であるな。ラーテルムあたりなんぞ、戦場で目が合った瞬間回れ右した……そんな逸話があるほどじゃが、魔神の割には正々堂々たる武人そのものと言った調子で、単純に戦を好んでいるだけ……そんな風にも言い伝えられているな」


 ラーテルムが逃げ出したってのはなんか納得。

 おかげで、いまいち凄いんだか、凄くないんだか解んないな。

 

 けど、セレイネース様の完全体でも抑え込めるようなヤツ……となると、やっぱ半端ねぇよな。


 もっとも、本人の弁だとロアが負けたら、第二ラウンドと言うこともなく、さっさと帰るらしいんで、本当に単なるバランス調整役としてきた……そんな感じのようだった。


 別にそんな要らないバランス調整とか要らんと思うんだがな……。

 魔神ってのも、つくづくよくわかんねーな。


「しっかし、再生怪人軍団? 僕が知ってるのなんて、大帝とレベル5、モブ雑魚化してるレベル4軍団くらいで、後は全然知らないメンツばっかりなんだけどさ。確かに結構強そうなのが揃ってるな……」


 アージュさんと、ランシア&キリカの奇襲でその数を大きく減らしたものの……生き残ってるのは割と思考力もちゃんとしてるようで、やられたのは有象無象の雑魚モブみたいな奴らばかりのようだった。


 ちなみに、大帝と愉快な仲間たちは、割と慎重だったようで、先陣切ってくるわけでもなく、やっぱり死屍累々になってる魔術師軍団の更に後ろにレベル4で壁を作って大人しくしてる。


 そして、再生怪人軍団もあっさり全滅とはいかず、何人かは氷漬けになりながらも、氷を破壊して、僕らの正面に対峙している。

 

 どっかで見た覚えのある杖を持ったヒョロガリと、火の玉をお手玉みたいにしてるピエロみたいなカッコのデブ、2mくらいあるような大剣を背負ったいかにもって感じの重剣士。


 この辺は多分別格だな……なかなかキツそうだ。


「『重力使い』イングヴェットに『獄炎』パグロノフ、『断山の豪剣使い』ドストロイまで……なんとも懐かしいメンツであるなぁ……。どいつもこいつも碌でもない奴らだったが、皆……ロアの眷属だったのか」


 うん、知らない名前だな。

 でも、イングヴェットってのは知ってるな……ラトリエちゃんの持ってる怪しい重力魔法ステッキの前の持ち主だったかな?


「そいつら……確か、アージュ様が昔、倒したって連中なんですよね? もしかして、因縁の戦いって奴でしょうか? と言うか、イングヴェットってこのエクスターナの前の持ち主ですよね! 今更返せとか言われても絶対に返しませんからね!」


 更に後ろから声がかかる。

 このキンキン声は……ラトリエちゃんだな?


「……まったく、このまま出番なしかと思ったわよ。けど、魔神の軍勢との総力戦か……面白い! 存分に暴れるわよ!」


 相変わらず、血の気の多いリスティスちゃん。


「だぁから言ったじゃない。まぁ、美味しいとこに間に合ったって事でいいじゃないの! さぁって、腕がなるわねぇ……」


 いつもどおりの作業服をはだけて、タンクトップ姿の和歌子さん。


「ええ、和歌子様のおっしゃるとおりでしたね。セルマ、アンタもさっさと宝具解放しなさい……さすがに、これを生身で戦うのはちょっとキツいと思うわ」


 そう言って、リスティスちゃんも宝具解放。

 青緑の甲冑を身にまとい、例のメチャクチャ切れる剣をスラッと抜き放つ。


 なんか、魔力が前よりパワーアップしてるし……。


 ちなみに、和歌子さんはいつもどおりの作業服。

 武器なんか持ってないけど、この人素手でも普通に化け物だからなぁ……。


「わ、わたしはお留守番でも良かったんですがぁ……。あ、ウソウソ! 旦那様……セルマ以下三名及び親衛隊100名、自由帝国騎士団500名と共に……旦那様の助勢として推参しましたぁ! 他にもウルスラ隊やミューゼ隊、サフラン隊も増援として駆けつける手はずですし、本国の近衛騎士団も援軍として待機してます!」


 セルマちゃんがビシッと敬礼しつつ、得意そうに答える。


 元帝国兵軍団って、そんなに人数いたっけ?

 これ、間違いなく……戦って捕虜にした連中とか、食い詰めた奴らも引き込んでたな。


 僕が知ってる限り、当初の人数は確か300人くらいだったはずで、予算請求額も変わってなかったんだが……。

 こっそり、人数集めて足りない分は自前でなんとかしてたとか、そんな感じだったんだろうな。

 けど、許す! この状況で銃火器装備の600人もの援軍はありがたい!


「あ、こら! 何、自分が筆頭……みたいな感じで……!」


「そ、そうですわーっ! その役……本来ならこの私がっ!」


「いーえっ! 貴族としての序列ならこの私が最高位なんでーす! シャッテルンの威光……大いに使わせてもらいまーす!」


「セ、セルマ……アンタ、自分で言ってて恥ずかしくない? ここで家の序列を出すなんて……正直、呆れたわ」


「まぁ、いいんですけどね。あ、タカクラ閣下……いえ、旦那様! 約束通り、助太刀に参りましたわ! いよいよ、最終決戦! 敵も味方も総動員の総力戦! さぁ、どうかご命令を!」


 なんだか、一気に騒々しくなったなぁ……。

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