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異世界コンビニ、ネコ耳おっさん繁盛記! ハードモードな異世界で、目指せっ! コンビニパワーで、皆でハッピーもふもふスローライフ?  作者: MITT
最終章「全ての終わりの始まりに」

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第四十五話「レベル5」⑥

「や、やめてっ! カズマイヤー様は我々の希望……我々の王……我々の全てなのです……だから……おねがいだから……あの方だけは……」


 リーシアさんが、殺っちゃう宣言した以上は、もう無理だってのに……。

 と言うか、いい加減、黙らないかなぁ……コイツ。


 悲壮感たっぷりで、死にゆくヒロインムーブみたいなことしてるけど、ぶっちゃけどうでもいい。


 だって、コイツ……人間の顔をお面にみたいに張り付けただけのただの装甲スライムなんだぜ?


 そんなのに、感情移入できるなんてのは、相当な変人……そう言わざるを得ない。

 もう、僕は見猿聞か猿言わ猿でぇ、処刑シーンを見守るだけです。


「駄目ですよぉ。そんなワガママ言ってちゃあ……。私だって、ケンタロウ様が亡くなったら、迷わず後を追うつもりですからね。それに、もしも自分が先に病に倒れたりとかしたら、ケンタロウ様は必ず道連れになってくれますからね! ええ、死せる時をも共にする……それこそが真の愛なのですっ! 大好きな方とあの世まで一緒に行って、永遠に結ばれる……良いじゃないですか……羨ましいほどですぅ。お約束します! 必ず大帝様も確実にあの世にお送りさせていただきます! あ、でもスライムも死んだら、あの世に行けるんですかね? そこら辺、どうなんでしょう……さすがに私もそこはなんとも言えません……ごめんなさい」


 うん、何が怖いって、リーシアさんは純粋な善意で言ってるって事だな。

 ヤンデレ理論では、大好きな人を殺ってしまっても、後を追えばあの世でご一緒、オールオッケーハッピーエンド。


 それが他人事なら、是が否にでも後を追わせないといけない……そう言うことなんだろうなぁ……。


 あと、リーシアさんが死にそうになったら、僕もリーシアさんの道連れとして死ぬ……そんなの初耳だけど。

 もしも、道連れになるのを断ったら、きっと笑顔でキュッと殺られるんだろうな……。

 

 とにかく、発想がヤバいね……僕は道連れノーサンキューですっ!

 むしろ、絶対に僕より長生きしてください! 切にっ! 切にっ! お願いしますっ!


「あ……う……そ、そん……な……それ……だけ……は……」


「ご安心を……大帝様もきっちり鋼草の養分にして貴女の隣に生やしておきますから……ねっ! あら……あらあらあら……もしかして……もう全部吸い尽くしてしまいましたかねぇ……。あの……ケンタロウ様、ごめんなさい……ついうっかり、加減を間違えたみたいでして……」


 うん、ご安心を……のあたりで、レベル5も力尽きてたっぽかった。


 散々いたぶって、きっちり希望を残さず打ち砕いて、存分に絶望を与えてあの世へ送る……結構な外道っぷりだけど、多分リーシアさんには悪気なんてこれっぽっちもない。

 むしろ、今のリーシアさんは、こうなったら一刻も早く大帝を殺るのが義務であり、手向けとなる……それ位には思ってるんだろうな。

 

 リーシアさんは、スライム共の天敵って思ってたけど、予想以上の天敵っぷりだった。

 なんせ、この帝城ももはや鈍色の魔界の植物……鋼草がニョキニョキと林立する巨大植木鉢の如しって感じだろうからな。

 下から見ても、空も見えないくらいの勢いで生い茂ってるし……。


 なんか、あっちこっちからビキビキ音が聞こえてるし、下の方とかもボロボロと割れ始めてるんじゃないかなぁ……。

 多分、魔界植物に侵食されて、食らい尽くされつつある天空の城……みたいになってるぞ、これ。


 この結果には、今も周囲で監視してる自衛隊の皆さんや日本の政府関係者各位……。

 いや、情報全公開の方針に則りTVで生中継するとか言ってたから、日本全国津々浦々絶賛放映中……そして衛星やら超高高度偵察機で見守ってる世界中の軍関係者等など……。

 

 もう、誰もが唖然って感じだろうな。


 まぁ、どのみち僕らはあっちの世界に帰るから、後のことなんて知ったこっちゃないよ。

 そこまで責任なんて取れんし、そこら辺は鹿島さんからも事前に言質もらってるからいいんだよ。


 この戦いは異世界の化け物同士がやりあって、化け物が化け物を制圧して去っていった。


 そう言うことで、いいんだよ。

 関東平野が核の炎に包まれるとかより、なんぼかマシだっての。


 もしかしたら、鋼草のヤバさに気づいた各国が種の争奪戦とか始めるかも知れないけど。

 元凶が異世界に帰っちまったら、どうすることも出来まい。

 

 考えてみれば、あの時の戦いだって、リーシアさん連れて行ってれば、リーシアさん無双で身も蓋もなく終わってただろうな。


 いや、ホントこれは酷い……様式美もお約束もへったくれもない!

 もっとも真っ当に正面から戦いを挑んで、勝てたかと言うとそこは結構微妙だ……それくらいにはヤバい奴だった。


 さすがのリーシアさんも単独ではレベル5の相手はキツかったって、本人も言ってるくらいだったんだけど……。


 ノーマークのテンチョーの白炎……やっぱり、あれが切り札になったな。

 アイツ自身が驚いてたように、あの鎧を破壊できずとも表皮を溶かしたって時点で、向こうの予想を上回ってたんだ。

 

 あのタイミングで迷わず全力全開のフルファイヤーってやってくれたのは、まさに大殊勲ッ! 勝利の鍵ってヤツだろ。

 

 今も腕の中でぐったりしてるテンチョーの顎を撫でると、一応意識はあるようで、目は閉じてるんだけど、もっとーとばかりに顎を上げている……まぁ、元気そうで何よりだ。

 

 ……テンチョーよく頑張った!


 しっかし、レベル4もこんなにいたんだ……100体どころかもっといたな。


 でもまぁ、動かないのを良いことにまとめて一網打尽とは……。

 自由に動けてれば、装甲を捨てるなり、鋼草を無理やり引き抜いたりで多少は生き残りが出たかも知れなかったんだけど。


 レベル5が全員動かず、最後まで見届けろ……とか、余計な上位命令出しちゃってたんだろうな。

 

 まぁ、こっちの心を折るための演出として、レベル4を並べて見せて見せ金に使ったつもり……だったんだろうなぁ……。

 

 おまけに、この分だと残存最強兵力をまとめて全部打って出してきたって感じだよなぁ……。

 レベル4のカーボン装甲も随分な代物だったし、戦力の集中投入って発想も悪くはない。


 でも、カーボン装甲も圧倒的な数も、リーシアさん相手ではクソの役にも立ってなかった。

 

 まぁ、あれだけの砲爆撃に耐えきって、レーザー照射も物ともしないって時点で、十分大したもんなんだが……実際、鋼草って人体からでも生やせるような魔界植物だし、分厚い鉄板の上に種を撒いても鉄板ぶち抜いて地面に根を張るくらいだからなぁ……。


 要は、これ……どっちの作品が強いかって言う、リーシアさんと大帝の勝負でもあったんだよな。

 

 スライムと鋼草……むしろ、相性悪すぎて勝負になってなかったな……これ。

 レベル5は割と健闘したほうだと思うな……コイツが量産されてたら、さすが危うかっただろうけど。

 

 最強ハイエンド一体だけじゃ、戦局にはまるで影響しなかった……悲しいけど、これ戦争なのよね。


 大倉もようやっと気がついたみたいで、上体起こしてるんだけど、自分の体から魔界植物がニョロニョロと生えてるのを見て、あわわわ……みたいな顔してる。

 でも、自分の意志でクイクイ動くことにも気づいたようで、こっち見て変な笑みを浮かべてる……ごめん、それ先に説明しとくべきだった。


 なにせ、その種も胞子サイズ……限りなく粉みたいなもんだから、空中散布なんてしたら、ドエライ範囲にばら撒かれる。

 

 幸い種自体は、リーシアさんの発芽コマンドを刻んだ魔力ラインを接続しない限り一日もしないであっさり死滅するし、発芽後は自動的にリーシアさんの制御下に落ちるから安全性は完璧で、兵器として見れば凶悪そのものなんだけど、万が一制御が効かなくなったら、マジで国一つくらい軽く滅びる去るだろう……。


 この戦いが終わったら、鋼草は封印するように言っとこう! ヤバすぎるだろ……こんなの。


 いずれにせよ……これはもう大帝の戦略ミスだな。

 確かに、ここで最強レベル5とレベル4の大群とか、リーシアさんが居なかったら、僕らも全滅必至だっただろう。


 けれど、レベル5は敗れ去って、レベル4もあっさりと全滅した。

 要するに、大帝の手札は尽き、早々と万策尽きてしまった。


 初手最強カードってのは、確かに悪くないんだけど。

 逆をいうと、初手で最強のコマが落とされたら、その時点で勝負ありとなってしまうんだ。

 

 なんせ、その時点で他に軍勢とか四天王だのがいても、最強が緒戦であっさり死んだら、そいつらもまとめてボッキリ心折れるだろうし、その時点でもう総崩れで勝負ありだ。

 

 この辺は、最強の王様……なんかでも一緒だな。

 最強の王様がまっさきに討ち死にしてしまったら、そんなのその時点で勝負あり。


 切り札は最後の最後まで取っておく……勝負の鉄則なんだがね。

 なんかもう、浅はかって言葉がぴったりだし、哀れすぎて言葉もないよ。


「……あ、ケンタロウ様! たった今、大帝を拘束しましたよぉ! 後はゆっくり、この穴から最深部に乗り込んで、旦那様の好きなようにしてくださいね! 大倉様も寝てる場合じゃありませんよぉ! 早く起きて、旦那様の前に立ってください!」


 ……言ってる矢先から、大帝様終了のお知らせ。

 地面からズリズリとクソ長く伸びた鋼草が抜けていって、スポーンとひときわ大空高くそびえ立つと、そこにはぽっかりと大穴が開いていた。


 ここを滑り台みたいにスィーっと通ってけば、ラスボスルーム直行で、そこにはすでに大帝様がチーンと吊るされてると。


 あとは煮るなり焼くなり好きにして……まさに上げ膳据え膳、接待ハンティングッ!

 結局、リーシアさん無双か……予想はしてたけど、ハマり過ぎだろ!

 

 かくして、決戦は最終局面へと向かう……。

 もう終わってる気もするけど、どんでん返しだってあり得るんだ!


 あり得るんだけど……多分、大帝もレベル5同様、死なないギリギリまでエナジードレインされてて、すでに瀕死なんだろうな。

 いや! まだフランネルって厄ネタも残ってるし、ロアの脅威の可能性だってあるし!


 そうっ! まだ終わってないんだ! 油断するんじゃねぇぞ! オラァッ!


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