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異世界コンビニ、ネコ耳おっさん繁盛記! ハードモードな異世界で、目指せっ! コンビニパワーで、皆でハッピーもふもふスローライフ?  作者: MITT
最終章「全ての終わりの始まりに」

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第六十八話「古き良き友」③

「ちょっ……待ちなさいっ! あーその……レインちゃん! この人は悪い帝国人じゃない……良い帝国人なんだ。帝国にも良いやつと悪いやつがいる。悪いやつは、こいつみたいな良い帝国人達ががんばってるから、順調にいなくなってるんだ。だから、帝国人だからって、問答無用で、喧嘩売らないのっ!」


 やっぱ、この子……アホの子だと思うんだ。

 なので、アホの子にも解るように説明する……とっても疲れるんだがね!


「むぅ、良い帝国人なんているので? 死んだ帝国人だけが、良い帝国人なのではないのです?」


 なんだか、能面みたいな顔で淡々と返すレインちゃん。


 なんだっけ?

「良いインディアンは死んでいるインディアンだけだ」だっけかな。


 大倉が困った顔してる……駄目だ、この子相変わらず、ぽんこつだ。

 と言うか、帝国というキーワードで変なスイッチが入ったんじゃないかって気もするけど。

 正気に返すのぶっちゃけ面倒くさいっ!

 

「サトルくん、君のほうがまだマシそうだ。ちょっと何とか言ってやってくれ」


「なんとかですか? まぁ、酒が飲める帝国人は良いやつなんじゃないですかね! って、よく見りゃアンタ……ビール、ピッチャーで飲んでるのか! しょ、正気かよっ!」


 なお、サトルくんはビール二杯で轟沈するような下戸ではあるのだ。

 でも、酒は大好き……。

 

 でもまぁ、確かにピッチャーで酒はあんまり飲まないな。


「ああ、コイツは大食らいな上に、飲むとなるといつもウワバミみたいにガバガバ飲むんだ……高級酒なんてもったいなくて出せない。ビールピッチャーで飲ませときゃ、それで満足するようなやつだからな……平常運転ってやつだな」


「はははっ、酒が飲めるだけでいいヤツ認定してくれるのかい? なら、サトルくんとやら、乾杯! ここは一気とでも行くか!」


 まぁ、死なないとイイ奴認定しないと言外に告げていたレインちゃんよりは、大分マシだわな。


「いいだろうっ! この本庄サトルが貴様の善悪を試してやるぜーっ! いえーいっ! かんぱーいっ!」


 威勢よくそう言って抱えてたビール瓶をピッチャーにぶつけると、グイッとラッパ飲み……と思ったら、唐突にビクッとすると、青い顔して半分も飲まないうちにストップ。


 どうやら、限界突破したらしい……。

 

 対して、大倉はピッチャーになみなみと注がれたビールをゴキュゴキュと飲み干していく。

 さすがにいつ見ても豪快すぎる……こいつ若い頃から全然変わってないよ!

 

「くぅーっ! やっぱ、ビールは赤ラベルに限るねぇ! 地産のエールもわるかないが、やっぱキンキンに冷えたコイツはさいこーっ! 先輩、ゴチになりまーす! いやぁ、コレたらふく飲ませてもらっただけでも、遠路はるばるここに来た甲斐があったってもんですよ……。まったく、帝国でも気軽にコイツ飲めるようになれば、もっと最高なんだがなぁ……」


「そうだなぁ。……手土産に山盛りもたせてやるし、帝国にも少しくらいビールとか流せるように、日本側とも調整してみるよ」


「おお、そりゃ嬉しいね。赤ラベルは世界を救う……なんてな! ははっ!」


 そんな僕たちの様子をサトルくんは、眩しいものでも見るかのように、見つめるとフッと微笑む。


「レイン認めよう。この方はとても良い人だ……。悪しき者に赤ラベルの良さなんて解るはずがないからな……。とにかく、ちゃんと話を聞くんだよ! た、高倉さん、ちょっと僕……失礼しまーすっ!」


 青い顔しながらもキリッとイケメンフェイスになると、唐突にダッシュするサトルくん。

 まぁ、トイレか道端の排水溝あたりでリバースかな……無茶しやがって……。

 

「……解りました。サトル様が認めたなら、私も認めざるを得ないですね。それで……何の話でしたっけ?」


「君等がばら撒いた生物兵器だよ。それって誰かに改良依頼とかした?」


「さぁ……? ちなみに、戦果がどれくらいだったかと言うと、無差別に国中のあちこちに毒エサ撒いたら、オルメキアからスライムがあっという間に居なくなりましたね。当時はスライムちゃーん、超カワユスなんて言ってたお花畑な人がいっぱいいたんですが、目の前で毒にやられて、目玉ポーンとかなって、もうあっちこっちでお通夜みたいになりましたけどね。私達にとっては汚物を消毒した程度で、超スカッとしました!」


 うわぁ……やってる事は、動物の無差別虐殺とかと変わんないだろ。

 

 ペット扱いってことは子供のペットとかもいただろうに……てか、目玉ポーンってそんな死に方するのかよ!

 ……絶対トラウマになってるだろうな。

 

「ふむ、そうなるとサルイーンと言う賢者の名に心当たりは?」


「誰です? そいつ……如何にも悪そうな名前ですね。なんなら、我々が神の名において、討伐しましょう! と言ってもシュバイク派はイザリオ達に解散させられたんで、私の手足となる部下なんていないんで、親衛隊の子達でも借りることになると思いますけど」


 ……この子、割と親衛隊の子達と仲良くしてるから、こんな事言ってるんだけど。

 基本的に、親衛隊の子達はお飾りだから、貸すつもりなんて一切ないし、レインちゃんが出るまでもない。

 と言うか、頼むから君は大人しくしてて……。


「ああ、それには及ばないよ。すでにサルイーンは帝国の治安局が逮捕、拘束済みなんだ……。どうも、そいつが何者かに依頼されて、君等の対スライム生物兵器を強化、大量生産したみたいでね。うっかりそれが外部に漏れたせいで、帝国のスライムがほぼ全滅したんだよ。なんと言うか、とんでもない威力だったみたいでねぇ……。何処の誰がそんなの作るように頼んだか知らないけど、むしろ感謝状の一つでも送りたくてね」


「なるほど、それはまさに女神の奇跡……女神の導きでしょうね。なんだ、女神様……顕現に失敗して、神力失って、ゴミカスみたいになったって聞いてたんですけど、やる事はきっちりやってたんですね! 少しは見直したです! あ、オーナーさん。話聞いてあげたから、何か寄越せ! じゃなくて、ご褒美くださいっ!」


 そう言って、両手を揃えて前に出して、何かくれアピール。

 邪気のない満面の笑顔で思わず和む……いつもこうなら、癒やし枠なんだけどなぁ……。


 このコ……本来なら、ラーテルムの受け皿になれる光の巫女ってヤツでもあるらしいんだけど。


 邪念が多過ぎるとか、酷い理由で女神との同調は失敗に終わり、全部レインちゃんが悪いとか言われて、ブチ切れまくったらしい。

 まぁ、あの女神……基本的に使えないヤツだから、レインちゃんそんな悪くなかったんじゃないかな?


「ああ、そうだね……。じゃあ、シードルがあるから、これをあげやう。なんとアルコール入り……大人の飲み物だよ!」


 ちなみに、この子はとにかく大人扱いしてやるとそれだけで喜ぶ。

 もっとも内心では女子扱いすらしてないんだがな……そうさ、どうせ僕は嘘つき詐欺師だからね。


「マジですか! ふふふ……高倉さんも、この私をいよいよ大人認定。あ、前にも言いましたけど、最近ちょっと生えてきたんですよ……見ます? つか、とくと見やがれ、このエロエロ猫野郎っ!」


 そう言って、いきなりスカートガバーとか始めるレインちゃん。

 相変わらず、恥じらいってもんがないんだからっ!

 

「ストップ! それは止めれ! おーい、誰かー! またレインちゃんが暴走してるぞーっ!」


 そう呼びかけると、大正義ロリ、モモちゃん、ズザーとばかりに颯爽と登場っ!

 

「あっ! またオーナーさん! 女の子に変ないたずらしようとして! いけません! 事案です! 事案っ! ピッピッピピーッ!」


 いつも首から下げてるホイッスルがけたたましく鳴らされて、大変騒々しい。

 うん、最近事案って言葉を覚えて、主に僕に対し使ってくるんだ。


 まぁ、別に憲兵さんとか居ないし、犯罪者への罰則適用なんかも僕の判断って事になっちゃってるから、ぶっちゃけ僕がルールブックなんだがね。

 

 いい加減、わからせてやってもいいんじゃないかって、思うんだけど。

 レインちゃんをわからせるのに罪悪感は感じないけど、モモちゃんにそれはちょっとアレだしなぁ……。

 まぁ、間違いなく倫理光線直撃とか、謎のブラックアウトとかなるだろうから、そう言うダークサイドには堕ちぬ!


 だが、今は……レインちゃん完全ギルティッ!


「いいから、レインちゃんを止めてよ! オーナー命令っ! ミミちゃんっ頼む! レインちゃん退場ーっ!」

 

 ……いよいよ、ズロースの腰紐に手をかけようとしてたレインちゃんに、ミミちゃんがタックルかまして、そのまま小脇に抱えると、モモちゃんと二人ががりで抱えていく……。

 

「ちょっと! わ、私はあのにゃんこメンに大人になった証明をですね! はーなーせーっ! このモサモサにゃんこガールズ!」


「だからって、人前でパンツ脱ぐのは駄目ですぅっ! この場合はレインさんがわいせつ物何とか罪って事になるんですよ……それに、オーナーさんは獣なんだから、そのまま暗がりに連れて行かれて……」


 モモちゃん? ちょっと人聞き悪いけど、一応あってるかな。

  

「レインさん、いいから、もう大人しく僕らと一緒にお菓子でも食べてようよ……。 あいたーっ! け、蹴らないでよー!」


「うるさいっ! お前ら、今すぐ死んで、地獄で私に侘び続けろー! モサモサだからってイイ気になるなー! 私だって、私だってー! うっがーっ!」

 

 三人の声が遠ざかっていく。

 レインちゃん……可愛いし有能なんだけど、いまいち情緒不安定だからなぁ……。

 

 まったく……危うくまた倫理光線に目を焼かれるところだったぜ!

 

「すまんな……大倉、言っとくけど僕はロリコンじゃないぞ! ノットロリータ、ノットタッチイット! 昔からそう言ってるだろ」


「知ってた……昔から割と熟女とかSMモノとかマニアックなのが好きだったよな……お前。ちなみに俺もロリコンは卒業してる……なんと言うか、色々苦労してんだな……」


 シレッと僕の性癖を公開すんじゃねーっ!

 ま、まぁ……三十路半ばになるとストライクゾーンが広くなるのだ!

 

 SMモノは……うん、まぁ……ドSなランシアさんとか大好きだし、逆だって悪くないんだけどな……。

 愛があるなら、そう言うのだって許されると思うんだ!


 ちなみに、コイツはコイツで「LR王」の愛読者で、自他ともに認めるロリコンだったんだが。

 この様子だと、卒業したらしい……そりゃ、十代の娘が出来ちゃったんだから、いつまでもそんな事言ってられないわな。


 昔はロリ専門で有名だった「定吉28号」って作家が一推しとか言ってたけど、残念! それはモンジロー先生の別ペンネームだ。

 僕もモンジロー先生とお友達になってから知ったんだがね……絵柄とか丸っ切り別人で僕の慧眼をもってしても解らなかったぜ!


 まぁ……そこは黙っとこうかな。

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