表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界コンビニ、ネコ耳おっさん繁盛記! ハードモードな異世界で、目指せっ! コンビニパワーで、皆でハッピーもふもふスローライフ?  作者: MITT
第六章「ロメオ王国漫遊記」

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

252/368

第五十五話「海の女神様」③

「あー、そのーですな。そんな使徒とか簡単にさせられるものじゃないんじゃないかと。そもそも、そんな一方的な神様同士のやり取りだけで、一個人の命運が勝手に決められるとか、さすがに理不尽っすよ?」


「もちろん条件はあったのよ。その条件とはずばり、私の領域で私のもたらした奇跡で生命を救われる事。一連の逃避行のなかで、その条件がたまたま満たされたのよ! かくして、女神の力でその生命を救われたタカクラケンタローは、セレイネースの使徒ケントゥリとなるべく、試練に挑む……そう言うことになってるのよ。まさに、英雄譚の一節って感じよねー。いやぁ、大海の覇者、大英雄ケントゥリ……やがて、その者は大陸すらも支配下に置き、この星を席巻する……伝説はもう始まってる! 要するに、君達の出る幕じゃないの……解る?」


 挙げ句、セレイネースさんのドヤ顔で締めっ!


「ぬぉおおおおっ! なんだそりゃーっす!」


 某、思わずボンバヘッドを掻きむしりながら、地面に突っ伏す。


 ……ま、また駄女神のせいっすか!


 あの女神、ホント駄目……何、勝手なこと決めてるんだか……。


 と言うか、あの女神……タカクラの旦那はお気に召さないって感じは確かにしてたんす!

 

 曰く、せっかく使徒になれるだけのスペックの猫耳ボディ与えたのに、女神の力を借りようとせずに、これっぽっちも信心も持たず、挙げ句自力で成り上がりとか、テンプレとかガン無視じゃんとかなんとか。


 鳴り物入りで異世界デビューさせるつもりだったテンチョーさんは完全にダンナに心酔してて、ダンナに忠実に要らないこともしないで、のんびり日々を過ごしてて、むしろ影が薄いって感じだし……。


 某もゴーイングマイウェイ主義者。

 

 他にもあちこちに使徒はいるみたいだけど、誰も彼も好き勝手やってて、まとまりなんて全然ないんすよねー。

 

 信仰の方向性もコンビニの女神とか何だか変な方向になってる上に、某の腐った本の影響で駄女神街道まっしぐら。

 本人、あんまり自覚してないみたいっすけどね。

 

 確かにあんまりといえばあんまりっすよね……。

 そう言うのもあって、ダンナの神を神と思わない無神論者っぷりに、腹立ててたってのも事実なんスよね。


 けど、そこをこのセレイネースさんに付け込まれたと。

 ……何となくなんだけど、うまい具合に丸め込まれて言質取られたとかそんな気もするっす。


 確かにあのダンナ……水属性魔法が得意だったり、泳ぎが達者だったりと、意外と水属性って人じゃあるんすよね……。

 

 そこら辺もあって、セレイネースさんとも案外相性良かったり……するんすかねぇ。


 つか、生命を救われたって……一体何がどうなってそうなったのやら。

 

 でも……冷静に比較してみると、人格的にもこのセレイレースさんって人懐こっくて、頭も良くて、ちゃんと話も通じてて、某なんかの不躾な質問にも律儀に相手してくれてて、どっかの駄女神より数段ハイスペックな上に、普通にいい子だと思うっす。

 

 けど、そんないい子とみせかけて、その本質は荒ぶる海そのもの……だと思うんスよね。

 

 某もこれぞ、モノホンの神様って感じで、これでも結構緊張してるんス。

 もうねっ! 肌で解るんスよ! この代理体の時点で色々パラメーターとかカンスト状態っす!

 

「うにゃっ! どう言う意味だにゃ! 御主人様はみんなにとって必要な御主人様なんだにゃー! お前なんかの勝手に出来ると思うにゃーっ!」

 

 テンチョーさん。

 なんか、某の言いたいことを言ってくれたっす! そうだそうだーっす!!


「そ、そうっすよ! そもそも、本人がそんな話同意するはずないっす!」


 ダンナにしてみれば「明日から、君、海の女神の使徒です!」とか思いっきり寝耳に水だと思うっすよ。

 本人だって、こんな話知ったら、絶対に同意なんてしないっす!


「えー、だって! 本来のあの人の運命って、無残にリヴァイアサンに食べられちゃっておしまいって、運命だったのよ? そこをこの私の囁きで、一瞬早く気付いて、華麗に死の運命から逃れた……。さっすが! よねー!」


「……はい? そ、そうだったんすか!」


 死の運命を女神の奇跡で覆したって……え? まじで?


「そうよー。私はこの世界の海で起こってる事象のすべてを把握できるの。もっと派手に介入したかったんだけど、思わず危ないって言ったら、ちゃんと反応してくれてね。これって私の起こした奇跡よね? そうよね?」


 ……どうなんすかね、それ。


 これって、TVドラマやアニメの登場人物に危ない後ろー! って言ったら、気付いたとかそんなレベルの話って気もしないでもないっすよ。


 確かに、主観的に見たら、そう言う場合でも自分の声に反応してくれたって解釈も出来なくもないっすけど。


「……それ、思いっきり偶然っぽいっすよ? これは、旦那に聞いてみないとなんとも言えないっすよね」


「うぇ? ぐ、偶然? た、確かに……でもでもっ! 普通はあんなの死んじゃうよ? 迫りくるリヴァイアサンの牙……後ろに目が付いてるかのように、覚えたばかりの魔術を駆使して、華麗に回避! 私の力を受け入れて、奇跡を起こした……そう言う事に違いないわっ!」


 ……なるほど、根拠は無い。

 そう言うことみたいっすね……うん、この女神さん、悪い子じゃないけど。

 少々、脇が甘いっす! 


「だから、実際どうなのか……そこが重要じゃないっすか? あのダンナなら、それくらいの超回避……自力でこなせると思うっすよ?」


 ……あのダンナの強運と、危機察知能力は割とガチっすからね。

 それを勝手に女神の奇跡認定とかやらせはせん! やらせはせんですぞーっ! 


「もうーっ! アンタ、なんなのよーっ! さっきからケチばっかりつけて、そもそも、船に自分の名前も付けちゃった上に、加護まで願われちゃったんですもの! その名を冠した船に加護を与える以上、使徒としての条件もばっちりなのよっ! こ、これならどうっ!」


「おぅふ……。そういや、そんな話に……つか、船に自分の名前を付けるってのはそう言う意味もあるんすか?」


 ……さ、さすがにそう来られると、某もちょっと苦しいっす!

 確かに、そんな話……某も聞いてたっす。


「私の加護を授かった海上船なんて、当たり前のように私の眷属のようなものよ。しかも、特上の加護を付けちゃったからね! あの船は嵐にあっても無事に済むし、海の怪異だって向こうから避けていくはずよ。そう言う意味では、ケントゥリ号は私の眷属とも言えるわ。本人が在命なら、その本人は自動的に海の民と同等扱いになるのよ」


 ……ダンナも例によって、安請け合いしちゃったみたいだけど。

 船に自分の名を冠させるって、そう言う意味もあったんスか!


「あー、うー、そ、そのですな。そもそも、海の女神の使徒とか他にもいるじゃないですか……。有名ななんでしたっけ……釣り人のなんとかダンさんとか? あの人、元々異世界からラーテルムに召喚されたクセにデカイ船作って、海に出ちゃったとかそんな感じらしいんすけど」


「ああ、「海狩人」タカアシ・ダン……彼もそうね。ラーテルムから、むしろ、私に似つかわしいんじゃない? とか言って押し付けられたんだけどね。でも、せっかく私の使徒になったのに、毎日毎日釣り三昧で全然つまんないのよ……。船にも最高の加護与えたのに、世界の海を制してみない? とか言っても、めんどくさいとか言い切っちゃうし……」


「まぁ、そらそうでしょうな。某も世界征服しろとか言われても、全力で断りますな!」


 まぁ、普通に当たり前だと思うっす!

 趣味と世界征服とか並べられたら、前者を取るのが当然っすよ!


「……なにそれ? 欲がないのね。けど、タカクラなら、きっと我が海神の使徒として、派手に暴れてくれそうじゃない? 私としては、喜んでーってって感じ? もうね! 加護とかチートてんこ盛りで海の魔王とか呼ばれちゃう位にはなってもらってー、あの男は私が育てたってラーテルムにドヤってやるの! 楽しみーっ!」


 ……おうふ。

 動機も何となく解ったっす。


 単にラーテルムにドヤりたいから。

 なんか、ライバルっぽいポジションって感じだから、見返してやるーとかそんなんだと思うっす。


 もうね! 単純過ぎるゆえにタチが悪いっす!

 

 けど、加護を願ったのはあくまで船の航海の安全祈願とかそんなもんで、それで名前を借りた本人も女神の使徒にってのは、ちょっと無理筋じゃねーっすかね。


 ぶっちゃけ、某ももうこりゃ反論できねっすって白旗気分だったけど、一番大事な所が抜けてたっす!


 そう……本人がそれを望むかどうか?

 ここが一番重要! 望まないなら某、全力でこの状況に抗うっすよ!


「異議ありっす! タカクラの旦那は異世界人だし、こっちの世界の命運を左右するような重要人物っすよ! そんな海の女神の使徒なんてなったら、みんな、困るっす!」


「ええ? だって……ラーテルムも自分の使徒じゃないから、好きにすればーって言ってたしー! なんか、名前も聞きたくないって感じだったんだけど、一体何やらかしたの? あの人……」


「……ノーコメントっす!」


 一応、知らないなら黙っといたほうが良さげっすね。

 

 自分に頭下げないからムカつくって、まさに駄女神って感じっすから。


 なんだか、某もあの駄女神、見限りたくなってきたっすなぁ……。

 前々から思ってたんスけど、クソ女神って呼ぶのが相応しい……そんな感じっすから。


 ……いっそ、神の座に引きこもってて欲しいっすなぁ……。


「あら……そう。でもまぁ、ラーテルムが嫌ってて、要らないってのなら、私がもらっていいんじゃない? 一応、タカアシって前例がいるし、なんだかんだで女神同士の話はとっくに付いてるんだから、外野は黙っててほしいんだけど。って言うか、私も使徒がもう一人くらい欲しかったから、ちょうどよかったのよ。それで……何か問題でも?」


 ぐぬぬ……自分より上の立場の奴ら同士で勝手に話が付いてるとか……。

 何という理不尽! これが社会? 否っ!


 だがしかし! 某は理不尽には屈しない! 否! ここは屈して良いところじゃねぇっす!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ