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異世界コンビニ、ネコ耳おっさん繁盛記! ハードモードな異世界で、目指せっ! コンビニパワーで、皆でハッピーもふもふスローライフ?  作者: MITT
第六章「ロメオ王国漫遊記」

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第五十三話「ここをキャンプ地とするっ!③

「なるほど、ラトリエちゃんも知らない魚もいるんだ」


「さすがにこの辺りにいる魚の全種類ともなると図鑑が必要ですし、未だに時々、新種発見なんて話も聞きますからね。基本的に食べられるものだけを覚えておいて、それ以外は食べないと言うのが、毒に当たらないコツですわ」


 ……まるで、キノコハンターみたいな話ですこと。

 けど、食べられるものだけでも、それなりの量になったことだし……。

 地元民のお墨付きが出てる以上、安心して食べられる!


 そんな訳で、お料理開始だ!


 あ、毒魚や良く解らないのは、穴ほって埋めました。

 無益な殺生をしてしまったけど、次は面倒くさがらずに、食べられるのだけ捕るようにします。


 まずは、かまどを組んで、焚き火をする。

 この辺は、僕が担当……火を付けるのは、ラトリエちゃんにお願いしてあっさり出来た。


 ヤシの木もどきの幹の皮って、繊維状になってるから、着火剤代わりになるってことも普通に知ってた。


 この子、キャンプの達人ですよっ!

 

 僕がニャンと水鳥剣で、三枚おろしにしたりしつつ、切り身を作っていく。

 ラトリエちゃんも、指先に氷のメスみたいなのを作り出す魔法で、器用に捌いていく。


 ロージャは、脂身の多い魚らしく、焚き火で石を焼いてその上に切り身を乗せて、石焼にする。

 スケスケのクラマリスは、刺し身! 案の定、アニキサス的な寄生虫がいたけど、透明だから丸わかり!


 一切れつまみ食いしたけど、ゼリーみたいな見た目なのに味はトロ! やべぇ、ウメェっ!


 セムージュは、開きにして、陰干し。

 これなら、保存も効くから、明日の朝ごはんにでもしよう。


 塩とかあればなーと思ってたら、ヤシの実の殻に海水を汲んで、石を焼いてそれに海水を注いで、結晶化した塩をかき集めると言う方法で抽出。

 

 海水汲んで来てって言われて、波打ち際まで往復はそれなりに大変だったけど、塩が使えるになったのは嬉しい!


 うーむ、サバイバルの必需品のひとつだったんだけど、いとも簡単に手に入ってしまった。

 考えてみれば、無人島だと周り海だから、塩にはあんまり困らないんだった。

 

 山芋みたいなトルサラ芋は、生でも食べられるから、そのまま小さく切り分けで、塩振って食う!

 一応、主食代わりにはなりそうだった。


 ラトリエちゃんの話だと、そこら中に生えてる細いつる植物が全部それらしい。

 

 そう言えば、ミミモモも言ってたな……。 

 なんでも、芋、むかご、種といろんな繁殖手段を持ってる上に、地面を這って勝手に根付いたりもするから、芋を掘って、茎をそのへんに放置してても根付いて復活したりもするらしい。

 とにかく、強靭な植物なんだとか……。


 繁殖力が半端ないから、ほっとくと凄まじい勢いで増えるんだけど、芋やむかご、葉っぱも食べられるから、貴重な食料でもあるらしい。

 

 茎とか棘生えてるから、そこら辺は要注意らしいんだけどね。


 うーむ、地球に持ち込んだら、バイオハザード起こしかねないな……これ。

 実際、こんな無人島にまで侵入して、大繁殖してしまっている。


 まぁ、僕らとしては助かるんだけど。

 栽培とかされてないのは、多分増えすぎて手に負えなくなるからなんだろう。


 僕も追加で取りに行ったんだけど、下草の半分くらいがトルサラ。

 砂地にも適応してるみたいで、緑になってる部分は大半がコイツ……ライバルも人間もいない環境で、増え放題になってるらしい。


 けど、ハマダイコンみたいなのとか、イネっぽいのとか、海浜植物も結構生えてる。

 ハマダイコンって確か食べれた気もするんだけど……地球の知識が当てにならないのは、思い知ったので、ラトリエちゃんにでも聞いてみよう。


「さぁて……すっかり日もくれたけど、無人島サバイバル! 今夜の晩御飯の完成だっ!」


「はい、旦那様……お召し上がりください! ロキシス海の幸セットでございますわよー!」


 ロージャの切り身の塩焼き。

 クラマリスの刺し身盛り合わせと天然焼き塩。


 ロゴリアのすまし汁風アラ汁とトルサラ芋をサイコロ大にして、混ぜ込んでみた。

 主食は、トルサラ芋の一口サイズ生の塩かけだ。


 うん、思ったよりも贅沢な晩ごはんだ。


 まずは、クラマリス……半透明の刺し身とか斬新だけど、美味いのは解ってる。

 軽く塩を付けて食べる。


「くぅううう……美味いっ! 最高級の大トロにも引けを取らないよ!」


「大トロってアレですよね。コンビニにも売ってましたよね。わたくしも賞味させていただきましたけど、赤身の魚に油のようなもので味を付けたって感じでしたね」


「アレって、常温で置いといても傷まないって、怪しげなのだからねぇ……。トロって言ってるけど、マグロの赤身に調味油混ぜてるって話だよ。僕はあんまりお勧めしないし、皆買っていかないから、たまにしか入荷しないんだけど……食べてみたんだ」


「ええ、わたくし達にとっても、コンビニは、珍しい食べ物がたくさんありますからね。一通り堪能させていただいてますが、ロキサス出身の者達は、クラマリスの刺し身が恋しいとか言ってましたね」


「確かに、これは美味しいね。これは湯がいたりしても美味しいかもしれないね!」


「そうですねっ! お茶漬けでしたっけ? あれも良さそうですよね」


「ううっ、またご飯が欲しくなることをっ!」


 うーむ、日本酒と白いご飯だなー。

 ないと思うと余計に恋しくなる。


「そうですね。クラマリスは単独だとそうなりますね。せっかくなのでこちらも」


 そう言いながら、葉っぱに載せた黄色と青のシマシマの皮付きのロージャの切り身を差し出される。


 派手な皮と対照的に身は白く、脂が乗ってるのが解る。

 香りもいいし、絶対美味いやつだって事は解る。

 

 葉っぱごと受け取って、皮ごと切り分けて一口っ!


「くっそーっ! 脂が乗っててめっちゃ美味いじゃないかっ!」


 ロージャの塩焼き。

 ただし、カラフルな皮は焼いてもその色は健在。

 

 とは言え、沖縄とか台湾なんかだと、黄色かったり、青かったりする魚も普通に市場に売ってて、普通に食べてるらしいし……。


 味として、例えるならタラに近いかな?

 要するに、普通に美味いっ!

 

 これは鍋にしてもいいかもな……ああ、日本酒が欲しい。


「ロージャは、大きめでよく捕れるので、安くて食べでがあって美味しいと評判なんですわ」


「確かに、これは美味しいねぇ……これで日本酒があればなぁ……」


「日本酒……お米から作る透明なお酒でしたっけ。和歌子様がお勧めしてましたね」


「日本酒は、やっぱり和食や魚料理と合うんだよなぁ……。帰ったら、一緒に飲むか」


「いいですわね! でも、わたくしを酔わせてどうするので?」


 ラトリエちゃんがいたずらっぽい笑みを浮かべて、笑いかけてくる。

 

「ふふふ、どうして欲しい?」


 そう告げながら、ほっぺたに手を伸ばすとむしろ、顔を赤くしてアタフタしてる。


 自分でネタ振りしといてコレなんだもんな。

 

「まぁ、無理はしなくていいんじゃないかなぁ……。それより冷めないうちに食べちゃおうっ! あ、こっちのアラ汁も美味いよっ!」


 ちなみに鍋なんて無いから、ヤシの実の殻に海水とアラをブチ込んで、焼いた石を出し入れして、作った。

 なお、ほぼ僕の手製。


 これもなかなかいい感じで脂と出しが出てて美味いっ! 

 アゴだしのラーメンとかにも似てるな。

 ああ、ラーメンも食いたいなっ!


「あら、意外といい感じじゃないですか。ロゴリアにこんな食べ方があったなんて……これは戻ったら、家族にも食べさせないと……ですね!」


「意外と家族思いなんだね」


「はい、なんだかんだで末っ子なので、皆から愛されてました。きっとロキサスでは皆、心配してるでしょうね……」


 ロキシウス侯爵には、悪いことしたなぁ……。

 責任感じてたりしなきゃいいけど。


 ちなみにロゴリアのアラ汁は、これで正解だったっぽい。

 骨がゴツいし、ゼラチン質が多くて、あれだ……アンコウみたいな感じ。


 トルサラ芋は……茹でると里芋みたいで悪くない。

 ご飯と醤油があればなー。


 まぁ、生でも食えるし、そこら中にあるからな。

 この調子だと飢える心配は無さそうだった。


 やがて、豪華海の幸の食事も済み、後片付けも終わり、簡単な葉っぱテントで横になる。

 

 ラトリエちゃんは熱心に天測を始めてるけど、僕が出る幕じゃ無さそうだった。

 

 その様子を見ながら、いつのまにか僕は眠りの世界に誘われるのだった……。

次回、視点チェンジ!

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