第五十話「猫耳おっさんビーチバカンス!」①
とまぁ、色々あって、それから一週間ほど経ったんですよ。
僕は、無事に退院したんだけど、モンジローくんはしばらく療養って事で入院中。
右手が動けば、別に何も困んねーとか言ってて、元気そうではあるんだけど。
何やら、新たなる神話を作るとか言って、熱心に絵を描きまくってたから、それなりに幸せそうな感じだった。
こないだの強盗騒ぎで、死傷者ゼロの奇跡を演出してくれたのは、間違いなくモンジローくんだからね。
色々状況をややこしくしてくれたテンチョーやレインちゃんは思いっきりギルティだけど。
僕は寛大なので全部許した。
なお、レインちゃんは相変わらず、二人きりになると嬉々としてパンツ脱ごうとするとか困った感じになってるのだけど。
二人きりになったり、妙なスイッチが入らなければ至っていい子だから、ほっといてる。
むしろ、どうでもいいんですが……。
サトルくん、ちゃんと見張っててください。
テンチョーは、なんだかスキンシップが増えたような気もするけど、相変わらず無知なので、何の進展もなし。
そのうち、ラブラブイベントのひとつやふたつくらいあるでしょーと気長に構えることにした。
そして……僕は、休暇をクロイエ陛下直々に申し渡されたのもあって、ロメオ最大の港湾都市ロキシスの視察と僕の名前を冠する新型艦の進水式に招待されたのだった。
なお、テンチョーがラトリエちゃんに買収されて、オーケー出しちゃったとかで、僕の知らないうちに決定事項になってたと言うから、笑えない。
まぁ、別にいいんだけどね。
なお、買収額はアジの開き、一ダース分……やっすい買収だな。
――ザザーンと遠く波の音が聞こえる――
きらめく太陽、白い砂浜、青い海……ビーチチェアとパラソルの下で、のんびりと寛ぎながら、ビールをくいっと……。
うーむ、これは堪らんね。
「旦那様ぁ、如何ですか? 当家のプライベートビーチは?」
ラトリエちゃんが扇をパタパタと扇ぎながら、嬉しそうに隣で傅いている。
「いやぁ……なんと言うか、王侯貴族にでもなった気分だよ」
「なった気分も何も、今の貴様は立派な王侯貴族の一員であるのだぞ? いい加減、庶民根性は捨てるべきではないかな? しかし、ラトリエ……貴様も我らもまとめて招待してくれるとは、気が利いておるではないか……なかなか、悪くないぞ?」
「そうだな……すまんな。タカクラ卿を送るだけで、私はサクラバに一度戻ろうかと思っていたのだが。海というものをどうしても間近で見てみたくてな……。そんな事をやっている間に大臣達から、しばらく帰ってこなくても問題ないから、タカクラ卿共々、ごゆっくり婚前旅行でも楽しんで来てください……などと言われてしまってな。すまぬが、数日ばかり世話になるぞ」
そんな事を言いながら、クロイエ様、自分が言った婚前旅行と言う言葉に、急に恥ずかしくなったらしく真っ赤になって俯いていた。
なに、この可愛い生き物。
「うふふ、それは当然ですわ。我が師と仰ぐアージュ様に、女王陛下なんて、最高のお客様ですから。それにタカクラ閣下のご来訪……ロキシスの街では今頃、御三方の歓迎パレードの準備中ですわ」
ちなみに、ラトリエちゃんは一糸まとわぬ姿……ではなく、背中の大きく開いた黒いワンピースビキニの大人っぽいデザインの水着を着てる。
髪型もいつもの後ろで結んだお団子ヘア。
うーん、この子、見た目は清楚だから、シックな雰囲気で実にエロ可愛いな。
僕はむしろ、こう言うシックなお姉さんって雰囲気に弱いんだよな……つまりグッド!
隣では、同じ様にクロイエ陛下とアージュさんが寛いでて、浜辺では、テンチョーとリスティスちゃんがビーチバレーの一騎打ちをやってて、セルマちゃんがクレーターみたいな砂山に半分埋まってる。
せっかくだからって連れてきたミミモモも、テンチョーチームだったんだけど。
リスティスちゃんのハイパースマッシュをブロックしようとして、二人まとめて吹っ飛んで、やっぱり横たわってる。
と言うか、やっぱリスティスちゃん凄いな。
テンチョーと互角に張り合ってるとか、ハンパない。
先の一件でも、あの和歌子さんの殺気オーラにギリギリ耐えたって話だし。
あれ……まともに食らうと、もれなく腰が抜けてジョビジョバになる……なんて、尋常じゃないヤツだからなぁ。
バイトリーダー時代にも、20人くらいの暴走族に取り囲まれて、殺気だけで、全員腰砕けにしたりとかやってたけど……相変わらずらしい。
それを考えると、リスティスちゃんは相当ハイレベルの戦士って事でもある。
ちなみに、リスティスちゃんとテンチョーの対決は、超必殺技みたいなのの応酬って感じで、セルマちゃんはかなり早い段階で脱落した。
むしろ、ミミモモは頑張ったほう。
リスティスちゃんは、テンチョーの強さを理解した上で、本気で戦える相手とか言って、めっちゃ楽しそう。
彼女、基本的に脳筋なんだよね……残念なことに。
なんかもうあそこだけ、空気が違う……まるで熱血漫画のよう……。
けど、それよりも……海といえば、水着の女の子!
皆、それぞれ色とりどりの水着姿。
もちろん、この世界流の前掛けにダボダボパンツなんて、残念な代物じゃない。
具体的には、クロイエ様はタンキニと呼ばれる水着。
上は花柄ワンピースみたいな感じで、下は黒のハイレグっぽいちょっと際どいデザインで金色の生地のパレオを纏って、ゴージャスな雰囲気。
大胆……と言いたいところだけど、まだまだ全然お子様体型なので、まぁ、どっちかという可愛らしい。
アージュさんは、スクール水着みたいな青と白のシマシマワンピース水着。
ただし、下はスパッツみたいな膝丈で、微妙にダサい。
太もも見せるのは恥ずかしいんだとか……紋次郎くんのデザイン画では、ハイレグビキニとかそんな感じだったんだけど、デザイン画の時点で、こんな恥ずかしい物着れるかーって、アージュさんがキレてこうなった。
相変わらず、奥ゆかしいんだけど……何ともババ臭い。
本人には、言えないんだがね。
セルマちゃんは、赤のビキニ。
ご立派なお胸さんが強調されて、大変けしからん事になってる。
いや、つい鼻の下が伸びてしまうなぁ……眼福眼福。
でも、白目剥いて、死体みたいに半分砂に埋まってるのはいただけないなぁ。
いつもだったら、アンナさんあたりがフォローしてくれるんだけど、今日はアンナさんは同行してないので、ほったらかしにされてるらしい。
おろしたての麦わら帽子がひっそりと体の上に乗っかってて、兵どもが夢の跡……。
……チーンって擬音が似合う感じになってる。
助けに行っても良いんだけど、下手に近づくと巻き添えを食らいそう……ごめん、セルマちゃん。
僕はこのまま、ここで見ているよ。
横になってるせいで、ふにょっとなってるバストもなかなか良いもんだな。
リスティスちゃんは……青いビキニで下はデニムのショートパンツ調のアクティブな雰囲気の水着だ。
この子、ウェストもキュッと細くて、スタイル抜群。
普段着みたいなデニムショートパンツ姿も太ももが眩しい!
実に健康的かつ、やっぱりエロ可愛い。
紋次郎くん、渾身のデザインって言ってたけど、なかなかいい感じ。
まさに10代の健康的な肉体美って感じで、思わず鼻の下が伸びそうになる。
と言うか何気に腹筋とか割れてて、アスリートって感じでもある。
女子で筋肉ってどうなの? って思ってたけど、リスティスちゃんみたいに可愛い子だと、これはこれで悪くないんだよなー。
ちなみに、僕もしっかりシックスパックで腹筋ガチガチ。
うん、やっぱ筋肉美ってのはふつくしい……リスティスちゃんグッドだぜ!
なんせ、僕の筋肉見せびらかしたら、かなり鍛えこんでますね! とか言ってナデナデしてくれたし、向こうも触らせてくれたからね!
お肌を直にお触りさせてくれるなんて!
最初の頃と比べたら、随分距離が縮まったものだ。
それに、表情なんかもツンツン98%くらいだったのに、今では半々くらいになってて、随分と変わってきてる。
基本的に良い子なんだよなぁ……マーベラスッ!
ミミモモは……どっちもスクール水着みたいなのを着てる。
最初、ミミちゃんは海パン一丁で、上は要らないとか言ってたけど……。
仮にも女の子がそれじゃ駄目っつって、スクール水着にさせた。
ちゃんと、ゼッケン付きでひらがなで「みみ」「もも」と書いてあるんだぞ?
そこら辺はやっぱお約束だよね。
紋次郎くん、解ってる!
いやはや、眼福、眼福。
そして、テンチョーは……黒のビキニ。
ちゃんと尻尾の部分は布が避けててV字カットみたいになってるもんで、尻尾を上げるとほぼお尻丸出しと言う凄いデザインなんだけど。
その辺、テンチョーは無意識にガードしてるらしく、見えそうで見えない……!
この絶妙なチラリズムがたまらない!
ちなみに、皆の水着はモンジローくんデザイン。
素材とか、こっちより日本のほうが機能的に優れてるから、モンジローくんのデザインを元に、日本の服飾メーカーにオーダーメイドで作ってもらった。
なお、水着についてはアージュさん以外は全員、海に来てから、自分用が用意されてた事を知ったんだけどね。
クロイエ様とか着せる機会ないかも知れないと、半ばダメ元だったのだけど、大成功!
ちなみにアージュさんにバレたのは、紋次郎君がデザイン画描いてたら、横から覗かれてバレた!
本人のリクエスト通りにしたのだけど、紋次郎君的にはクソデザだって泣いてた。
確かにこれは無いなー。
サイズとかは、皆よく解ってないみたいだったけど、何故かモンジローくんが全員分の数字を把握してたんで、その数字で発注したけど、ジャストフィットだったらしい。
人の嫁のスリーサイズ……なんで、把握してんの? と思わなくもないけど……。
そこはそれ、さすが、モンジローくん!
グッジョブ過ぎて文句なんか出るわけがない!
本人、このロキシス行きには来たがってたけど……紋次郎くんも、意外に多忙なんだよね。
神話づくりを優先するって言ってたし、全員分の水着写真で十分満足って言ってて、デジカメを託されたのでバッチリ記録しておいた。
なにせ、ほぼ全員僕の嫁なのだからね! 盗撮なんかじゃない! 断じて否っ!
唐突に連載再開です。
何気に新連載もやってます。
見てね?
「ドキッ! 身体は子供、中身はおっさんなヴァンパイアはちょっと最強無敵。美少年エルフとして、美少女お姉様達に愛でられる奴隷ライフ始めましたッ!」
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